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独創アイデア、技術力を持つ小中高生クリエータの11プロジェクト─今、未踏ジュニアが生み出すもの

未踏ジュニアとは?

未踏については、エンジニアであればほとんどの方がご存知だろう。ざっと、概要をさらうと、未踏はIPAが2000年度に「未踏ソフトウェア創造事業」として始めたプロジェクトだ。

2008年度により若い人材の発掘・育成に重点を置き、「未踏IT人材発掘・育成事業」として再編された。現在、2つの事業を総称して「未踏事業」と呼ばれる。

能力・実績のあるプロジェクトマネージャー(PM)のもと、新規性、独創性といったテーマにより選抜されたプロジェクトに対し、継続的な開発支援(資金、メンタリング含め)を行い、ゴールまで導くというもの。

事業終了後、特に優秀であると評価された候補者を「未踏スーパークリエイタ」と認定している。2016年度までに合わせて297名の「スーパークリエータ」が誕生し、IT系のクリエイターの登竜門として広く認知されている。

2016年より始まった「未踏ジュニア」は言葉のとおり「未踏」のジュニア版で、本体の「未踏」が公募対象を25歳未満としている(2011年度より)のに対し、17歳以下の小中高生および高専生を対象として行われる人材育成事業だ。

未踏ジュニアの運営母体である「社団法人未踏」は、未踏事業のOB/OG、関係者らを中心に設立された組織で、「未踏」の統括プロジェクトマネージャ・竹内郁雄氏が代表理事を務める。

未踏ジュニア実行委員会(未踏PM/OB/OG、関係者)の皆さんと未踏ジュニアたち

2017年度の実施概要は、4月1日時点で17歳以下の個人および、これらの年齢で構成されたグループ(最大4人)を対象に、期間は6月中旬から10月まで。その間、プロジェクトマネージャー(PM)のもとアイデアの実装を目指すという形で行われた。

未踏本体と同様、アイデアだけではなく、最終的には実際に動くプロトタイプまで作り込む(さらにはユーザーテストまで)ことが求められる。

10月22日に最終成果報告会が行われ、11プロジェクトがそれぞれの成果を発表した。以下では、最終成果報告会で発表されたプレゼンの中から、個人的に興味深いと感じたプロジェクトをいくつか紹介したい。

映画や本のストーリーを自然言語処理技術で

まず紹介するのは、菅野プロジェクト(米辻PM)による「narratica〜ストーリーコンサルタント〜」。

菅野楓さんは、自然言語処理技術を使って映画や本のストーリーを解析し、理解をうながしたり、ストーリー構成の提案を行うなどの創作支援エディタを開発した。

発表する菅野楓さん(早稲田実業学校中等部)

これまでの読書経験から物語に類型があることに気づいていたという菅野さん。その考え方を映画に適用し、ヒット作=多くの人たちからの支持を受けた=優れたシナリオ、として該当作のシナリオを言語解析することで、「ヒット作の黄金パターン」ともいうべきストーリーの流れを明示しようというもの。

可視化することにより、一部の天才だけではなく、誰もがその流れを使って「たくさんの人たちをワクワクさせる物語」を作成することができるようになる。

小説や映画、ドラマ(あるいはゲームも)の物語作成において、登場人物に感情移入した観客の感情をどう引っ張って、カタルシス獲得まで導くかといったメソッド、鉄則的な方法論は実際いくつか存在する。

たとえば、シド・フィールドによって理論化された構成技法に「三幕8場」がある。これは、八場を一幕、二幕、三幕のまとまりに分け、
一幕(1〜2場):設定
二幕(3〜6場):葛藤
三幕(7〜8場):解決

として役割を持たせるというものだ。さらに、その3つの幕の比は1:2:1とされている。この三幕8場は、主に映画の脚本を対象に確立されたものだが、いまでは広く、ゲームや小説などにも応用されている。

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