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なぜ新聞に消費税の軽減税率が適用されるのか?

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なぜ新聞に消費税の軽減税率が適用されるのか?

消費税軽減税率とは?

軽減税率とは、標準税率より低く抑えられた税率のことです。私たちの消費した物やサービスに課税される消費税は、誰でも同じ税率が適用されるため、低所得者の負担が大きくなります。そのため、消費税に複数の税率を導入し、食料品などの生活必需品には、低い税率を適用して消費者の負担を軽くするのが目的です。欧州では、すでに食料品などに軽減税率を設け、消費者の税負担を軽くしています。

単純に食料品など生活必需品の税率が下がるため、消費者にとって負担軽減になることが一番のメリットです。毎日の暮らしの中で、税負担の軽減を実感することができ、必要度の高いものほど税負担が軽くなれば、家計へのダメージが少なく感じることができます。また、生活必需品の消費税が下がるので、出費の大半が生活必需品である低所得者は消費税の負担が少なく済みます。

「新聞」は「生活必需品と言えるのか」が考えるポイント

軽減税率の適用対象となる「新聞」とは、『定期購読契約が締結された週2回以上発行される、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載するもの』とされております。従って、コンビニエンスストアや駅売店などでの新聞の販売は、定期購読契約に基づくものではないため軽減税率の適用対象となりません。

他方、インターネットを通じて配信する電子版の新聞は、電気通信回線を介して行われる役務の提供である「電気通信利用役務の提供」に該当し、「新聞の譲渡」に該当しないとされております。

新聞界では、ニュースや知識を得るための負担を減らすことにより、活字文化の維持、普及に不可欠を主張しています。現在欧州を中心に、標準税率は20%前後でも、新聞の税率は10%以下の国が大半です。ニュースや知識を得るという部分に限ると、なぜ週1回発行の新聞、電子版の新聞や有料のCS放送は対象外なのでしょうか?週2回以上としているところから、新聞の宅配制度の維持のために帳尻を合わせた、国民の利益というより、一部の方の利益のための制度と言えるでしょう。

日用品などとの整合性の問題もある

食料品以外にも生活必需品と言える日用品はなぜ対象にしないのでしょうか?飲食料品でも外食は消費税率が10%となっており、軽減税率の対象になっておりません。生活必需品といっても線引きが難しく、食料品をとっても毎日食べる食品から高級食材に至るまで膨大な数になります。

平成29年10月の衆議院総選挙で与党大勝の結果となり、消費税複数税率は今度こそ導入されるでしょうが、軽減税率は一度導入されると、既得権益も発生し、二度と戻せないと考えるべきでしょう。課税の公平性の観点から考えると、単純に税率が軽減されて良かった!という話ではありません。消費者の立場では、軽減税率で支出が少なくて済む部分は歓迎すべきことでしょうが、事業者の立場では、複数の税率の商品を扱うことによる事務処理の煩雑さや対応システムの費用負担の問題もあります。軽減税率の対象商品に該当するか否かで売上にどう影響するのか?会社経営にも大きな影響が考えられます。だから新聞に軽減税率という話があがるのでしょう。

今回の軽減税率の話に限らず、平成30年税制改正の議論でも諸外国がこうしているから日本もこうする、といった話があがっております。国民不在の制度設計にならないことを期待します。

(泉田 裕史/税理士)

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