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火災に停電、遭難も! KDDI社員、南極のトラブルに備える【南極連載2017第4回】

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日本から1万4,000km離れた「南極」に赴任中のKDDI社員による連載企画。2016年11月に日本を出発し、その後14カ月も日本に帰れない彼の南極滞在中のミッションは、「昭和基地の通信環境をひとりで守る」ということ。日々の業務の様子から、食事や暮らし、そして休日の過ごし方まで、現地からお届けしてきたこの連載も、今回が最終回です。

南極でも「火の用心〜」は大切です!

TIME & SPACE読者のみなさん、こんにちは。KDDIから国立極地研究所に出向している笹栗隆司です。

今回は越冬生活のなかで重要な訓練についてご紹介します。

南極で恐ろしいトラブルは、火災、停電、遭難です。万が一トラブルが発生した際は速やかに対応できるよう準備しています。

まずは火災について。南極には消防署もポンプ車もないので、火災が発生した場合は基地にいる隊員で消火を行います。居住区画には防火服とホース、消火器が整備され、火災報知器が鳴ったときには隊員が全力疾走で駆けつけます。防火服の使い方、ホースの展張など、隊員は毎月行う消火訓練で勉強していきます。


消火訓練の様子(梅澤隊員撮影)

昭和基地の建物はそれぞれ距離を離して建てられています。居住区画は渡り廊下でつながり、研究区画は屋外を歩いて移動します。これは、延焼を防ぐための設計です。気温が低く乾燥した南極では、火勢が強くなりやすく、散水が困難なため、消火手順のなかには建物の破壊による鎮火も含まれています。幸い、昭和基地では大きな火災を起こさずに現在まで運営してこれています。

電気は重要なインフラ。停電への備えも抜かりなく

停電への備えも重要な仕事です。日本では電気の供給は冗長化され、大規模な停電は発生しにくいですが、基地では発電機を使って電気を生み出し、観測や生活に必要な電力を賄っています。観測用のアンテナなど電力消費の大きな機材があり、発電能力は一般家庭400軒分です。停電の際には、全隊員がそれぞれ担当の設備の点検やブレーカーの確認を行い復旧作業にあたります。

私の担当する衛星アンテナは、研究区画のはずれにあるので、ひとたび障害となれば、雪の積もった岩道を踏みしめて設備に急行します。


右奥にあるのが、衛星アンテナが格納されたレドームという建物。左手の雪原は1次隊でタロジロたちがつながれていた場所

58次隊は設営隊員の尽力でここまで停電なく乗り切ることができました。過去隊の事例から、私も夜間(および極夜期間)の停電に備えて、枕元にヘッドライトを常備しています。

講習や訓練を重ね、遭難や怪我に備える

最後に、遭難や怪我に対する安全講習です。基地活動におけるさまざまなトラブルの事例は代々蓄積されています。これらの事例を分析し、勉強会を行い隊員で共有していきます。

万が一、遭難やケガが発生した時は、隊員でレスキュー班を立ち上げ救助に向かわねばなりません。レスキューの専門家を中心に、ロープの結び方、下降の仕方など講習と訓練を行っています。


海氷で動けなくなった雪上車のレスキュー訓練の様子(森隊員撮影)

シェフお手製のおいしい食事が毎日の楽しみ。そのおかげで……

ところで、下の写真が私の近影なのですが……。

到着直後の写真と見比べると「ちょっと太ったんじゃないか?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうです、南極に到着してから5キロ以上太ってしまいました。

基地では2名のシェフが交代でおいしい料理を提供してくれます。食費はお給料から天引きですが、1年越冬するのに必要な食料は一人あたり1トンにもなります。生野菜は5月ごろに食べきってしまいましたが、冷凍の野菜や魚、肉などシェフが工夫を凝らしてくれたバリエーション豊かなメニューが南極生活の楽しみとなっています。


専任のシェフが調理してくれる料理は、どれも美味!

気温の上昇に伴い、蜃気楼が現れ始める

南極の気温は8月下旬から9月にかけてがもっとも低く、-30℃を下回る日々が続きました。10月は春。真冬だった8月からは気温もあがり-15℃くらいの暖かな日が続きます。気温の上昇に伴い、基地の周囲では蜃気楼が現れ始めます。

冬の間、北に移動していた動物も繁殖のために大陸沿岸に戻ってくるので、夏に向けて観測が活発に行われていきます。

さて、4回にわたってお届けしてきた南極からのレポートもこれで最後になります。南極での暮らしも残すところ約3ヶ月。自分の任務をきちんと果たしながら、1日1日を大切にして過ごしていきたいと思います。

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