インクジェットプリンターから超薄型バイオ太陽電池を製作することに成功

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英国の公立研究大学「インペリアル・カレッジ・ロンドン」をはじめとする共同研究チームは、2017年11月、インクジェットプリンターを使って、藍色細菌とカーボンナノチューブで構成される超薄型バイオ太陽電池を製作したことを明らかにした。

・バイオ太陽電池をインクジェットプリンターで印刷

藍色細菌とは、光合成によって酸素を生み出す“酸素発生型光合成細菌”のひとつで、日中、発電するだけでなく、夜間も、日光のもとで生成された分子から発電し続けるのが特徴だ。

藍色細菌のような光合成細菌を使って光を電力に変換する「バイオ太陽電池(BPV)」は、代替的な再生可能エネルギーとして研究がすすめられているが、コスト高で、寿命が比較的短く、発電出力が低いのが難点とされていた。

そこで、共同研究チームでは、市販のインクジェットプリンターを使って、導電性のあるカーボンナノチューブを紙に印刷し、さらに、藍色細菌をカーボンナノチューブの上にジグザグに出力して、手の平サイズの超薄型バイオ太陽電池をつくりだした。

藍色細菌は、紙に印刷された後も光合成を行い、100時間にわたって電力エネルギーを生成したという。

・バイオ太陽電池の普及を後押しする研究成果

この共同研究チームの成果が示すとおり、市販のインクジェットプリンターでバイオ太陽電池をつくることができれば、従来に比べて、製作コストを大幅に削減することができる。

発電出力が低いという特性をかんがみ、とりわけ、環境センサーや医療用センサーなど、消費電力が低いデバイスへの応用が期待できそうだ。

共同研究チームでは、今回の研究成果をもとに、今後、超薄型バイオ太陽電池をA4サイズにまで大型化する試みに着手する方針だという。(文 松岡由希子)

Imperial College London

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