「生産性アップ」のメソッドを全て試してみた その結果は…

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「生産性アップ」のメソッドを全て試してみた その結果は…

今、ビジネス書の「ホットワード」のひとつになっているのが「生産性」だ。

書店に行くと、「生産性が上がる!」という謳い文句の書籍が必ず置いてある。

しかし、それらは本当に生産性を上げ、仕事のパフォーマンスを向上させてくれるのだろうか?

そんな疑問に答える一冊が『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』(クリス・ベイリー著、服部京子訳、TAC出版刊)だ。

本書は、動画のタイトル風に言えば「生産性が上がると言われていることを1年間片っ端からやってみた」というコンセプトだ。

著者が体当たりで試して見つけた、本当に使える「生産性メソッド」とはどんなものなのか。その一部を紹介してみよう。

■「朝型」は生産性を上げるか?

生産性の高い人間は、朝からバリバリ活動している。そんなイメージはないだろうか?

著者もそんなイメージを持ち、2ヶ月かけて「朝型人間」になることを試みている。

しかし、結果から言えば「朝型人間になってもちっとも生産的にならなかった」という。

起床時間によって認識能力や健康が左右されることはない。大切なのは、無理やり自分を「朝型人間」の生活に当てはめるよりも、自分に適した習慣で活動することなのだ。

本書では、生産性を上げるには「時間」「集中力」「活力」という3つの要素が大事だと説く。

大事なのは、何時に起きるかではなく起きてからの時間の使い方だ。

たとえば、クリエィティブな思考を担う脳の前頭前皮質は、目覚めた直後がもっとも活発になる。

クリエイティビティが必要な作業は、起きてから数時間のうちに手を付ければ高い集中力と活力を維持して取り組めるだろう。

そして、「朝型人間」であることよりも重要なのは「睡眠」だ。

睡眠不足は、気分や集中力を削ぎ、活力の低下も促す。睡眠時間を1時間削ると、少なくとも2時間分の生産性を失うということを肝に銘じておくべきだ。

■「長時間労働」と「短時間労働」生産的なのはどっち?

著者は「長時間労働と短時間労働のどちらのほうがより生産的か」という実験も行っている。

日ごと、週ごとに達成項目をリストアップし、最初の1週間は90時間働き、翌週は20時間働く。

このサイクルをもう一度行い、計4週間の実験を試みたのである。

結果、目標達成数は90時間労働のほうが“ちょっと多い”だけだったという。

つまり、長時間労働はおそろしく非生産的だったということだ。

おもしろいのが、著者が実験中、「長時間働いたときのほうが生産的だと感じていた」ことだ。

しかし、労働時間がある一点を超えると、時間ばかり費やして、ほとんど目標を達成できない状態になるという。長時間働くことで満足感は得られるかもしれないが、実際に成果が上がっていないのでは、その時間は無価値なものになってしまうだろう。

著者は実験とリサーチの結果、生産的な労働時間は、週35~40時間だと結論付けている。

日本人はえてして「残業は美徳」だと思ってしまう傾向がある。だが、それはやはり見直したほうがいい悪習だ。

■「回数制限」で生産性の低下を防ぐ

生産的な仕事をするには、タスクの重要度を考えることが大切だ。

重要度の高いタスクに「時間」「集中力」「活力」を注いで、低いタスクはなるべく短い時間で処理して、活力と集中力を温存するのが理想形だ。

そこで、著者は重要度の低いタスクを減らす、実践的で効果のある方法を見つけ出している。

その方法とは「回数制限を設ける」ことだ。

・メール対応は1日3回、それぞれ30分ずつ。

・SNSのチェックは1日5回だけ。

・同じようなタスクはまとめてやる(例:電話を一度にまとめてかける)

実際、著者は実験前に自分が1日にどれだけ新着メールのチェックをしているか回数を数えた。

すると、なんと36回もメールチェックをしていたという。ある研究では、ほとんどの人は15分に一度メールチェックをしているという報告もされているという。

メールチェックなどの細かいタスクは、集中力を削ぎ、生産性を低下させる。シンプルだが、「回数制限を設ける」というルールの効果は大きいだろう。

本書では、他にも生産性の向上に役立つとされている「シングルタスク」「時間管理術」「マインドフルネス」「運動習慣」などについても、本当に生産性が上がるのかどうかが検証されている。

本当に使える「生産性メソッド」を見つけるのに役立つことだろう。

(ライター/大村佑介)

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