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人材難を解消するために中小企業が導入すべき制度

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人材難を解消するために中小企業が導入すべき制度

経営者にとって、「社員が自分の考えを理解し、自発的に動き売上を立て、定められた経営戦略を実行してくれる」という状態は一つの理想だろう。会社の進むべき未来への準備をするという、経営者が本来やるべき仕事に集中できるからである。

しかし、多くの経営者はその状態を作ることができず、未来どころか現在起きている問題の対処に奔走することになる。これは特に中小企業で顕著だろう。

『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版刊)の著者、山元浩二さんは、経営計画を従業員と共有することで、経営者の考えが浸透する組織づくりのスキームを開発し、大きな成果を収めているコンサルタント。

今回はその山元さんに、世の中小企業経営者を悩ませる問題と、その解決法についてお話をうかがった。その後編をお届けする。

――山元さんの著作は累計10万部超と、ビジネス実務書としてはとても売れています。どういったところが読者層と見込まれる経営者の心をつかんだとお考えですか?

山元:起業してもうすぐ16年になるのですが、一般的なコンサルティングが制度設計やノウハウの提供で終わるところを、私たちは中小企業の現場に入って制度の運用まで一緒にやらせていただいてきました。

たとえば人事評価制度の設計なら、評価を弊社に提出していただいて、それをこちらでまとめて分析したうえですり合わせ会議をファシリテートしたり、面談に同席して目標設定についてアドバイスしたり、といったことですね。人事部の仕事の一部を請け負っているようなところがあります。

こういう経験があって、「あるべき論」ではなく中小企業の実態に基づいた本を書けているのが、多くの方に本を手にとってもらえている一因になっているのかもしれません。

――山元さんはこの本で書かかれているような経営計画策定のスキームをどのように作り上げたのでしょうか。

山元:創業当時は人事評価制度の策定のところだけを扱っていたのですが、それでは結果が出なかったんです。

策定した評価制度を運用していけない企業があることはわかっていましたから、運用まで手伝う前提でやっていたのですが、それでも人材の成長や業績アップといった成果が見えてきませんでした。

なぜ成果が出ないのかを考えてみると、会社としてのビジョンや戦略、計画がないまま評価制度だけを作っても、そこには個々人が成長する指標や目標が抜け落ちているわけで、必然的に経営者がいいと思った人が高い評価になる。これでは人は育たないし、会社も伸びないことに気がついたんです。

そこからは評価制度より先に経営計画書を作って、そこで示されている人材像を評価制度に落とし込むスタイルにしました。そうなると結果も変わってきましたね。

――最近の動向として、働き方が変わり、リモートワークを採り入れる会社が増えています。となると、どうしても社員同士のコミュニケーションや経営者と社員間のコミュニケーションは減りがちになります。こうした中でも組織としての統制であったり、経営計画の下での従業員の団結を維持していくためにどんなことが必要になるのでしょうか。

山元:私たちが関わっている会社でも、一部でリモートワークを採り入れているところはあります。やはり顔を合わせる機会が減るとコミュニケーションの質と量に影響が出ますから、その分部署のMTGを増やしたり、全体会議の場には必ずスカイプで参加してもらうといった取り組みをしています。コミュニケーションが減った分の埋め合わせの場を設けることが大切なのではないかと思います。

――人材育成にかけるリソースが少ない点が中小企業の悩みどころだと思います。必然的にOJTが中心になるかと思いますが、実際の仕事を通して人材を育てていくための秘訣がありましたら教えていただきたいです。

山元:これは、人事評価制度を定めることに尽きます。人事評価制度によって求められる人材像やその人に求められるレベルが明らかになりますので、そこに対してその人の仕事ぶりがどうだったのかをチェックして、前回と比べて成長かどうかというフィードバックを繰り返しやることですね。

――山元さんはそうした人事評価策定についても、企業の中に入る形で携わっています。企業側が作った評価制度に対して「ダメ出し」をすることもあるかと思いますが、どんな点を指摘することが多いですか?

山元:もちろん、それは会社によって様々ですが、評価基準が数字に偏りすぎていたり、結果だけを重視していたりする時は指摘することが多いです。これは営業の会社にありがちなのですが、結果として表れる数字だけで評価して数字を出すためのプロセスに目を向けていない評価制度だと、人が育たないんです。

――会社には、営業部など成績が数字としてあらわれる部署と、経理や総務など成果が数字としては見えにくい部署があります。どの部署の人も納得感がある人事評価制度を作るのはかなり難しそうです。

山元:人事評価は給料に影響するもので、デリケートなところですから、最初から皆が納得するものを作るのは難しいでしょう。だから互いに納得するまで何度も改善していくことが大切になります。

私たちの場合、評価制度を策定に携ったら最低3回は給料に反映しないトライアル評価を行います。そのトライアルを通して、従業員の方々の納得度が高まるように改善していくんです。

――最後になりますが、会社を成長させたいと考える経営者の方々にメッセージをお願いします。

山元:この本で書いた仕組み通りあきらめず実践していただければ、成果はついてきますので、ぜひ経営に採り入れていただきたいですね。それと、セミナーに来ていただいて質問をしていただければ何でもお答えしますし、アドバイスできることもあるかと思います。

従業員10人以上の会社が対象ですが、今は10人に満たなくても今後もっと人を増やしていきたいと考えているなら、この本の方法は効果的なので、ぜひ実践してみていただきたいです。

(新刊JP編集部)

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