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“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」

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“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」

アルバイトをしながら、「もっといい接客方法を編み出したい」「メニュー開発をしてみたい」と思ったことのある人もいるはず。SNSなどで探してみると、アルバイトの枠を超えて学生が運営を行っているお店もあるようです。今回は、東京・高田馬場の学生経営カフェ「10°CAFE」にお邪魔して、働いている学生の本音とお店の実情を聞いてきました。

 

オープンのきっかけは「“文化祭の出店”を毎日開きたい」という思い

 

今回お話を聞いたのは、大学3年生の姫田樹さん、小川芽生さん、阪下駿さん。全員働き始めて1年半ほどが経った、ほぼ同期。“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」左から姫田さん、小川さん、阪下さん。3人ともお店に入った理由は「自分のアクションで店舗を変えたかったから」

――最初に、「10°CAFÉ」ができた経緯を教えてください。

 

姫田さん

姫田 11年前に就職活動を終えた大学生5人が、「自分達の居場所を作りたい」という理由で高田馬場に「10°BAR」というバーを開いたんです。その5年後、姉妹店として「10°CAFE」を創業したそうです。カフェは今年の12月で、丸6年になります。

 

阪下さん

阪下 創業者であるオーナーが学生時代に学園祭のスタッフをしていて、「1日だけじゃつまらない。毎日がイベントだったら面白いんじゃないか」って思って、カフェを始めたと聞いています。文化祭の出店を、毎日行っている感覚ですね。

 

――“学生だけで運営する”というコンセプトも、立ち上げた理由に起因しているんですね。皆さんは、どんな仕事をしているんですか?

 

姫田さん

姫田 全員、ドリンクを作ったり料理を提供したり、店員としての業務がベースにありますが、それと別に7つに分かれたチームに所属しています。入るチームは、自主的に選ぶ形になっています。僕はマーケティングチームで、売上の管理や分析、改善策の提示が主な仕事です。

 

小川さん

小川 私は仕入れから調理、提供に至るまで、商品に関わる分野を担っているクオリティチームに所属しています。メニュー開発もするし、店内で使う機器のメンテナンスも業務の一環です。

 

阪下さん

阪下 僕はもともと広報チームにいたんですが、現在はスペースチームとして、店舗の3階にあるレンタルスペースの運営を行っています。レンタルスペースの管轄部署がなかったことに問題意識を抱いて、今年の4月から新たにチームを発足させました。

 

――自発的に組織改編に動いたということですか?

 

阪下さん

阪下 そうです。オーナーと店長を説得して、店内でチームの立ち上げに協力してくれる有志を募りました。

 

姫田さん 姫田 それまではレンタルスペースの予約が来れば受けるくらいのスタンスだったので、広く知ってもらい、使ってもらうためのノウハウなどはありませんでした。だから、近くで見ていて、すごくチャレンジングな環境だろうなって感じています。“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」「自分の持ち株を100%に近い状態にする」を目標にしている阪下さん。将来は、独立志向の高い企業に身を置きたいとのこと

 

学生経営店舗は、いち社会人としての責任や権限が学べる場

 

“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」お客さんとして10°CAFÉに来た経験がある姫田さん。「店員さんの笑顔や言葉遣いのレベルが高くて、好印象なお店でした」

――お店には、どのくらい入っているんですか?

 

姫田さん

姫田 通常の店員としての業務は、平均週2~3日です。店舗管理や商品開発、広報など、チームでの業務は空いた時間で行っている形です。個人差はあれど、1日1回は店のことを考える時間があるんじゃないかなって思います。

 

――運営に関する業務は、店員として入るシフトと別物なんですね。給料はどうなっているんですか?

 

姫田さん

姫田 週2~3日のシフトはもちろん時給が出ますが、チームでの業務に関しては出ない形になっています。時間ベースで換算できない部分ですし、成果ベースにしようにも評価基準がチームで異なるので、給料はあくまで店員としての時給のみです。

 

阪下さん

阪下 友達から「給料出ないのに働いてんの?」って言われることもあるんですけど、それ以上に貴重な経験をさせてもらっている実感があります。

 

小川さん 小川 お店に入る時、人事の担当者から「1人ひとりが経営者です」って言われて入っているので、雇われている感覚はあまりないかもしれませんね。“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」店舗の運営やメニュー開発に関わる会議は、チームメンバーの予定を合わせて行われるそう

――学生だけで運営しているからこそ、面白い部分ってどんなところですか?

 

姫田さん

姫田 2つあると思っていて、1つはストレスなく働ける環境であること。働いている全員の立場が同等なので、誰かが威張ったりすることはありません。もう1つは、裁量を自分の意志でどこまでも広げられること。一般的なアルバイトでは意識しなくていいお金や採用のことまで考えなければいけないけど、その分積極的に考えることが許される環境なので、自己成長につながると思います。

 

――逆に、学生だけだから大変なことは?

 

阪下さん

阪下 たくさんあります(苦笑)。全員がフラットな分、各自が自分に厳しくいないと、緩んでしまいかねないんです。上級者やまとめることに長けた人が、管理することも必要ですね。

 

小川さん

小川 あと、マニュアルの浸透が難しいです。全員が頻繁に店に出ているわけではないので、マニュアルを変更した時に全体に伝わりづらいという課題があります。

 

“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」広報チームメンバーの手作り。メニュー開発担当の小川さんイチオシは「生ハムサンド」

――学生のうちから組織の難しさを経験しておくと、社会に出る上で役立ちそうですよね。

 

姫田さん

姫田 そうですね。後輩を見ていて感じるんですが、確実にお店に入った頃より表情がよくなっていて、発言量も増えているし質も上がっているんです。学生アルバイトではなく、いち社会人としての責任や権限を学べる場だと思います。

 

阪下さん

阪下 働き始めてから、別の飲食店に行った時に、店員の数やフロアの広さから、売上を導き出している自分がいました。行動が変わった気がします。社会の流れみたいなものを見るようになって、社会人に1歩近づけたような気持ちです。

 

お客様に向けて、学生経営であることを売りにはしていない

 

“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」「メーカーで商品開発をするという目標のため、ここでもメニュー開発に励んでいます」と、将来について話してくれた小川さん

――お店のことも聞きたいのですが、お客さんはやはり学生が多いですか?

 

姫田さん

姫田 今は、学生と社会人の方が半々くらいです。学生経営だとは知らないまま、帰るお客様もたくさんいると思います。

 

小川さん

小川 SNSとかでは「学生経営」って書いているんですけど、お店でわざわざ「学生だけでやってます」とは言っていないので、フラッと入った方は気づかないと思いますね。

 

阪下さん

阪下 周りの友達も知らなかったりします。

 

姫田さん

姫田 「学生であることに妥協したくない、甘えの材料にしたくない」という先代の考えもあって、今でもお客様に向けて学生経営であることを売りにはしていないですね。

 

――6年続いてきたということは、それだけ評判がいいという証拠ですよね。

 

姫田さん

姫田 ありがたいことに、うれしい声をかけてもらうこともあります。接客している中で、「お兄さん、笑顔がいいですね」と言っていただきました。

 

小川さん

小川 自分が開発したメニューを仕込んで、調理して、提供するところまで担当した時に、「おいしそう」とか「おいしかったです」って言ってもらえたことがあって、すごくうれしかったです。

 

阪下さん

阪下 常連のお客様もいますね。大体同じ時間に来て、同じ席に座って、似たようなメニューを頼まれるので、注文の予測はある程度つくようになりました(笑)。

 

“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」ナチュラルな素材で統一された店内。2階にはボックス席が用意され、3階はレンタルスペースになっている

――学生経営のお店で働いてみたいと考えている学生にメッセージを。

 

小川さん

小川 お店に入ることを目的にしてしまう人がいますが、もったいないと思います。「入れば成長させてくれる」というスタンスではなく、自分のやりたいことやお店のためになることを考えて動ける人が、成長できるし、お店もよくしていけると思っています。

 

姫田さん

姫田 自分の持っているスキルや知識を、どう使ったら社会に役立てられるかということを、考えて実現できる環境です。積極的に活用してほしいなって思います。

 

阪下さん

阪下 起業するとなるとハードルが高いですが、学生経営のお店ならコストをかけずにやりたいことが試せます。実践すればフィードバックが得られるし、成果も目に見えます。やった分だけ経験として返ってくる場所なので、挑戦してみてほしいです。

 

まとめ

 

“学生経営カフェ”で働く大学生の本音!「社会の流れが見えて、社会人に一歩近づいた」

キラキラとした笑顔で働きがいを語ってくれた3人ですが、話の端々に店舗を経営することの難しさが見え隠れし、楽しいばかりではない現実を知る機会にもなっているのだと感じさせてくれました。「10°CAFE」は、彼らの話の通り、とても学生経営とは思えないクオリティ。洗練された外観で、フラッと立ち寄りたくなる雰囲気です。“働くこと”に本気な学生が集まってくるからこそ、人を惹きつける「文化祭の出店」は長く続いているのでしょう。

  取材協力:10°CAFE

[住所]東京都豊島区高田3-12-8

[営業時間]カフェ11:00~23:30、レンタルスペース10:00~23:00

[定休日]第3日曜

http://judecafe.com/

 

取材・構成・文:有竹亮介(verb)

撮影:森カズシゲ

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