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「安心R住宅」が一転、売主に不利な制度へ。事実上、専任媒介を強制

「安心R住宅」が一転、売主に不利な制度へ。事実上、専任媒介を強制

「安心R住宅」で適正な中古住宅が探しやすくなる。2018年4月から運用開始

国交省は中古住宅の取引を活発化させようと、2018年4月から「安心R住宅」制度の運用を開始します。

これは、中古に対する「不安」「汚い」「わからない」というマイナスイメージを払拭すべく、一定の基準に合致した中古住宅に限り、国が定めた商標「安心R住宅」を使うことができる制度です。

買主にとっては、物件情報を探す際に「この物件は『安心R住宅』のマークが付いているから国の基準に適合した住宅だ」とわかるようになり、適切にメンテナンスしてきた売主にとっては、「住みたい」「買いたい」家であることを訴求できる効果が期待されます。

安心R住宅に適合するためには、耐震基準やインスペクション(建物状況調査)をクリアし基礎的な品質があることを求められます。

また、基準に合致したリフォームがなされ(未実施の場合はリフォーム提案書を付属させ)、さらに住宅に関する書類の保存状況や買主の求めに応じた情報開示がなされるなどの要件が課せられます。

本制度は11月6日に告示公布されており、今後、事業者団体の審査・登録を経て、2018年4月より安心R住宅の運用が開始される予定です。

なお、国が直接本制度の実務を取り仕切るのではなく、実際の運用や認定要件の細かな設定は、不動産会社を束ねる各業界団体が行います。国の審査を通過した団体に所属する不動産会社のみ「安心R住宅」のマークを使うことができ、その代わり不動産会社は団体による指導や監督を受けることになります。

安心R住宅として売り出したいなら、売却依頼する不動産会社は1社に限定される

国土交通省は、10月30日より事業者団体や不動産会社に対して説明会を全国6カ所で実施、細かな制度内容も明らかになってきました。

基本的には中古住宅の取引を適正化しようとする制度であり歓迎したいものですが、その中で釈然としない項目が一つあります。それは、安心R住宅のロゴマークを使用するには「専任媒介契約を締結し、売主の承諾を得る」という記載がなされていることです。

結論からいえば、これは売主の選択肢を大幅に狭め、適正な取引から遠ざかってしまう懸念があります。

不動産取引では基本的に、売主が「家を売却したい」と依頼する元付仲介業者、買主が「家を買いたい」と依頼する客付仲介業者に分かれます。売主と買主の間に2社の不動産仲介業者が入る構造です。

そして売主は、複数の不動産業者(元付仲介業者)に売却を依頼する場合には「一般媒介契約」を結び、1社に限定する場合には「(専属)専任媒介契約」を結びます。

つまり、「専任媒介契約を締結し、売主の承諾を得る」という要件は、売主に対して「安心R住宅のロゴマークを使いたいなら、1社にしか売却依頼をしてはいけません」と言っていることと同義なのです。

もちろん、専任媒介契約を結んでも、例えば3カ月後に契約が切れれば別の業者に依頼することは可能です。しかしそれでも同時期に依頼できるのは1社に限定されることになるのです。

売りやすい物件を苦労して手に入れた元付仲介業者は、「囲い込み」したくなる?

元付業者の立場としては、1社にのみ限定して売却依頼をされる専任媒介契約は“おいしい”契約です。

他の元付仲介業者との競争がなく、契約は必ず自社を通ることになるからです。なにより、自社で買主までみつけてくれば両手取引となり、売主・買主双方から仲介手数料が取れ報酬が2倍になります。

さらにこの専任媒介契約は、社会問題にもなった「囲い込み」のきっかけになる契約方法です。つまり、買主をみつけた客付業者からの問い合わせに対して「既に申し込みが入っています」と伝え、自社で買主を見つけることにこだわるのです。

「安心R住宅制度を使うためには、専任媒介契約をしないといけないんです。国が決めていることです」といって、専任契約を取る営業手法も容易に想像がつき、売主の売却方法の選択肢を大きく狭める制度になっているといえます。

安心R住宅は、基礎的な品質を国が認めた家とも言え、売りやすい住宅です。

そしてその認定を受けるには、売主側の不動産会社がインスペクション(建物状況調査)を実施したり、リフォーム実施(または提案)をしたり、書類の確認をしたりと、これまで以上に手間がかかります。

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