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全米三週連続ナンバーワンと日本の温度差 『ヒットマンズ・ボディガード』

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全米三週連続ナンバーワンと日本の温度差 『ヒットマンズ・ボディガード』

ヒットマンとボディガード、本来なら相反するはずの存在がコンビを組む痛快バディムービー--。アクションコメディとして100点のキャッチーなアイデアである。仕事人間で堅物のレイノルズと、陽気でロマンチストな人殺しのサミュエル爺。キャスティングの安定感もなかなかのものだ。

とはいえコメディとして、思いっきり跳ねているわけではない。“ブラックリスト”入りしていた評判のシナリオを、撮影直前に急遽コメディに仕立て直した裏事情があるからかも知れないし、サミュエルのキャラが得意の四文字言葉に頼りすぎてルーティン化しているせいかも知れない(無論これはサミュエルの責任ではなく製作側の問題だが)。
 
一方、アクションに関しては相当に本気がほとばしっている。ワンシーンワンショットではないが、手に届くものならなんでも使いまくるジャッキー・チェンばりのバトルが延々と続くくだりは、ただただピュアな気持ちで「レイノルズがんばれ!」と思ってしまう。『アトミック・ブロンド』にも似た趣向の長回しアクションがあるが、レイノルズやシャーリーズ・セロンのような第一線のスターたちがこれほどまでに身体を張るのかと、昨今のハリウッドアクションのハードルの高さに頭が下がるばかりだ。
 
本作に関する日本の状況の不思議さは、完全に大スクリーン向けのポップコーンムービーなのに「Netflixオリジナル」として配信されたこと。「Netflixオリジナル」と銘打たれた作品はNetflixが出資してゴーサインを出した企画だと思いがちだが、『ヒットマンズ・ボディガード』はミレニアムフィルムズの製作で、アメリカでの配給はライオンズゲート。日本以外では普通に劇場公開されており、前述の通り、アメリカのボックスオフィスでは大健闘している。興行成績的には続編が動き出して当然のヒット作である。
 
ところが日本では劇場公開作としては買い手がつかず、Netflixが配信権を手にして、世界公開と同じタイミングで配信という異例の事態となった。いや、当初はそう発表されたのだが、後に配信は一週間遅れになると訂正された。さすがに劇場公開と配信にはまだ差異を付けるべきだという判断が、どこかで働いたのかも知れない。
 
日本など限られた国でだけ劇場公開されず、Netflixでお披露目されたケースには『最後の追跡』などがある。『最後の追跡』のような地味シブな傑作がスルーされることなく日本で観られることは本当にありがたい。ただ「Netflixオリジナル作品」と銘打たれていても(丁寧に、冒頭のロゴでなく作品中にそうクレジットされている)、Netflix主導でない作品が交じっている事実は覚えておきたい。
 
『Okja/オクジャ』『ウォー・マシーン:戦争は話術だ』のようなNetflix主導の作品を映画館の大スクリーンでも観たいという願いはよくわかるし、一方でNetflixだからこそ実現したものが配信オンリーになるのもやむなしという気持ちもある。しかし『ヒットマンズ・ボディガード』や『最後の追跡』はまた状況が異なるのだ。劇場公開と配信とがせめぎ合う過渡期だからこそ起きるこの現象が、今後どうなっていくのか要注目である。
 
 
※Netflixで独占配信中

【予告編】

 
【視聴リンク】
https://www.netflix.com/title/80119311

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