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クリスチャン・スコット大阪公演レポート“まさに「新世代」のJazz、ここにあり”

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クリスチャン・スコット大阪公演レポート“まさに「新世代」のJazz、ここにあり”

 Robert Glasper、Esperanza Spalding、Kamasi Washington、Thundercatなどの活躍で、盛り上がりを見せている現在のジャズ・シーン。そんなシーンで10代から活躍する若きTrumpet奏者「Christian Scott」。

クリスチャン・スコット 大阪公演写真(全5枚)

 2017年は、Original Dixieland Jass Bandが、初めて「Jazz」という単語を明記した商業用レコードを録音した年から100年を数える。そんな節目の年に “Jazz生誕100年”を記念した3部作「THE CENTENNIAL TRILOGY」の制作を発表し、『Ruler Rebel』、『Diaspora』に続く第3弾『The Emancipation Procrastination』を本国アメリカで発表したChristian Scott。2017年10月、初めてBillboard Live Osaka、そしてBillboard Live Tokyoに降り立った。

 今回の来日メンバーは、Piano,RhodesにShea Pierre、BassがKris Funn、DrumsはBUTCHER BROWNのメンバーでもあるCorey Fonville、そしてSaxophoneはChristian Scottと共にユニット「Next Collective」にも参加していたLogan Richardson。各方面で活躍する強力なバンド・メンバーと共に、どんなステージを見せてくれるのか。

 客電が落ち、拍手の中ステージに姿を現すChristian Scott。CHICAGO bullsのスポーツシャツにサングラスというとてもカジュアルな装いで、颯爽とステージ中央に立ち、Reverse Flugelhornを手にする。Adams Instruments社と共同開発のもと、独創的なデザインのブラスを使用する彼の、足元にはエフェクター類がズラリと並び、一体どんな音が奏でられるのか?と期待に胸が高まる。

 Sampling Padがリズムを刻み始め、Reverse Flugelhorn、Saxophoneの音が絡みだす。そこにひずみを帯びたUpright Bassの低音、クリアなPianoの音が重なっていく。ステージの幕開けは「Ruler Rebel」より「Encryption」、「The Coronation of X. aTunde Adjuah」。レコーディングではFluteのElena Pinderhugが参加していたナンバーを、今回のステージ用にアレンジ。伝統的なJazzの系譜も感じつつ、HipHop、Electronic Musicの影響も強く感じさせる、まさに「新世代」のJazz、ここにあり。曲の合間にサングラスを外し、ジッと会場を見渡すChristian Scott。Mardi Gras Indiansの家系に生まれ育ったという彼の横顔は、凛とした強さと気迫、そしてあどけなさが漂う。そのギャップが彼をより身近に感じさせる。

 「What’s up?Osaka!!」とステージに呼びかけつつ、 “Jazz生誕100年”という記念すべき年に発表した3部作を引っ提げ、この作品で新しいJazzの潮流を示していきたいと想いを語るChristian。そして今回のツアーでは、若いkeyboardist、Shea Pierreを帯同したことを紹介。ここでSheaがRhodes Pianoの前に座り、ソロフレーズを奏で始める。そこに静かにドラムとベースのリズムが重なり、3パートのセッショニカルな演奏でスタートした「Rise Again」。そんな三者のセッションが高まっていったところでステージ中央に進み、フレーズを奏で始めるChris とLogan。Chrisの奏でる音色は高音でありながらどこまでもクリアで伸びやかで、耳にスッと馴染んでくる。個人的にはJazzと言うと、夜が似合うイメージだが、Chrisの奏でる旋律はとてもクリアで、時に心地よい風の吹き抜ける真昼の光景もよく似合う。

 中盤のMCでは、P.A.スタッフも含めたメンバー紹介を紹介しつつ、「I’m also play Jazz for you,O.K.?」とチャーミングな笑顔で呼びかけ、後半がスタート。全体的にフリージャズ、インプロヴィゼーションの要素が強く、それぞれのパートが奏でるリズム、フレーズを受けて、どんどんメロディ・曲が発展・展開を繰り返す。Christian Scottというプレイヤー、彼の楽曲を媒体に、プレイヤーのポテンシャル、感受性が花開いていく印象。Jazzという音楽の持つ、無限の可能性を見た。

 11月にはNew Yorkの音楽の殿堂「Carnegie Hall」での公演も控えるChristian Scott。「100年のJazzの歴史を背負って、オレたちの世代がこれからの100年を作っていく」そんな言葉の通り、オーセンティックでありながら、革新的なプレイ。まさに、新たな歴史の鼓動を感じた、そんな夜であった。

Text by 杉本ゆかり
Photo by Kenju Uyama

◎公演情報
【クリスチャン・スコット】

ビルボードライブ大阪
2017年10月30日(月) 《終了》
1stステージ開場17:30 開演18:30
2ndステージ開場20:30 開演21:30

ビルボードライブ東京
2017年10月31日(火) 《終了》
1stステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30

詳細:http://www.billboard-live.com/

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