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NY Issue : Interview with Shantell Martin

NoeL_SHANTELL | Photograpy : Diego Garcia

ミュージアムやギャラリーでのライヴ・ドローイングに留まらず、ケンドリック・ラマーやMax Mara、メイベリンなどジャンルを超えた多くのコラボレーションでも知られるヴィジュアル・アーティスト、Shaantell Martin。白バックに黒のペンでシンプルにラインを描く彼女のアートは、日本の文化からも大きな影響を受けているという。

——小さいときはどんな子供でしたか?

Shantell「陽気だけど、結構真面目で整理整頓するのが好きだったんです。なぜか、いつも物を整理していたの(笑)。今も子どもの頃と同じだと思います。遊び心もあるけど、きちんとオーガナイズされているというね」

——その頃から絵を描くのが好きだったんですか?

Shantell「ええ、小さい頃からずっとアートを作っています。みんな小さい頃は絵を描いたり、文章を書いたりしていましたよね。やめてしまう人もいるけど、私は続けたんです。多分みんな先生や親に、家や人、犬などのちゃんとした描き方を教わって、自分が描いた絵がお見本と違ったら、下手だと思い込んでやめてしまうんですよね。でも、私は描き続けなくてはいけなかったから続けました。自分の中にある”それ(IT)”を出さなきゃいけなかったから、止められなかったんです」

——いつどうやって自分のスタイルを発見したのか教えてください。

Shantell「スタイルというのはそれぞれの内側にあると思うのですが、私はそれを日本で見つけました。日本にいたことがあって、DJやミュージシャンやダンサーと一緒にライヴ・アートをしていたんです。・だから、考えたり止まったり準備したりする時間はない。とにかく描き続けるのみ。終わってみて、『ああ、これが私なんだ!』って思うようなアートが出来上がっている。その繰り返しで、自分のスタイルが生まれていきました。考える間もない状況で描いてたから、スタイルを見つけることができたんです」

——まさに自分の内側が反映されていたわけですね。その時にラインとモノクロのスタイルを見つけたんですか。

Shantell「子供の頃からモノクロは好きだったんです。そのシンプルさが好きです。カラフルな絵では脳が色を識別するのに比べ、モノクロだとみんな違うところに注目するから、その見られ方も楽しんでいます。私はとても大きな作品を作るんだけど、感想が人によって全然違っていて、さらに見る度に新しいことに気づいていくのがおもしろくて。ラインのおもしろいところは、間違えたり、止まったりしたら、見た人にバレてしまうところ。隠れることができないから、自信を持って描くことが必要なんです。私はほとんどの作品をオーディエンスの前でライヴで描いていますが、そうすることで、アーティストの制作過程や努力についても理解が深まるんじゃないかと思っています。ラインはシンプルだから子供でも描けると思う人もいるかもしれませんが、誰が見ても『これはShantellだ!』とわかるような自分らしいラインを描くことことはとても難しいんですよ。生で描くことで、見ている人にインスピレーションを与えられるといいなと思います」

——さっき見る人によって感想が違うと言っていましたが、あなたの作品はメインの箇所が用意されているわけではなく、全てのラインが等しいように思えます。

Shantell「そう。バラバラのパーツだけれど、全部合わせて一つの大きなアートだと思っています。そこに描いているメッセージもとても重要で、ポジティヴだけど質問になっているものが多いから、私のアートを見た人が自分について考えてくれればいいなと思います」

—— あなたは自分の作品をDNAに例えていますが、その類似性に気づいたのは?

Shantell「ドローイングはアートですが、私はその作業過程自体もアートだと思うんです。だから描くときは、自分がなにをしているかについて考えながら描いています。毎回、最初の一本の線を描く。その一つの線が作品の個性を決めるんです。それぞれの個性を形作るDNAと一本目の線を描くことはとても近しい。毎回描くたびにそう感じます。一つ一つの作品の個性は、最初の線から生まれるんです」

NeoL_SHANTELL_STUDIO | Photograpy : Diego Garcia
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