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自分の価値、ちゃんと伝えてる?―ウルシステムズ漆原氏が「オファーしたくなるレジュメ」とは?

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やってきたことではなく「得意なこと」が知りたい

――CodeIQが提供する「moffers」は、登録されたレジュメに年収保証型オファーを送る転職支援サービスです。漆原さんはレジュメから、スキルやキャリア、人物面をどのように判断していますか?

レジュメから多くを読み取るのは、正直なところ難しいですね。エンジニアのレジュメってやってきたことを羅列したものがとても多い。実際にはそれら全部が得意ということはありませんよね。かじっただけのものもあれば、経験豊富なものもある。

そのレベル感をレジュメから見極めるのは簡単ではありません。しかも、大抵は「やらされてきた」ものばかりです。本人の意思じゃない。

もちろん、経験したことは事実として書いてください。ただ、もう一歩踏み込んで、メリハリをつけてもらうとより良いと思います。「自分が得意なのはコレ」がわかると、拝見する側としても判断がしやすくなります。

得意なのがJavaのようにポピュラーな開発言語だったら、もう一ひねり必要です。同じようなキャリアをもった人はたくさんいるので、埋もれてしまう危険性がある。

そこで、例えば自分は何が好きで、何が得意か…すなわち「自分のは何屋か」を書く。「自分の意志でどうしてきたか」を記載する。そうすると、その方のスキルだけでなく個性も見えてきます。

ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 漆原 茂氏

――事実だけを記していて、具体的な説明がないレジュメは判断できない、ということですね。

残念ながら、そうですね。「プロジェクトリーダーをしていた」「プロジェクトマネージャーの経験がある」という記述もよく見かけますが、その事実しか記されていなくて、「それで自分の意志で何をしたのか?」が全く分からない。

プロジェクトでの自分の役割、具体的なエピソードが紹介されていれば、その方が「即戦力のプロマネなのか、それともなんちゃってプロマネなのか」がわかります。

プロジェクトマネージャーという肩書があっても、実際は事務処理しかしていないというケースって、意外に多いですよね。事実、チームメンバーが優秀だと、プロマネって意外にやることが少なかったりするんです。

逆に、プロマネという肩書はなくても、実質的にプロマネの仕事をしている方も大勢いらっしゃいます。二次請けの会社のプロジェクトメンバーの一人ではあるけれど、現場でゴリゴリに手を動かしながらプロジェクトを率いているのは自分で、一次請けの人はほとんど何もやっていない…というケース。

なので、肩書のあるなしは関係なく、その方の役割、それを裏付けるエピソードをもとに「その方の本当のところ」を理解し、評価したいと思っています。

――技術など、スキル面はいかがでしょうか?一つの技術に3年間触れていなかったらスキルとして評価されない、などの声を耳にしますが、どれぐらい前までのスキルならばアピールしてもよいものでしょうか?

得意なもの、好きなもの、人より秀でていると思うものを書いていただくといいですね。そして「過去はこうだった、今はこう」と分けて書かれていると判断がしやすいです。

得意なもの、好きなものを持っている人は、伸びしろがあると思っています。好きで、得意なものがあれば、その情熱をもとにさらに上を目指せますから。

きれいに飾った言葉よりも「本音」のほうが心に響く

――このほかに、レジュメにどんなことが書かれていると、興味を持ちますか?

「転職理由」は記載してほしいですね。転職は、今の環境にはない何かを求めて、環境をガラッと変える人生の一大イベントです。そこには必ずご本人の強い意思があるはずです。

転職理由から仕事に対する姿勢もつかめます。自分の意思でキャリアを切り開いてきたのか、上司に指示されたことをやってきただけなのか。

特に知りたいのは「本音」です。ここを皆さんはあまり言いません。「現場でシステム開発をやっていた、今度は上流がやりたい」という転職理由をよく聞きますが、デキるエンジニアはそれだけの理由で簡単には居場所を変えません。

本音が分からないと裏を読んでしまいます。「今の会社では、やりたいことが実現できない」という人が、なぜ「他社ならばできる」と思えるのか?

今の環境では何か束縛があったり、クリアできていない壁があるのではないか?自分でその壁をのりこえる努力をしていないのではないか?

――ただ、「本音を書くと、マイナス評価されてしまうのでは」としり込みする人は多いと思います。

でも、本音のほうが圧倒的に心に響きますよ。マイナスイメージを恐れるがあまり、きれいに脚色してしまっては、余計にその方が見えなくなる。

「常駐先の評価者と相性がどうしても合わず、いくら頑張っても成果を認めてもらえなくて、このままでは頑張り切れないと思った」などの本音は、私はネガティブとはとらえません。とてもわかりやすいと思います。

加えて、上司に相談したけれど、アサイン先は変えられない。当社の場合は社内異動と転職は同じぐらい大変だから、むしろ新しい環境でチャレンジして成長したい…と説明されれば、非常に納得感があります。仕事に対する意欲や前向きな姿勢も伝わります。

「本音を知りたい」というのは、ネガティブな思いを吐き出せという意味ではありません。その裏にある、仕事やキャリアに対する前向きな思いを知りたいのです。

最も重視したいのは、何を目的に働いているかという「価値観」

――では、人物的な素養や人柄、持ち味は、どのように判断していますか?

レジュメでは判断できませんね。そこは面接で判断しています。書いてあるとありがたいのは、「その人が何を目的に働いているのか=価値観」です。「価値観」は、スキル以前に当社が一番重視する項目です。価値観が合うことが採用の大前提なので。

顧客満足とプロジェクト成功に徹底的にこだわる――これが当社のDNAです。お客様に喜んでもらうことが第一であり、高い品質こそ誇りであり、それにやりがいを感じられる方かどうかは、採用の際に何より重視します。

技術志向なのはいいですが、最先端の技術を追いたいがあまり、お客様への価値提供が二の次になっている方は、当社には合わないですね。

そもそも、トレンディな技術ばかりを追っている方は、長く活躍できません。お客様志向があれば、お客様の要望に合わせて必要な技術を追求し続けられるので、技術の進歩にも追従しやすいと思っています。

あとは…社外活動についても知りたいですね。一緒に働く仲間になるのですから、職務経歴以外に「人柄」や「個性」を知りたいと思っています。

例えば、コミュニティなどで積極的に発信しているような方は、プラスエネルギーを感じるし、「言われなくても行動できる人」と判断できます。「GitHub」でもいいし、自分で発信した記事でもいい。たとえば「マラソンが好き」など技術を離れた趣味だって、個性を図るための重要な情報になります。

高年収を希望するなら、「その根拠」も記してほしい

――ウルシステムズでは採用するエンジニアの「年収」はどのように判断し、決定しているのですか?

今の会社で手掛けている仕事のレベルとスキル、人間力と総合的に見て、「この人をうちの職位に当てはめると大体これぐらい」と判断して決めています。現場のリーダーなのか、マネージャーなのか、役割ごとにも変わってきます。

――「moffers」は、年収提示型のスカウトサービスです。エンジニアができるだけ高い年収でオファーを受けたいと思った時、何をアピールすればいいと思われますか?

一番分かりやすいのは数字だと思います。「自分にはその年収に見合う価値がある」と伝えてもらうと納得感があります。例えば、「自分の年収の3倍は稼ぎますから、これだけください」と主張できるならばアリだと思います。

そうでない場合は、自分は何屋を目指しているのか、今のレベルはどれぐらいか、そしてどんな価値を提供できるのかをアピールしてほしいですね。

さまざまな技術の「掛け算」がエンジニアとしての個性につながる

――高く評価されるために、最先端技術の習得に力を入れているエンジニアは多いと思いますが、これらはアピール材料になりますか?

本腰を入れて真剣に勉強しているならば、アピール材料になり得るとは思います。

でも、「はやりもの」を追い続けるのは要注意。みんながこぞって勉強しているものを後追いしても、その分野の第一人者になるのは難しい。そもそも最先端はデフレが早い。

せっかく習得しても、すぐに過去のものになってしまいます。

「じゃあ何を習得すればいいのか!?」と思われるかもしれませんね。お勧めしたいのは「掛け算」です。エンジニアの仕事は一つの技術で成り立ちません。技術や知識の掛け算で活躍の範囲は広がります。

「好きなもの・得意なものの掛け合わせ」が、エンジニアの武器であり、個性として評価される時代になっています。

例えば英語なんて、みんな勉強しているから多少できても目新しくない。でも、インドネシア語だったら違いますよね。

Javaができる人はごまんといるけれど、「Javaができて日本語とインドネシア語ができる」人だったら数はぐっと減る。もしも、そんな開発案件があったら、その人に絶対仕事をオファーするでしょう。

自分の興味の範囲を広げて、いろいろなことに挑戦してみてください。「好き・得意の掛け算」効果が効き、「他にはいない人材」になる近道だと思います。

ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 漆原 茂氏
1987年 東京大学工学部卒業。同年沖電気工業入社。同社在籍中1989年より2年間、 スタンフォード大学コンピュータシステム研究所客員研究員。大規模基幹系システムを多数手がけ、最先端技術の導入を推進した。2000年7月、企業のビジネス戦略に直結した業務とITの融合を目指してウルシステムズを起業、代表取締役社長に就任。大規模トランザクション処理やリアルタイム技術を中心としたエンタープライズシステムに注力し、戦略的ITの実現に取り組んでいる。シリコンバレーとのコネクションも深く、革新的技術をこよなく敬愛している。

(撮影:刑部友康)

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