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唯川恵さんの『肩ごしの恋人』から、女性ならではの恋愛感を学んだ——アノヒトの読書遍歴:北澤ゆうほさん(後編)

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唯川恵さんの『肩ごしの恋人』から、女性ならではの恋愛感を学んだ——アノヒトの読書遍歴:北澤ゆうほさん(後編)

3人組ガールズロックバンド「the peggies」(ザ・ペギーズ)のギター、ボーカルを務める北澤ゆうほさん。作詞も手掛けている北澤さんですが、恋愛に関する歌詞を書く際は詩集や小説を参考にすることも多いのだそうです。今回はそんな北澤さんに、自身が大好きという作品と影響を受けた作家さんについて伺います。

——北澤さんが気に入っている本があればぜひ教えてください!
「前回も少しお話しましたが、銀色夏生さんの作品、特に『あの空は夏の中』がお気に入りの一冊です。私は銀色夏生さんの詩集が大好きで何冊も持っているんですけど、これは写真も入っていて詩の世界観がすごく伝わってくるのが特に好きです。銀色夏生さんは恋愛に関してすごく客観的で『私自身は男性には興味はない。男性に興味はないんだけど恋愛感情というものにすごく興味があって、だから恋愛をするんだ』って言ってるような不思議な方で。でも恋愛の詩を書くと少女の淡い気持ちとかすごくきれいに表現できているので、自分にとってのリアルじゃないものを他人のリアルに投影して文章にするのがすごく上手なところを尊敬していて。私も恋愛の詞を書くことが多いのでそういう姿勢では影響を受けています」

——特に気に入っている部分はありますか?
「一番好きな部分は『ちゃんとした恋を待たずに恋に走るのはいけません』という箇所で、なんか『はいっ!』と思えて(笑)。こんな風に何かを教えてくれるようなところもありつつ、他にも『私の前では本当の気持ちを言ってね。私、驚いたり沈んだりしないようにするから』とか、シンプルで飾り気のない言葉なのになんでこんなに響くんだろうと思うんです。それってたぶん書き手の人の魅力も言霊になって言葉に乗っかるんだと思うので、私も『好き』とか『そばにいて』とかいうシンプルな言葉でも重みをもたせて伝えられるような人になりたいと、この本を読んで思いました」

——前回、唯川恵さんの表現も勉強になると仰っていましたが、おすすめ作品は何かありますか?
「『肩ごしの恋人』という小説です。主人公は性格の異なる親友同士の萌とるり子という2人の女の子なんですけど、この小説の何が好きかっていうと、私はるり子のことがすっごく好きなんです。るり子はとにかく恋愛体質で芯が強くて男の人にモテるんですけど、それを『私モテてるけど』ってそのまま言っちゃう、そういうところが好きなんですよ。私は裏表がなくてどっちも表にしちゃってる人が好きなので、るり子は私の好きな女の子像がそのまま表れてるキャラクターなんです。この小説はドラマ化もされたんですけど、小説を読んでいてもワイワイしていて情景が浮かびやすくてドラマを見ているように楽しく読める本なのでおすすめです」

——この作品も作詞や表現の点で参考にされた部分はありますか?
「そうですね。女性ならではの弱さとか男らしさとか女っぽさとか、当たり前だけど女の人にしか書けないと思っていて、私も恋愛の曲を書くうえで女性目線ならではの表現っていっぱいあるなと思うので、唯川さんの表現は私の中にはピンときてすごく好きですし、女性ならではの恋愛を見る目線では強く影響を受けましたね」

——そもそもですが、読書によって考え方やものの見方って変わるものですが?
「やっぱり本を書く小説家の方って、みんな普通の方じゃないと思うんですよ。いろんなものをいろんな角度から見て、少しひねくれて見たものなんかが文章になって表れたり。それを読んでいるうちに自分自身も、物事をまっすぐに見ることも大事だけどそれだけじゃなくて、いろいろな方向から見たり、本当のことえぐってみたらどうなんだろうという風に考えられるようになったりというのは、自分で本を読んだり、本を読んだ人の話を聞いたというのが大きいですね」

——北澤ゆうほさん、ありがとうございました!

<プロフィール>
北澤ゆうほ きたざわゆうほ/東京都出身。石渡マキコ(Ba)大貫みく(Dr)からなるガールズロックバンド「the peggies(ザ・ペギーズ)」のギター、ボーカルを務める。中学校の軽音楽部にてバンドを結成し活動を開始すると、多くの支持を得て高校在学中にも関わらずさいたまスーパーアリーナに立つ。2015年11月にリリースされた初のフルアルバム「NEW KINGDOM」のリード曲「グライダー」が話題となり、2017年5月にはついに「ドリーミージャーニー」のリリースで華々しくメジャーデビュー。

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