体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

残業しない組織は“あえて”部下をゆっくり集合させる

『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに「残業しないチームと残業だらけチームの特徴」についてお聞きしました。今回は「残業しないチームの時間の使い方」についてです。

f:id:fujimine:20171020112153j:plain

5分は長いか短いか? あなたの時間感覚は?

あなたは5分という時間の単位は「短い」と感じますか? それとも「長い」と感じますか?

2つのケースで考えてみて下さい。

まずは、大事な商談に遅刻しそうになった場面を想像してみて下さい。

社運を賭けた商談にまさかの寝坊。携帯電話の着信音をサイレントにしていたので、何度も掛かってきた上司からの電話も軽く無視。着信履歴は11回。待ち合わせ場所は先方の会社。上司は既に到着してあなたが来るのを待っている。そんなときの5分は「あっと言う間」に過ぎていきます。あの電柱まで走って20秒、その先のコンビニの角を曲がるのに15秒かかるけど駐車場を横切れば3秒は短縮できる。3つ並んだゴミボックスの横には懐かしい緑色の公衆電話。急いでいるのに、なぜか頭は現実逃避。分刻みというより秒刻みでの時間との戦い。待ち合わせは3階にある会議室。階段を二段跳びして商談場所まで辿り着いたときには5分の遅刻。額の汗とともに気まずい空気が流れ出し、ひたすら頭を下げて謝りまくる。到着までの、この5分間は異常に短く感じたはずです。

一方、次のケースではどうでしょうか?

上司に怒鳴られ叱られた後、シーンと静まり返った沈黙の時間。さっきまでは「時間よ止まれ」と願っていたのに、怒鳴られた後などの気まずいシチュエーションでは、5分が異常に長く感じるはずです。

つまり5分という時間も、その状況によっては長くも短くもなるのです。

「たった5分」ですが、会社でも、この「5分」という時間を入れるか入れないかで、仕事が円滑に進み残業しないチームになるか、滞って残業してしまうチームになるか分かれます。

受講生に言われた衝撃的な一言

私は、以前、簿記の講師として専門学校で教鞭を執っていました。科目は日商簿記3級。

受講生が合格レベルに達するため、次の手順で教えています。

(1)今日の範囲をテキストで解説

(2)テキストの中で重要な箇所にはマークを引いてもらう

(3)理解できたかの確認のために問題集の問題を解いてもらう

(4)問題を解き終わったら、テキストに戻って新しい項目を解説

この順番を繰り返すのですが、限られた時間の中で決まった範囲まで進むためには、全員が問題を解き終わるのを待っているわけにはいきません。

講師になりたてのころ、1人の受講生から指摘を受けたことがあります。

問題を解いている途中で急に「はい!止めて下さい」と言われるのは困る。頭の中は今解いている問題で一杯だし、中途半端な気持ちで新しい講義内容を教えられても頭に入ってこないというのです。

衝撃的でした。確かに受講生側からすれば問題を解いている最中にいきなりピリオドを打たれ次に進まれたら頭の切り替えができません。だからといって全員が問題を解き終わるまで待っていたら講義が予定通りに終わらず延長になってしまいます。

そこで考えたのは、問題を解く前に解く時間を伝えること。

さらに「残り○分取りますので、キリの良いところで止めて解答解説で確認を取ってください」とラスト何分で終わりますよと宣言することです。

いきなり問題を解くのを強制終了されるのではなく、残り何分と告知することで、キリの良いところまで進むことができ、途中でも解答を見て確認をし、一呼吸置いてから次の講義に移ることが出来るのです。

意見を言ってもらったことで、それ以降の講義は受講生の心の切り替えもでき、スムーズに進めることができるようになりました。

忙しいから、すぐに集合させるべきか?

f:id:fujimine:20171020112302j:plain
1 2次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。