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残業しない組織は“あえて”部下をゆっくり集合させる

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『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに「残業しないチームと残業だらけチームの特徴」についてお聞きしました。今回は「残業しないチームの時間の使い方」についてです。

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5分は長いか短いか? あなたの時間感覚は?

あなたは5分という時間の単位は「短い」と感じますか? それとも「長い」と感じますか?

2つのケースで考えてみて下さい。

まずは、大事な商談に遅刻しそうになった場面を想像してみて下さい。

社運を賭けた商談にまさかの寝坊。携帯電話の着信音をサイレントにしていたので、何度も掛かってきた上司からの電話も軽く無視。着信履歴は11回。待ち合わせ場所は先方の会社。上司は既に到着してあなたが来るのを待っている。そんなときの5分は「あっと言う間」に過ぎていきます。あの電柱まで走って20秒、その先のコンビニの角を曲がるのに15秒かかるけど駐車場を横切れば3秒は短縮できる。3つ並んだゴミボックスの横には懐かしい緑色の公衆電話。急いでいるのに、なぜか頭は現実逃避。分刻みというより秒刻みでの時間との戦い。待ち合わせは3階にある会議室。階段を二段跳びして商談場所まで辿り着いたときには5分の遅刻。額の汗とともに気まずい空気が流れ出し、ひたすら頭を下げて謝りまくる。到着までの、この5分間は異常に短く感じたはずです。

一方、次のケースではどうでしょうか?

上司に怒鳴られ叱られた後、シーンと静まり返った沈黙の時間。さっきまでは「時間よ止まれ」と願っていたのに、怒鳴られた後などの気まずいシチュエーションでは、5分が異常に長く感じるはずです。

つまり5分という時間も、その状況によっては長くも短くもなるのです。

「たった5分」ですが、会社でも、この「5分」という時間を入れるか入れないかで、仕事が円滑に進み残業しないチームになるか、滞って残業してしまうチームになるか分かれます。

受講生に言われた衝撃的な一言

私は、以前、簿記の講師として専門学校で教鞭を執っていました。科目は日商簿記3級。

受講生が合格レベルに達するため、次の手順で教えています。

(1)今日の範囲をテキストで解説

(2)テキストの中で重要な箇所にはマークを引いてもらう

(3)理解できたかの確認のために問題集の問題を解いてもらう

(4)問題を解き終わったら、テキストに戻って新しい項目を解説

この順番を繰り返すのですが、限られた時間の中で決まった範囲まで進むためには、全員が問題を解き終わるのを待っているわけにはいきません。

講師になりたてのころ、1人の受講生から指摘を受けたことがあります。

問題を解いている途中で急に「はい!止めて下さい」と言われるのは困る。頭の中は今解いている問題で一杯だし、中途半端な気持ちで新しい講義内容を教えられても頭に入ってこないというのです。

衝撃的でした。確かに受講生側からすれば問題を解いている最中にいきなりピリオドを打たれ次に進まれたら頭の切り替えができません。だからといって全員が問題を解き終わるまで待っていたら講義が予定通りに終わらず延長になってしまいます。

そこで考えたのは、問題を解く前に解く時間を伝えること。

さらに「残り○分取りますので、キリの良いところで止めて解答解説で確認を取ってください」とラスト何分で終わりますよと宣言することです。

いきなり問題を解くのを強制終了されるのではなく、残り何分と告知することで、キリの良いところまで進むことができ、途中でも解答を見て確認をし、一呼吸置いてから次の講義に移ることが出来るのです。

意見を言ってもらったことで、それ以降の講義は受講生の心の切り替えもでき、スムーズに進めることができるようになりました。

忙しいから、すぐに集合させるべきか?

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会社でも同じです。リーダーが連絡事項をいうときに「はい!みんな集まって!」とすぐに集合させられたら社員はどう思うでしょうか?

「よっ!待っていましたリーダー!」とはなりません。

書類作成中だったり、今日の計画を遂行中だったり、訪問するお客様のリストを頭で浮かべたりしているかもしれません。さまざまな業務を行なっている全員の手を、いきなりストップさせて集合させたら、途中まで行なっていたことが気になって話を聞く耳を持てません。リーダーの話が終わり、各デスクに戻ったときには、どこまで仕事を行なったか分からなくなったり、最悪の場合もう一度最初からやり直したり、閃いたアイデアが思い出せなくなったりして、仕事が遅くなる可能性があります。

では、どうするか?

「5分後に集合ね。話は○分ぐらいで終わるから」

と事前に伝えるのです。

そうすることで、社員たちは集合前の5分を利用して、キリの良いところまで進み、確認作業を終え、アイスコーヒーを一口飲むなど一呼吸置く時間が生まれます。

話が終わった後も、やりかけだった仕事にすぐに取り組むことが出来ます。

「急がば回れ!」

このたった5分の配慮が、回り回って仕事を速く終わらせることにつながるのです。

残業だらけチームは、すぐに部下を集合させます。すぐに集合させることでスピード感のある仕事をしているように感じますが、呼ばれた部下は急に仕事を中断させられることで、話が終わった後に仕事をやり直すなどの無駄がうまれ、仕事が遅くなるのです。

残業しないチームは、5分後に部下を集合させます。すぐに集合させるより5分間のロスがありますが、呼ばれた部下は心の準備ができ、キリの良いところまで仕事ができるので、話が終わった後も支障なく仕事に取り組むことができるのです。

f:id:asukodaiary:20170309141602j:plain【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。

最新刊の『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)ほか、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)など、勉強法、時間術などのビジネス書を5冊出版している。

f:id:fujimine:20171019145748j:plain石川和男 公式サイト https://ishikawa-kazuo.com

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