【ORESAMA インタビュー】現時点での集大成を出すのがここ

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今年3枚目のシングル「流星ダンスフロア」は、前作に続きTVアニメ『魔法陣グルグル』のOP主題歌。真骨頂でもあるディスコナンバーに色合いの違う2曲を加えた本作には、ORESAMAのここまでとここからの魅力が詰まっている。
L→R 小島英也(Gu)、ぽん(Vo) (okmusic UP's)
──「流星ダンスフロア」は今年リリースしたシングル2曲に比べ、BPMを下げた作品に仕上がっていますね。
小島
「次はどんな作品にしようかとみんなで話し合った時に、ディスコを作ろうっていう話になったんです。アニメのオープニングテーマもこれで3作目なので、オンエアーされる89秒という尺の使い方も柔軟に対応できるようになってきていたし、テンポを落としたとしても自分たちのやりたいことや伝えたいことは詰め込めると思ったので、今回はBPMをグッと下げたディスコの曲を作ってみました。」
ぽん
「私は『魔法陣グルグル』というアニメの中で、ダンスというのがとても大切なキーワードだと思っていたんです。だから、そういうことを含めて話をして、“じゃあ、今回はORESAMAのディスコを作ろうよ”という話になりました。」
──尺の中で世界観を伝えるために前作までは歌始まりの曲でしたが、今作はイントロがあって始まっていますね。
小島
「僕の中でのディスコっていうのはベースが肝なので、ベースリフから曲が始まるのがいいなと思ったんです。以前は曲やアニメの始まり感を歌で表現していたんですけど、今回は音だけでそれを演出できた良いイントロが作れたし、それをぽんちゃんも気に入ってくれたので、こういう始まり方になりました。実はこの曲、テンポを落としたのに最初にできたデモは89秒に満たなかったんですよ。だから、もう数秒好きなことが入れられるなってその時に思って。だんだんとそういうふうに自分のやりたいことをギュッと凝縮できるようになってきているんですよね。」
──今年の再デビュー以降と以前がミックスされた曲だなとも思ったのですが、そこは意識されたりしていますか?
小島
「それはありました。僕らはずっとJ-POPとディスコやファンクを融合させてやってきていたので、3作目という大事なタイミングでディスコを作ることになったのは偶然じゃないなと思ったんです。今までやってきたことの現時点での集大成を出すのがここだって気持ちで作ったし、ORESAMAの真骨頂に持っていけた曲だと思います。」
──旅のストーリーが進んだ2クール目のアニメテーマ曲ということで、詞にもその世界観が反映されていますね。
ぽん
「『魔法陣グルグル』のお話の中のダンスフロアと、現実世界でのダンスフロアを舞台に、昨日でも明日でもない今この時間を共有できる奇跡みたいなことを歌詞で描きたかったんです。世の中にあふれている可能性や選択肢の中から、同じ目的を持って同じ場所に辿り着く。その時間だけは、知り合いでも知り合いでなくてもひとつのパーティーであれたらいいなっていう気持ちを込めて詞を書きました。」
──M2の「ヨソユキノマチ」は感傷的でシンプルな曲に仕上がりましたね。
小島
「シンセサイザーとかを極力使わないようにしたので、音が埋まっていないっていうのが、そう感じる要因かもしれないですね。シンセの音の冷たさよりも、生楽器なんかで温かみを入れたいなと思って作ったんです。だから、なるべく音を増やさないとか、過激な音は使わないっていうのがテーマとしてはありました。」
ぽん
「私たちって冬の歌はあるんですけど、クリスマスの歌がなくて。そこから、“やさしいクリスマスの曲が書きたいね”って話しになったんです。クリスマスって好きなんですよね。世界中が一番温もりに恋をする日な気がして。だから、幸せそうにキラキラ光る街の中でうつむいていた誰かが、少しだけやさしい気持ちになれる曲が書きたいなと思いました。この曲もそうですけど、再デビューしてからの小島くんは新しい扉がたくさん開いている気がするので、“今までこういうの聴いたことがなかったな”って曲が聴けて、すごく楽しいんですよね。」
──一転してM3「Waiting for…」はビートが強い曲で、小島さんのダフトパンクへのリスペクトも感じました。
小島
「まさにそうなんです(笑)。僕は最近、元音を大切に表現しようという考えが強くて。それは例えば生で録ったストリングスをどれだけきれいに聴かせるかみたいなことなんですけど、この曲に関してはパソコンの機能を十二分に使って、音にすごくエフェクトを掛けて編集したり、切り刻んだ音作りがしたいなって。デジタルの質感だったり、テクノっぽいものにしたかったから、ダフトパンクもそうなんですけど、ジャスティスとかフレンチハウスやフレンチエレクトロのテイストを入れていって出来上がった曲ですね。」
──最近の曲の作り方に対しての反動みたいな?
小島
「それもあったかもしれないです(笑)。こういう曲作りってすごく好きなので欲求みたいなのがあったんでしょうね。」
──ビートに対しての詞のハマりがすごく気持ち良かったです。
ぽん
「たぶん初めてだと思うんですけど、タイトルを先に決めてキーワードを渡してから作ってもらった曲なので、それが詞のハマりの良さになっているんだと思います。この曲はサウンド感を楽しんでほしい気持ちもあって、あまり詞で言及はしていないんですが、“もし私がアンドロイドだったら”というテーマが私の中にあるんです。その中で強い気持ちをどう表現するか考えたので、ロボットを意識したミックスになっているのに生歌がエモーショナルだったりとか、アンドロイドと感情っていうものを常に意識して作ったので、私にとって新鮮な曲でした。」
──今年はリリースの枚数含め、去年と比べると明らかに活動の状況が良くなりましたよね。そこはどう感じていますか?
小島
「嬉しいですね。曲を作るペースもすごく早くなってきているので、それに負けたくないなっていうのが正直な気持ちです。と言っても、現状負ける気はしないんですけど(笑)。でも、常に情報を入れたり、ストックを増やさないといけないなっていうことは、今すごく実感していますね。」
取材:山村哲也
シングル「流星ダンスフロア」
2017年10月25日発売

Lantis

LACM-14659

¥1,200(税抜)

※三方背スリーブケース(描き下ろしイラスト)
『ワンダーランドへようこそ~in Shibuya O-WEST~』
10/21(土) 東京・TSUTAYA O-WEST
ORESAMA
オレサマ:渋谷から発信するふたり組ユニット。ラブコメやディスコといった“バブル”カルチャーを“憧れ”として取り込み、80’sディスコをエレクトロやファンクミュージックでリメイクしたミュージックを体現! その新感覚はイラストレーターうとまる氏のアートワークやミュージックビデオと相乗効果を生んで新世代ユーザーの心を捉えている。

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