世界初!マンチェスター大学が分子レベルで動作する究極のナノロボットを開発

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原子や分子のスケールで部品を構成するナノテクノロジーの進展がエキサイティングだ。バイオ・医療分野では、体の必要な場所に薬物を届けるナノロボットや、体内で健康を監視するナノセンサーなどが次々と開発されている。

また、機能材料の分野でも高導電性、耐水性、耐腐食性などの特性を備えた優れたナノ素材の開発が進められている。

こうしたなか、マンチェスター大学の研究チームが、ナノテクノロジー進展における新境地に到達したようだ。研究チームが取り組んでいるのはナノロボットで構成する分子工場だ。

実現すれば組立ラインで車を製造するように、分子スケールの材料や製品をいっきに大量生産できるようになるだろう。ナノロボットが構成する分子工場とはどのようなものだろう。

・個々のナノロボットを化学物質でプログラム

ナノロボットというと、2016年にノーベル化学賞を受賞したライス大学のナノカーが記憶に鮮烈だが、この研究分野の成長速度には目を見張るものがある。

ナノロボットは、化学的に制御された単純な機構で動作しており、例えばガンをピンポイントで攻撃するナノロボットでは、特別な光を検知すると回転してガンを攻撃する。

マンチェスター大学の研究チームが開発したナノロボットは、炭素、水素原子、酸素原子、窒素原子など150個ほどの原子から構成されている。

ナノロボットの構造自体は非常に複雑だが、一つひとつの動作はシンプルな方法で制御されていて、ロボットに何をすべきかを伝える化学物質の入力を追加するだけだ。

個々のナノロボットは科学者により、ちょうどコンピュータプログラムでおこなうような制御が可能となっている。

・分子工場はナノ素材やナノロボット開発を加速する

分子工場では、ナノロボットを適切に配置しプログラムすることで、分子スケールの材料や製品を製造していく。

分子工場の稼働が実現すれば、ナノ素材やナノロボットの開発速度が大幅に向上する可能性もあるし、新薬発見プロセスの改善にも期待できる。大量生産により、これら一連の成果物の製造コストも劇的に下がるだろう。

分子工場を構成するナノロボットの開発は始まったばかりだが、今後、10~20年以内にはナノロボットが究極に小さな工場の組立ライン上で活躍する見込みだ。

参照:The World’s 1st Molecular Robot Has Just Been Created by UK Scientists/big think

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