信玄餅×赤ワインの衝撃!ソムリエが選ぶ山梨グルメと山梨ワインの世界

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山梨県といえばワインの生産が盛んです。加えてほうとう、信玄餅、鳥モツ煮……おいしいメシもたくさんあります。それぞれ食べても十分うまい。ただ、ワインとうまく組み合わせたら、もっと山梨の味を感じることができるのではないでしょうか。

山梨県の食に関する知識が豊富であり、かつソムリエがいるお店……! でも、そんな都合のいいところがあるのだろうか……って、実は日本橋にあるんです!

東京にある山梨でお得にワインが飲める

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全国各地の物産館が集中する東京の日本橋エリア、ここに山梨県物産館「富士の国 やまなし館」はあります。

店内には代表する桔梗信玄餅を始め、1,300を超える山梨県関連商品が並びます。

特筆すべきは山梨の農産物。もも、ぶどうの時期は果物が売り上げナンバーワンなのだそう。果物って自宅まで持ち帰るの重いし、近所のスーパーでも売ってますよね。それでもよく売れるのは本当に味がいいからなのでしょう。

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そして「富士の国 やまなし館」の目玉はこれ、ワインです。扱う銘柄は250を超えます。幅広い価格帯、時期によっては限定品も並び、ワイン通でもうなる品ぞろえなのです。ワインに疎いかたでもご安心を。ソムリエの資格を持っているスタッフがおり、合わせる食事や好みを伝えれば的確にワインを選んでくれます。

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山梨の物品を買えるだけではありません。お店の一画はイートインスペースとして山梨県産ワインの飲み比べや、ワインに合うおつまみ、一部の商品を食べることができます。ちょっといただいてみましょう。

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一番人気のワイン3種飲み比べ(550円~、1グラス50ml)。この日はスパークリングワイン1種、白ワイン3種、赤ワイン3種から選べました。ボトルで買うとお高めな銘柄もリーズナブルに飲むことができるため、2人組で6種類を試飲するお客さんも多いのだそう。

東京のど真ん中で、いいものがリーズナブルに飲める! 日本橋エリアに勤める人は、ついつい寄っちゃうだろうなぁ。

山梨グルメに合わせる山梨県産ワインをソムリエに選んでもらう

イートインスペースで山梨県のワインをいただくだけでもいい時間と言えるでしょう。

しかし、今回はそれだけではありません。山梨ワインのさらなる深みを味わうため、山梨をよく知るソムリエに、山梨グルメに合う山梨県産ワインを選んでもらうことにしました。

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ワインを選んでいただくのはシニアソムリエの船戸さん。

シニアソムリエとは、ソムリエの資格を取得してから3年経過し、アルコールにまつわる特定の仕事に10年以上、現在進行形で従事している人にだけ受験資格が与えられ、そこからさらに試験を受けて認定される資格です。私が思うに「プロとしての経験、自覚」が受験の前提にある資格なのです。

今回は船戸さんのご協力をいただき、山梨ワインと山梨グルメが織りなす深みをのぞいてみましょう!

1. ワインのスパイス化

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まずは山梨を代表するB級グルメ、鳥モツ煮とワインを合わせます。もともとはそば店でそばができるまでの間に食べるもの、つまりお通しのような食べものだったのだそうです。

食べて納得、酒に合わせる濃い味ではなく、鳥モツそのものの味を前面に出した繊細な味なんです。これは意外とワインには合わせやすいかもしれない!

「山梨では鳥モツ煮に山椒を合わせます。山椒=スパイスというところに注目し、スパイスの風味が特徴の甲斐ノワールをご用意しました。山椒を付けずに召し上がってください」

ワインがスパイス……? ダメだ、ワインの心得がない私には全然理解できない!

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食べてみると言いたいことがよくわかりました。甲斐ノワールは口に入れた瞬間から辛味が広がり、しばらくその感覚が持続するような口触りがあります。その状態で鳥モツ煮を放り込んでかむと、広がる鳥モツのうま味とともに辛味が消えていくこの感じ……これがスパイス!

素材とワイン、両方の特徴を知らないと提案できない組み合わせ……シニアソムリエの肩書はだてじゃない!

2. 陸上の400mリレーじゃないか……!

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続いて組み合わせるのは桃カレー

なんとも心地の良い甘さが前面に出たカレーはとっても優しい味わい! 最初に感じる果実系の甘みはかむほどに米の甘さとバトンタッチし、最後にはほんのりと辛味が口に残り、大変おいしいカレーです。

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カレーには固形の桃が入っています。そりゃ果物の甘さも出る!

このカレーとワイン、両方が持つ「果物の甘み」をどういかすのか、そして甘みの後に押し寄せる辛さという波をどう乗りこなすのか。

「カレーは冷たい飲み物と一緒に食べるもの。その点ワインは冷やすと渋みが出やすいため、渋みの少ないものが大前提です。そして凝縮した味わいの食べものに合う赤ワインに絞って、カレーに寄り添うフルーツの香りを持つマスカットベリーAをご用意しました。カレーとワイン、両方の果物の甘みをお楽しみください」

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なんだこの甘み……! これはリオ五輪で銀メダルを勝ち取った400mリレー、そこでよどみなくおこなわれていたバトンパスが口のなかで再現されているようだ! フルーツ、米、ワインと、甘みが絶妙なタイミングで引き継がれる!

それぞれの甘みが似ていること、そして口に広がる順番をしっかりと把握していないと、この味は生まれない……! 鳥肌が立つうまさでした。

3. 旅のお土産から目上のかたへの贈答品へ

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最後に検証するのは山梨県のお土産代表、桔梗信玄餅。ここで難しいのは黒蜜ではないでしょうか。濃い甘みはワインのコク、繊細さを飲み込んでしまうのでは……この最高難度と思える組み合わせ、船戸さん、お願いします!

「信玄餅には甘口の酒精強化ワイン、周五郎のヴァンをご用意しました。アルコール発酵の途中でブランデーを添加することによって、ぶどう果汁の甘みをワインに残すとともに、ブランデーのコクや風味が与えられます。特に信玄餅の黒蜜の風味と相性がよく、単体で召し上がるよりも風味が豊かになります」

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検証する前に、情報が錯綜している「信玄餅の正しい食べ方」について聞いてみました。真ん中の餅を横によけて、できたスペースに黒蜜を入れるのが正式のようです。

味はもはや説明不要でしょう。黒蜜の濃い甘さをきなこが程よく抑えつつ、次第に餅の甘さへ移行していく。単独で十分なうまさです。

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ちなみに私は包み袋に全部出して混ぜる派。きなこをこぼさず、食べ残しなく食べられるうえに、そのまま捨てられるため、いろいろと楽です。

ただこれは見栄えが良くないとのことでした。TPOをわきまえて、信玄餅を楽しみましょう!

疑問を解消したところで本題に戻ります。

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信玄餅を口に入れ、即座にワインを注ぎ込む……あれ? 知ってる信玄餅じゃない!

黒蜜、餅、ワインが混ざりあった濃い甘さ、お高いレストランのコース料理にでてきそうなデザートに仕上がっています。桃カレー+マスカットベリーAの爽やかな甘さとは対極、こってりとした口に残る甘さ! 庶民的お土産というポジションからは完全に卒業しています!

まだまだ深い、山梨ワインの世界

組み合わせによって広がるワインの世界に驚きっぱなしでした。相性を突き詰めるとこんなに感じるおいしさが違うとは!

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とはいえ、数多ある商品のうちの3パターンを検証しただけ。 見ての通り、「富士の国 やまなし館」にはまだまだたくさんの商品があります。そしてイートインスペースには組み合わせの検証をサポートしてくれるソムリエもいます。

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しっかりと食べたいかたは同ビル2階のY-wine(わいわい)もオススメ。ソムリエの田崎真也さんプロデュース、山梨県産食材を使ったイタリアンが食べられるレストランです。こちらもソムリエがおり、料理に合わせたワインを選んでくれるのはもちろんのこと、ワインのテイスティングや食べ合わせについての勉強会も開催されています。

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仕事帰りに少しずつ、ワインの奥底を見る食の旅に出てみてはいかがでしょうか。

磨いた知識を持って山梨に足を運べば、いっそう山梨グルメ、ワインを楽しめることでしょう!

お店情報

富士の国 やまなし館

住所:東京都中央区日本橋2-3-4日本橋プラザビル1F

電話番号:03-3241-3776

営業時間:11:00~19:30

Webサイト:https://www.yamanashi-kankou.jp/tokyo/

※この記事は2017年7月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

※今回試飲したワインがワイン3種飲み比べのリストに必ず入っているわけではありません。

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。 ブログ:銭湯、温泉探求録

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