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自民党広報のツイートに物申す~みんなこのインチキに気付いてくれ~(モノシリンの3分でまとめるモノシリ話)

かさ上げ率

アベノミクス開始以降だけ5%を超える高いかさ上げ率を記録しているのが分かる。

問題は,このかさ上げの内訳である。以下,内閣府公表資料から抜粋する。

*2:「平成27年度国民経済計算年次推計(平成23年基準改定値)(フロー編)ポイント」2016年12月22日『内閣府』
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h27/sankou/pdf/point20161222.pdf

名目GDPの改定要因について

かさ上げ額の内訳を大きく2つに分けると,
1.2008SNA対応によるもの
2.「その他」
である。

2008SNAというのはGDPの国際的な算出基準である。以前は1993SNAを使用していた。この算出基準の変更によって研究開発費等がGDPに加えられるので,名目GDPが大きくかさ上げされる。

*3:「GDP、基準改定で19.8兆円かさ上げ」2016年09月15日 『日本経済新聞』
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H4U_V10C16A9EE8000/

まずは2008SNA対応によるかさ上げ額から見てみる。

2008SNAによる改定幅

これをかさ上げ率にすると下記のとおり。

2008SNAかさ上げ率

2015年度が1位,2014年度が2位,2013年度が3位。アベノミクス開始以降の年度が上位をすべて占めている。

だが,最も重要なのは「その他」のかさ上げ額だ。以下のグラフを見ていただきたい。

その他のかさ上げ額

アベノミクス開始以降の年度が異常にかさ上げされているのが一目瞭然である。アベノミクスの開始前とは全く比較にならない。

「その他」のかさ上げ額がプラスになること自体,過去22年度でたった6回しかない。そのうちの半分をアベノミクス以降が占めている。

さらに,アベノミクス前だと,「その他」の最高かさ上げ額は2005年度の0.7兆円。他方,アベノミクス開始以後だと下記のとおり。

・2013年度4兆円
・2014年度5.3兆円
・2015年度7.5兆円

桁が違い過ぎる。

そして,特に1990年代を見ていただきたい。かさ上げどころか,かさ「下げ」されている。全部マイナスである。1994年度なんてマイナス7.8兆円。

そして,かつて史上最高額を記録していた1997年度に注目である。「その他」で5兆円もマイナスになっている。

2015年度の名目GDPは「2008SNA対応」で24.1兆円,「その他」で7.5兆円もかさ上げされ,合計で実に31.6兆円のかさ上げ。

他方,改定前に史上最高額だった1997年度は,「2008SNA対応」で16.9兆円,「その他」でマイナス5兆円,合計で11.9兆円のかさ上げ。

同じ基準で改定したはずなのに,かさ上げ額に20兆円も差があるのだ。

その原因は,2008SNA対応部分でのかさ上げにも大きく差がある上,「その他」でさらに差を付けられたからである。

「その他」の部分だけ見ると,2015年度と1997年度には実に12.5兆円もの差が付いている。

この結果,改定後の2015年度名目GDPは,史上最高額である1997年度にほとんど追いついた。

そして・・・2016年度の名目GDPは1997年度を追い抜き,史上最高の537.5兆円を記録した。

もう一度言う。「その他」は2008SNAと全く関係無い。

この全く関係無い部分でかさ上げ額の不自然な調整がされ,2016年度名目GDPが「史上最高」を記録するという現象が起きている。

「その他」の内訳について,内閣府に問い合わせてみたが「内訳は無い」との回答であった。

じゃあどうやってこの空前絶後のかさ上げ額を算出したんだよ。

私はこの回答をもって,GDP改ざんを確信した。

さて,ここでもう1回さきほどの自民党広報ツイッターを見てみよう。


【データで見る!アベノミクス5年間の実績】
名目GDPはこの5年間で50兆円増加!過去最高の水準です。#アベノミクス の加速で #景気回復 #デフレ脱却 を実現します!多くの方に知っていただきたいのでぜひシェアにご協力ください!#この国を守り抜く #自民党 #衆院選 #拡散希望
20:44 – 2017年10月10日

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