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お好み焼きにはじめてマヨネーズをかけたのは「ぼてぢゅう」だった【大阪定番】

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▲「ぼてぢゅう屋台」では静岡県の「富士宮やきそば」、秋田県の「横手やきそば」などご当地の味が楽しめる

── 確かに今や、焼きそばは各地で独自に発展していて、町おこしとセットになっていることも多いほどです。

「もちろん、ご当地メニューを出す以上は、本物の味を提供しようと。地域に出向き、観光協会等におうかがいを立て、地域の団体に交渉させていただいて、と、すごく時間をかけてメニューを増やしていったんです。そうしていくうちに、気づいたら結構なメニュー数になっていた。我々が大阪のお好み焼を大事にしているように、ご当地のみなさんに大事にされているメニューがあるわけです。そこから徐々に、地域の味をしっかり伝えたいということと同時に、地域を盛り上げたいという方向でも会社として取り組むようになっていきました。同じ方向性で運営されている『愛Bリーグ』さんとの提携もスタートしたりですとか」

── 焼きそばをスタート地点に、さらにご当地グルメを深く掘り下げていったわけですね。

「そうなんです。焼そば以外にももちろんたくさんのご当地グルメがあります。そこでさまざまなご当地メニューを提供する『全国ご当地グルメ屋台』や、鉄板中心の『てっぱん屋台』、丼もの専門の『全国ご当地丼ぶり屋台』と業態が増えていきました。デフレの時代ににあわせてフードコートに注目していった結果、徐々にそれが根づき、次の目標として海外への戦略を考えたんです。そうなるとさらにマーケットがわからない。“地域性”をこえて“国民性”と向き合うことになりますから(笑)。宗教や所得、食文化もまったく違う。どこの国の方々にどんなものが受け入れてもらえるのかまったくわからないんです」

── どんどん視野が拡大していった、と。

「とにかく挑戦してノウハウを積み上げたいと。でも、海外の日本食ではラーメンとお寿司がとにかく強いんです。そこで、お好み焼だけじゃなくて、日本の日常食をなんとかもっと海外に広めたいという気持ちが生まれてきました。その当時は海外で日本食を食べようと思うとどうしても高級店になってしまっていたんですね。日本と同じ食材で同じ味を出そうと思うとどうしても高級になってしまう。そこをなんとか大衆的な感覚で食べていいただけないだろうかと、それでとんかつを研究し出したりして、それがまた新しい業態に結びついていったんです」

── 届けたい対象を広げていけばいくほど、そのために研究することが増えていくということですよね。

「そうなんですよ。それが業態が増えていったきっかけです。当初から海外に展開したいということも視野に入れて考えていました」

「現地の味」にこだわる

── ご当地グルメを一つ商品化しようと思っても、そのためにいろいろ食べ歩いたり、本物の味を出すための苦労がすごくありそうな気がします。

「とにかく現地でたくさん食べ歩きます。有名店や、地元で有名な料理人さんですとか。例えば北海道のご当地グルメである“十勝豚丼”を提供している弊社の業態の『ゆうたく』の場合、まず、十勝に行って豚丼をとにかく食べ歩きました。そのうち、人気店がどこも同じお肉屋さんから豚肉を仕入れていることがわかってきたんです。それで今度はそのお肉屋さんをたずねて直接お話をし、業務提携出来たのが『ゆうたく』です。とにかく地元に行って顔をつきあわせることが大切なんです。本物の『さぬきうどん』が食べられるお店を作りたいと考えて讃岐に行き、水、小麦粉、塩、油まできちんとその地域でとれたものを使って本物のうどんを提供したいと思って始めたのが『香蔵製麺所』という業態だったり。そういう取り組みをしていきました」

── ご当地で食べられている料理を、きちんと本物の味で出すということにこだわっているんですね。

「そこが大前提なんです。食材から調理方法まで、すべて現地のオリジナルでやっています。どちらかというと器用にはできていなくて、ひとつひとつ足し算していっている。チェーン店としては不器用ですね。でもとにかく地域の方との縁の深さが大事だと思っています。それが財産です」

── ご当地の食材をわざわざ使うとか、それだけでコストがかかりそうです。

「でも、それが地域貢献にもなるんです。地域の食材を使わせてもらって地元の企業さんに貢献したいと、そう考えています」

ソース作りへのあくなき執念

── 「ぼてぢゅう」のお好み焼きの話に戻るのですが、マヨネーズやソースなども自社で開発したオリジナルのものを使っているそうですね。

「ほとんどがオリジナルです。他のメーカーさんに委託してみてもやっぱりどこか違うんです。同じ材料、同じ分量で調合したソースでもなぜか味が違う。最後に頼れるのは我々自身の舌しかないんですよね。そうやって微調整していこうと思うとどうしてもオリジナルのものになりますね」

── そういうものなんですね。奥が深すぎます……。

「例えば、『ぼてぢゅう』で提供している焼そばでは、甘ソース、中ソース、辛ソースという3つのソースを使っています。そしてその3つはあらかじめブレンドしてはいなくて、調理しつつ順番にかけていくんですね。最初から混ぜ合わせて一つにした方が絶対に効率は良いんですが、そうすると味が変わってしまうんです」

── 調理される従業員さんからすればそれだけ手間が増えると。

「そうなんですが、そうしないとどうしても味が違ってしまう。モダン焼にいたっては6つのソースを使っていますから。一つずつの調味料について、『もうちょっと甘く!』、『辛く!』などと作っていって、それを組み合わせるとまた別の味になるわけです。これはもう、ミラクルの世界になるんです(笑)」

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