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ラテアート世界チャンピオン・田中大介さんインタビュー 「バリスタを世界一の職業の一つにするため、僕には“チャンピオン”のタイトルが絶対に必要でした」

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ラテアート世界チャンピオン・田中大介さんインタビュー 「バリスタを世界一の職業の一つにするため、僕には“チャンピオン”のタイトルが絶対に必要でした」 ラテアート 田中大介 コーヒー 世界一 バリスタ フロム・エー FromA ラテアート 田中大介 コーヒー 世界一 バリスタ フロム・エー FromA

18歳頃から音楽活動に没頭していた田中大介さん。10年間の活動後、プロを目指すことを卒業し、コーヒー業界に足を踏み入れました。“やるからには頂点を”という強い信念で、その後、「Coffee Fest Latte art world championship in Chicago 2015(2015 コーヒーフェスト ラテアート 世界選手権 シカゴ大会)」で世界チャンピオンに。田中さんが世界一を極めるまでのストーリーや、バリスタという職業に対する思いなどを伺いました。

 

音楽の道を諦め、たまたま辿りついたコーヒーの世界

 

――バリスタになったきっかけを教えてください。

10代の頃から、プロのアーティストになろうと音楽活動をしていました。客観的に見て“いい感じ”の存在にはなれましたが、プロで生きていける域には達せなかったんです。

音楽を諦めるまで10年の時間を費やしたので、疲れてしまったんですね…。それで「少しのんびり生きよう」と気持ちを切り替えました。そんな時にたまたまコーヒーの世界に出会い、カフェに勤めることになりました。

――後に、ラテアート世界チャンピオンに登りつめるわけですが、ラテアートに興味があってコーヒー業界に転職を?

いえいえ、全然(笑)。今でこそラテアートは、僕の人生で大事なものになりましたが、むしろ得意ではなかったんですよ。だって、「ハート」ができるまで1年、「リーフ」ができるまでは2年もかかりましたから(笑)。ラテアート 田中大介 コーヒー 世界一 バリスタ フロム・エー FromA 「国立オリンピック記念青少年総合センター」内の「ぴっころ」でラテアートの指導をする田中さん。

――へぇー、意外です!得意ではなかったのに、世界チャンピオンを目指そうと…。何かきっかけがあったのですか?

カフェに勤めて3、4年が経った頃、コーヒー業界そして、バリスタの地位の低さに気付きました。バリスタはとても素晴らしい仕事ですが、パイロットや医師などと比べると、やはり、過小評価されがちです。

なので、バリスタの地位を上げるためには、この職業にしっかりと向き合える人を増やさなければならないと思いました。店のスタッフに日々伝えるのも一つの方法ですが、多くの人の心を一気に動かせれば、近道になるだろうと考えたんです。

僕に絶対的な“何か”があれば、きっと大勢の人が僕の意見に耳を傾けてくれるはず。その絶対的な“何か”が、「ラテアート世界チャンピオン」のタイトルだったんです。

 

バリスタを世界でもトップレベルの職業の一つにしたい

ラテアート 田中大介 コーヒー 世界一 バリスタ フロム・エー FromA

――「ラテアート世界チャンピオン」を目指してからたった2年で実現されましたが、その原動力はなんだったのでしょうか?

少し観念的な話ですが…。ある時、「ラテアート世界チャンピオン」になった瞬間の感情を想像してみたんです。「うれしい」とか「ちやほやされて気持ちがいい」という上辺の気持ちだけでなくて、内に秘めた部分も考えてみました。すると「あー、やれやれ」「やっとここからスタートだな」「しんどかった」と負の感情も出てきたんですね。

その時にふと、スイッチが入ったんです。「こんなん考えている時間があるんやったら、練習せな」と(笑)。負の感情が沸くぐらい茨の道を進むことになっても、ラテアートととことん向き合おう。今は“自分の歴史作り”をしている時だと、覚悟したんだと思います。この覚悟が自分を支える原動力になりました。でも、実際に世界大会で優勝した瞬間は、「優勝しちゃったな」と軽い感じでしたが(笑)。

世界大会で優勝するまでの2年間は、ラテアートに夢中でしたね。日々の業務をしながら練習に時間をさく苦労はありましたが、夢中だったので辛いとは感じませんでした。ラテアート 田中大介 コーヒー 世界一 バリスタ フロム・エー FromA完成した「チューリップ」。見た目もエスプレッソとミルクバランスも繊細そのもの。

――目標を達するまで、くじけてしまう人も少なくないと思います。迷いや葛藤のある若い世代の人たちへ、アドバイスをお願いします。

今の子たちに夢を聞くと、「手の届きそうな」目標を語る人が多いですね。「将来は小さくてもいいので、自分の店を持ちたい」など。でも、「例えば、その店に毎日1,000人のお客様が来てくれたら、どう思いますか?」と僕が聞き直すと「すっごく、うれしいです!」と言うんです(笑)。ということは、最初に語った夢は、遠慮していますよね(笑)。

夢や妄想に遠慮はいらないということは、ぜひ、伝えたい。なぜかと言うと、高い目標を持っていると、日々入ってくる情報の質や量が変わるからです。また、目標を達するための道のりや方法を真剣に考えると、人に伝えたい気持ちがどんどん溢れてきます。その感情は大切にして欲しい。

僕はずっと“できない自分”でした。でも、大きな目標を掲げて、信じてやり続けたことで“できる自分”になれました。この経験を多くの人に伝えたいと思っています。ラテアート 田中大介 コーヒー 世界一 バリスタ フロム・エー FromA「僕の言葉がきっかけで覚醒し、夢に向かって歩む人が増えたらうれしい」と語る、田中さん。

――今後の展望を聞かせてください。

あくまでもチェックポイントの一つですが、今は、グローバルに活躍するバリスタを目指しています。最終目標としては……、妄想に遠慮はいらないので(笑)、バリスタを世界でもトップレベルの職業の一つにしたいですね。

 

まとめ

ラテアート 田中大介 コーヒー 世界一 バリスタ フロム・エー FromA

「人生で4つ、夢中になったことがあります。サッカー、趣味のスノーボード、プロを目指した音楽、そしてラテアート。サッカー、スノーボード、音楽でうまくいかなかった経験があったから、ラテアートで頂点に立てたのだと思います」と田中さん。どんなことにも真剣に向き合い夢中になれば、その経験はいつか花開く時がある。そう田中さんに教えられた気がしました。 ■Profile

田中大介

大阪府出身。大阪府近郊に5店舗を構える「MONDIAL KAFFEE 328」(モンディアルカフェ328)のヘッドバリスタ。「2015 コーヒーフェスト ラテアート 世界選手権 シカゴ大会」での優勝をはじめ、2017年4月に開催された「コーヒーフェスト ラテアート 世界選手権 東京大会」でも準優勝に輝くなど、多くのコンテストで優勝経験のある、世界的バリスタ。ラテアートコンテストのオーガナイズや各地方でセミナーも実施している。

Instagram: https://www.instagram.com/_turner___

 

取材・構成・文:石上直美(verb)

撮影:李春湖(owl)

取材撮影協力:Caffe・フレンズ

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