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大事なのは「たいていのことは人類初ではない」という視点ーーマンガ『エンゼルバンク』に学ぶビジネス

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大事なのは「たいていのことは人類初ではない」という視点ーーマンガ『エンゼルバンク』に学ぶビジネス

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、ビジネスの視点で名作マンガを解説いただくコーナー。今回は、三田紀房先生の『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』の第6回目です。

『エンゼルバンク』から学ぶ!【本日の一言】

こんにちは。俣野成敏です。

名作マンガは、ビジネス書に勝るとも劣らない、多くの示唆に富んでいます。ストーリーの面白さもさることながら、何気ないセリフの中にも、人生やビジネスについて深く考えさせられるものが少なくありません。そうした名作マンガの中から、私が特にオススメしたい一言をピックアップして解説することによって、その深い意味を味わっていただけたら幸いです。

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©三田紀房/コルク

【本日の一言】

「早い話、面倒臭いことは他人に委ねちゃえばいいんですよ」(『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』第1巻 キャリア8より)

龍山高校の英語教師だった井野真々子(いのままこ)は、10年目にして仕事に飽きてしまい、転職を決意します。井野は、かつて一緒に働いていた弁護士の桜木建二(さくらぎけんじ)に相談。桜木は以前、経営破綻の危機にあった龍山高校で教鞭を取っていた時期があり、東大合格者を排出することによって当校を救った救世主でした。

井野から話を聞いた桜木は、転職エージェント会社の転職代理人・海老沢康生(えびさわやすお)を紹介。井野は海老沢の下でキャリアパートナーとして働くことになりますが・・・。

プロの助けを借りれば、より早く目標に到達できる

転職エージェント会社で、キャリアパートナーとして働き始めた井野。初めて担当することになった転職希望者とは、社会人2年目の若手・山口。「転職によって、自分の希望通りの会社に移りたい」と言う山口。しかし井野は「転職だけですべてがバラ色になる訳ではない」と話します。

転職とは「何を取って何を捨てるのか?」というチューニング作業のこと。「給料」「やりがい」「将来性」「安定性」「労働時間」といったすべてが望み通りになる会社などないことを伝える井野。それでも「プロの助けを借りれば、自分一人で活動するよりも、よりよい結果が出る可能性が高まる」のだと伝えます。

井野は「働きながらの転職活動では、スケジュール管理も履歴書作成も大変で、途中で諦めてしまう人も多い。だったら雑務や不得意なことは他人に任せてしまえばいい」と、エージェントの意義を語るのでした。

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©三田紀房/コルク

巨人の肩に乗る

この話をビジネスに活かすのであれば、「社外のセカンドオピニオンを持っているか?」ということになります。セカンドオピニオンとは、要は、第三者に意見を求めるということです。「巨人の肩に乗る」という言葉もあるように、見える範囲を広げるということは、思わぬ判断ミスを防ぐ効果があります。

セカンドオピニオンと言うと、医療などの分野では常識になってきていますが、現在はさまざまな分野に広がりつつあります。たとえば最近、多くの会社で取り入れられているメンター制度などもそれに当たるのでしょう。メンター制度とは、主に若手の定着率向上を目指して取り入れられた仕組みで、直属の上司ではない先輩社員などを相談役としてつけることを言います。

仕事の悩みについて、通常は社内の人のほうが、同じ背景を持っていたり、気心も知れていたりしますから、相談しやすいという特徴があります。しかし、ビジネス環境が目まぐるしく変わる昨今において、社外にもセカンドオピニオンを受けられる相手を持つことは、これから重要性を増すばかりです。

自分の欲しい情報を持つ人は必ずいる

特に、会社で新しい分野に進出しようとする場合も同様です。一例を挙げると、私はメーカーに勤めていた時に、社内ベンチャーで流通業を立ち上げたのですが、当然、社内には誰一人として流通について知っている者はいませんでした。

こう言うと、よく「社内に誰も知っている人がいない中で、大変でしたね」というお言葉をいただきます。しかし、私はそれについて困ったことはありません。なぜなら、一歩社外に出れば、私が知りたいことについて知っている人はたくさんいたからです。自分や会社にとっては初めてのことであっても、たいていのことは人類初ではありません。

それに、世の中には詳しい人がいるのに社内ではアドバイスできる人間がいないということは、社内初の挑戦である可能性が高く、あなたのキャリアの実績作りにおいて大きなチャンスになるでしょう。

結局、あふれるほどの情報があっても、その中であなたにとって本当に価値のある情報はわずかです。しかも、このように選択肢が多過ぎる状態では、欲しい情報はかえって埋もれがちになります。

真に価値ある情報とは、お金を払ってでも得る価値があります。私もこれまでステップアップする要所では、もちろんお金を払いました。今、私がサラリーマンを卒業して「時間」「お金」「場所」において自由でいられるのも、適切な時にその道のプロから有益な情報を得て、それを仕事に生かしたからです。

「自分のセカンドオピニオン」を探す方法

ところで、どうやったら信用のおけるセカンドオピニオンを見つけられるのでしょうか?これに関しては、わからないうちは何人も当たってみるしかありません。その中から、自分が「この人なら」と思う人を選ぶことです。

私が経営者として業務を他人に委ねる際に、いつも自問している言葉があります。それは「この人になら、最悪の場合に裏切られても仕方がないと思えるか?」というものです。世の中には、「自分の大事なお金や会社を他人に任せられない」という人がたくさんいます。けれどもそれでは「自分で作業できる範囲が限界」ということになってしまいます。それを乗り越えるためのセカンドオピニオンなのです。

もし今、「自分には特にセカンドオピニオンがいない」という方がいたら、これを機にアンテナを広げてみてはいかがでしょうか。社外にこれを持つようになれば、ご自身の可能性の幅を広げられることだけは、間違いありません。

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』が12刷となっている。著作累計は35万部超。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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