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自社のことをどこまで分かってますか?──IoT時代の「モノ」プランニング

見落とされやすい「自社」の強み

「リサーチ」と聞いて、その対象に何を思い浮かべるでしょうか?

私は、以前ワークショップで参加者たちに対して、そのような質問を投げかけたことがあります。

30名くらいの参加者のうち、約半数の方は「ユーザー」と解答し、3分の1程度の方が「競合」と回答。「自社」と回答した人はわずか5名程度でした。

それぞれの重要さには甲乙つけがたく、どの視点が抜けても市場に対する認識は偏ったものになりがちです。

例えば、あるニーズを抱えたユーザーが多数存在しており、自社のみがそのニーズに応えられるのであればそれは機会でしょう。

しかし、他社も同様に応えられるのであれば、機会と呼ぶには相応しくないかもしれません。

自社は応えられず、他社のみが応えられるのであれば、その他社との競争関係によっては脅威にもなり得ます。このように一つの事象も見方次第で全く異なってきます。

そこで今回は、身近だからこそ意外に見落とされやすい「自社」について取り上げてみます。

IoT時代に欠かせないコラボレーションノウハウ

モノづくりへの参入が容易になったとはいえ、未経験のソフトウェアメーカーが新たに学ぶべき多くの事柄が存在するのも事実です。

量産に向けた工場開拓、新たな品質管理基準の策定、物流管理体制の構築、ユーザーサポート体制の整備、電子回路や機構設計の知識、ハードウェアを取り巻く法規制の遵守などまったく想像がつかない事がらも多いのではないかと思います。

さらにはモノ同士がインターネットを通じて繋がり、しかもそれがメーカーの枠組みを超えたオープンな環境によるものであれば、接続先のデバイスやその周辺に関する幅広い知識も要求され始めます。

考えるべきUX領域に対して、これまでは「人対モノ」でよかったものが、IoT時代では「モノ対モノ」まで考える必要があり、これらすべてを自前で解決することは、経験豊富なハードウェアメーカーですら困難とも言えます。

このような不足するノウハウをいかにして補填するかは、IoT時代における大きな課題となってくるでしょう。その鍵を握るのは、サードパーティーとのコラボレーションノウハウだと思っています。

コラボレーションというと社外にばかり目が行きがちですが、コラボレーションを考える上でも最初は自社に向けることが大切です。

自社にどのような経営資源が不足しているのか、またコラボレーション相手を惹きつける自社の強みは何なのかを考えるといった具合です。

しかし強みがない企業は、今後パートナーを開拓する上で不利な状況に置かれる可能性があるため、どのように強みを育んでいくのか、真剣に考え始めなくてはなりません。

VRIO分析とカスタマージャーニーマップによる経営資源の分析

自社の強みを評価する上では、VRIO分析が活用できます。VRIO分析とは、自社が持つ経営資源を価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)の4つの視点で評価するものです。
経済価値(Value):顧客にとっての価値、応用性の高さなど
希少性(Rarity):入手の困難さ、独自性など
模倣困難性(Imitability):外部からの見えにくさ、仕組みの複雑さ、技術難易度など
組織(Organization):(経営資源を活用するための)メンバーのスキル、社内手続き、組織構造、経営資源の重要さに対する認識など

僕は、VRIO分析の際に、カスタマージャーニーマップやバリューチーェーンなどを組み合わせながら、経営資源を分析していくことをお勧めしています。こうすることで分析に漏れが出にくくなります。

要はプランニングからユーザーがモノを手にするまでの時間の流れにも着目しながら経営資源を洗い出そうということです(難しければVRIO分析だけから始めてみてください。それでも十分に効果を感じることができるはずです)。

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