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二階建て新幹線が3年後に完全消滅するワケとは?

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「夢の超特急」として、東京オリンピック開催直前に開業した東海道新幹線から50年以上続く新幹線の歴史の中で、特に異彩を放つ存在として注目を集めてきた「二階建て新幹線車両」。出張で利用している方も多いのではないでしょうか。

最初に誕生してから30年以上に渡り親しまれてきましたが、2020年に完全消滅するとの発表が。そこで今回は二階建て新幹線の歴史を振り返ってみたいと思います。

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誕生は1985年、東海道新幹線「100系」から

開業以来、ずっと「0系」と呼ばれる丸みのある先頭車両でおなじみの電車が、20年以上に渡り運用されてきました。しかし性能や内装・居住性などのレベルが開業当初のままだったこともあり、1980年代に入ってそろそろ次世代型の新型車両を導入する動きが活発化。

そこで検討を重ねた結果、1985年に生まれたのが新幹線初の二階建て車両を持つ「100系」でした。

当初は16両編成中、2両分が二階建て車両として組み込まれ、「グリーン車」「食堂・カフェテリア」「普通車指定席」などが配置。

その後、今はない「個室」も配置されるなど、居住性やサービスに関しては、今以上に充実していて、バブル時代を象徴する車両でもありました。

さらに1989年、「グランドひかり」と呼ばれる4両の二階建て車両が組み込まれた編成が登場すると、二階建て車両の人気はピークに。二階建て車両の存在は、多くの乗客に親しまれる存在となりました。

ただ1990年代に入ると、新幹線の高速化の動きが加速し、後継車両となる「300系」が国内初の最高270km運転をスタート。その後も「500系」「700系」そして最新の「N700系」とスピード重視の流れが続く一方、風の抵抗や車両の重さなど高速化に不向きな二階建て車両は徐々に姿を消すことになり、2012年に100系は完全引退しました。

東北・上越新幹線が新たな活躍の場に

一方、1982年に開業した東北・上越新幹線は、バブル景気の波を受けて「新幹線通勤」のニーズが80年代末から急拡大。

そこで東海道新幹線の100系と違い、大量輸送を目的とした新たな二階建て車両を開発することになり、1994年に誕生したのが「E1系」と呼ばれる二階建て新幹線でした。

最大の特徴は「全車両二階建て」という点。

他にも居住性やサービス向上に注力した100系と違い、あくまで「大量輸送」を目的としているので食堂車や個室などはなく、全車両二階建てならではの圧倒的な迫力を持った外観が登場時、大きなインパクトを与えました。

またそれと同時に衝撃的だったのは「普通車自由席の配置」。

新幹線車両の場合、基本普通車は「2+3」の横5席、グリーン車は「2+2」の横4席が基本。中にはJR西日本が運行する「ウエストひかり」のように普通車も「2+2」の横4席化することで居住性向上を図っている車両もありますが、このE1系の普通車自由性の配置は「3+3」の横6席という、新幹線史上初のスタイルでした。

中央部のひじ掛けもなく、リクライニング機能も付いていないため「短時間乗車の通勤ニーズ」に特化したスタイルだったことも、賛否含めて大いに注目を集めました。

そして1997年、E1系の後を追うように開発された「E4系」は、12両編成だったE1系を上回る、16両編成全車二階建てでさらに座席数が増加。定員が「1,634人」と、世界最大級の規模になりました。

その後2012年にまずE1系が全面撤退し、そして今から3年後の2020年度を目安にE4系も撤退することによって、新幹線の歴史から二階建て車両が姿を消すことになります。

ここで「なぜ二階建て車両は姿を消すのか?」という疑問。その主な理由としては、

東北新幹線では、E5系&E6系(最高速320km)に車両を統一することによって全体的にスピードアップを果たすため、速度の遅い二階建て車両(最高速240km)は撤退

残る上越新幹線もE2系&E7系(最高速260km)に車両を統一することで、同じく全体的なスピードアップや車両運用の効率化を果たし、二階建て車両は完全撤退

二階建て車両撤退によって座席数が減少する分に関しては、増発によって対応

…という流れで、惜しむらくも撤退することになってしまいました。ちなみにこれは、東海道・山陽新幹線から二階建て車両が撤退したときと同じ理由です(※全車両最高速270km以上に統一するために、当時最高速230kmの100系車両が撤退)。スピードが求められる世の中なのですね。

皆さんそれぞれ二階建て新幹線には様々な印象や思い出をお持ちだと思いますが、残り3年の活躍を温かく見守っていきましょう。

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる

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