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妊娠中に「深部静脈血栓症」を発症した私。血栓リスク20倍の緊急帝王切開に

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妊娠中期の22週に、妊娠中のトラブルとしてはマイナーな深部静脈血栓症を発症。

血液が固まらないように持続点滴をしながら分娩までの管理入院を余儀なくされていました。妊娠中に起こる深部静脈血栓は、妊娠初期か分娩直後がいちばん発症しやすく、妊娠中期ではめずらしいといわれていました。

「とにかく無事に子どもを産んで、母子ともに元気に退院しましょう」と、医療スタッフの皆さんに励まされながら入院生活を乗り切り、39週に入ってすぐに破水から私のお産は始まりました。

最初のうちはだいぶ気持ちに余裕があって、「よし産むぞ!」と気合も十分。

「やっとこの長い入院生活も終わるんだ…」なんて感慨すらあったのですが、そのうち陣痛は一気に加速。

破水して陣痛室へ移動して余裕で本なんか読んでいたはずの自分が、気が付けば痛みで何も考えられない状態に。

いったいどのくらいの時間が経過してそうなったのか、なぜか全く覚えていないんです。そのくらい陣痛の勢いがすごかったのだと思います。

「少し痛くなってきたかな?」と思ってからあとの記憶がほとんどないほど。何分間隔どころではありません。もう気が付けばずっと痛いのです。

これは早くお産が進むかと思いきや、なぜか子宮口はまったく開かず。

痛みの勢いに負けてしまい、全く飲めない食べられない状態になってしまいました。

陣痛に休みがないので、痛くない時間というのが存在せずなにも考えられないし、なにも口にできない。

そんな状態のまま1日半が過ぎた頃、助産師さんが内診して「子宮口、4割くらい開いてきてますよ~」と。

まだ!?まだ4割!?こんなに苦しいのにまだそれだけ?

完全に心が折れてしまい、このあたりからは先生や助産師さんに「もう切ってください」とそればかり言っていました。もう無理です、と。

我ながら情けないですが、本当にもう早くこの痛みから解放されたい、ということしか考えられなくなってしまいました。

でもなかなかそう簡単には帝王切開になんてなりません。

しかし、先に破水してしまっていることで感染兆候が見られ始めてきたことがわかり、とにかく早く子どもを出してあげたほうが良いだろうということになるのですが、それでも先生方は「陣痛促進剤を使おうかどうか」なんて言ってます。

私としては、もうこれ以上一寸の余裕も体力もなく全く踏ん張れる気がしないので、子どもの無事のためにも帝王切開してほしいと懇願しました。

すると先生が言いました。

「帝王切開は手術です。どんな手術でも、術後は血栓のリスクがあります。あなたの場合は妊娠中に深部静脈血栓ができている。この場合の帝王切開後の血栓形成リスクは通常の20倍です」と。

それは尋常なことではない…そう思い、とにかく今は頑張るしかないと思い直しました。 関連記事:「深部静脈血栓」で管理入院。絶対無事に産むんだ!不安な気持ちを切り替えられたのは…

その後しばらく陣痛と戦い、破水から2日後。やっと子宮口全開!

あと少し、というところで今度は微弱陣痛となってしまい、お産が停滞。

いよいよ促進剤を使用する段階になって準備していると、今度は赤ちゃんの心拍が急激に下がり始めてきてしまいました。

それまでは割とのんびりしていた助産師さんたちの表情や雰囲気が一気に変わり、私もパニックに。

「赤ちゃんになにかあったらどうしよう…」。

全く冷静さを失い、なにか大声で叫んでいたように思いますが、よく覚えていないです。

ただ先生が「帝王切開でいこう」と言ったことだけ、鮮明に記憶にあります。

そこからはまるで早回しのようにベッドで寝ている自分の周りの景色が動いていきました。

あっという間におしっこの管が入れられ、入れられながら麻酔科の医師から麻酔の説明を受け、気が付けば手術室です。

血栓リスク20倍。今考えると本当に怖いです。

でもこのときは自分がどうにかなるという恐怖はまったくありませんでした。

ただただ、赤ちゃんが無事であるように、無事に産まれてきてくれますように。

そうこうするうちに、先生が赤ちゃんを取り出しました。私からは見えません。

でも先生が赤ちゃんに「がんばれ!」と言ったので、それで今私のお腹から出たんだなとわかりました。

しばらくすると大きな大きな、元気な泣き声が聞こえました。

心の底から安心して、ふと自分の頭の横にあるモニタを見ると、との表示。

「え?これ私の血圧かな?低すぎやしないか?」

そう思ったとたん、一気に気が遠くなり失神寸前です。

妊娠中、血液が固まらないための薬をずっと点滴していたので、出血量が多く、血圧低下を起こしていたのだと、後から知りました。

「しっかりして、寝ないように!頑張って!」先生や看護師さんに励まされ、なんとか意識を保ちました。

手術の翌日、午前中に先生が5人病室に入ってきて「さぁ、歩きましょう」と。

術後の血栓は少しでも早く動いたほうができにくいため、動けるならどんどん動こうという方針です。

そしてもし血栓ができていて、肺に飛ぶなど命の危険があるとすればこの初回歩行の時だということで、医師5人に見守られながら、ものすごい痛みの中なんとか歩きました。

何事もなく歩くことができ安心したのですが、傷の痛みが尋常ではなくこんなに痛むものなのかと先生に聞くと、

「通常は2種類の麻酔を使用して、術後もある程度痛みをコントロールできるのですが、血栓のある妊婦さんの場合その術後の痛みをコントロールする麻酔を使用できないのです。

だから、相当痛いと思いますが、無事でなにより!頑張って!!!」と言われました。 関連記事:順調だったはずの妊婦生活がガラリと変わった瞬間。32週の妊婦健診で緊急入院が決定!

私はお産で踏ん張り切れず、結局赤ちゃんに苦しい思いをさせてしまった自分が不甲斐なく申し訳なかったので、

今度こそ赤ちゃんのためにこの痛みに耐えて少しでも早く身体を回復させたいと必死でした。

退院前日、入院からずっと担当していただいた助産師さんにこう言われました。

「私は長く助産師をしてきて、たくさんのお産を見てきました。今回のお産でしみじみと感じたのは、出産方法や経過も大切だけど、お母さんと赤ちゃんが無事であることがいちばんなんだなということです。勉強になりました」

その言葉を聞いて、自分と赤ちゃんが相当危ない状況にいたんだなということをあらためて感じました。

妊娠・出産は本当に個人差のあることで、他の誰とも比べられないと思います。

ひとりひとりに、違った経験、思いがあって、そしてみんな命を懸けて産むんだなと実感した出産体験でした。

f:id:akasuguope01:20170226112617j:plain著者:meshu

年齢:43歳

子どもの年齢:2歳

不育症治療の果てに、待望の我が子を40歳で出産しました。妊娠中は深部静脈血栓を発症し長期入院、出産も緊急帝王切開で、まさに命がけになってしまいましたが、子どもを授かれたことは人生最大の喜びでした。更年期にさしかかりつつある身体に鞭打って、息子と日々楽しく暮らしています。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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