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国策クールジャパンの暴走、経済産業省主導で行う官民ファンド産業革新機構を使った法令無視の公金横流しスキームの実態(ヒロ・マスダのブログ)

官民ファンドには、活用推進に関する 関係閣僚会議で決められた「官民ファンド運営に係るガイドライン」というものが存在する。その中の「監督官庁及び出資者たる国と各ファンドとの関係 」の項目には「投資決定時における適切な開示に加え、投資実行後においても、当該投資について適切な評価、情報開示を継続的に行い、国民に対しての説明責任を果たしているか」とある。

2012年9月15日発行『IPマネージメントレビュー6号』のインタビューにて、ANEWの最高執行責任者黒川祐介氏(当時)は「ANEWは数年に渡る経済産業省の企画を経て設立された」と述べている。また『2012年5月15日内閣府コンテンツ強化専門調査会第10回』において、経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課課長の伊吹英明氏は、ANEWに設立に関し、ロサンゼルスに出張し現地エンターテイメント弁護士から聞き取り調査を行ったと答弁していることが記録に残っている。

これらの事実を根拠に、経済産業省に対して情報公開請求を行ったところ、経済産業省はANEW設立に関する公文書は確認できないと不開示決定を行っいる。これに対しては異議申し立て(現在審議中)を行っているが、経済産業省はそこで黒川氏、伊吹氏の発言は個人の立場で勝手に言っていることだとし、公文書の不存在を主張し、異議の棄却を求めている。

なお、産業革新機構が経済産業大臣に提出した『日本コンテンツの海外展開推進会社設立について』(2011年6月27日)の資料は開示されたが、産業革新機構のロゴ以外すべて黒塗り開示となっている。

経済産業省は「当該法人の競争上の地位その他正当な利益を損なうおそれがあると認められる」との理由を述べているが、そもそもANEWとは「ハリウッド映画化のノウハウを広く国内に還元する」という理由で公的資金出資が認められている会社でもあるため、この不開示理由も極めて矛盾したものである。

産業革新機構は、今回のFVC社への株式譲渡についてはその金額を非公表と発表した。

官民ファンドのガイドラインに国民に対する説明責任が明記されていながらも、現状は、映画企画開発では考えられない18億円以上赤字を垂れ流した経営の事実があろうが、公の金で作られたANEWについての設立経緯、経営状況、Exitに関する情報は一切開示されない。

たとえ、ガイドラインには「投資実行後における、適切な評価に基づく、各投資先企業についての財務情報、回収見込み額、投資決定時等における将来見通しからの乖離等の把握」とも定められているが、経産省はこれらに対し「公文書は作成も保有もしていない」を押し通した。

すなわち、官民ファンドとは、国は決められた国民への説明責任を蔑ろにし、官民一体で公的資金に関わる情報を完全ブラックボックス化できる非民主的制度になっている。

(2017年7月20日、8月13日加筆)

6月29日にFVC社は有価証券報告書においてANEW買収額がわずか3400万円であったと発表した。また、8月10日にはANEW子会社化による負ののれん発生益 2億3200万円を特別利益として計上したことを発表した。

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ガバナンスが効かない利益相反行政と経営体制による公金横流し

ANEWはこれまで7作品の「映画企画発表」を行っているが、配当はおろか、撮影に至った映画は0本である。この成果に18億円以上を費やしたという結果は、映画ビジネスの常識では考えられないナンセンスなものである。

こうした無秩序経営と国民財産の毀損を野放しにした原因は、上に示した通り、監督官庁の経済産業省が設立を企画、職員を出向させ、100%株主だった産業革新機構の上司と部下が代表取締役と社外取締役の関係で経営を行うなどを行った利益相反の行政と経営体制にあるといえる。

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