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BUCK-TICK、30周年SP野外ライブ開催「明日からも音楽と共に生きていけたら」

BUCK-TICK、30周年SP野外ライブ開催「明日からも音楽と共に生きていけたら」

 BUCK-TICKが、9月23日・24日の2日間、お台場の野外特設ステージでデビュー30周年を記念したスペシャルライブ【“THE PARADE” ~30th anniversary~】を開催、即日レポートが到着した。

 BUCK-TICKを祝うために集まった両日約20,000人のファンとBUCK-TICK、一対一で向き合ったその時間はとてもとても濃密な愛の応酬に酔いしれた至福の時間だった。

 FLY SIDEと題された初日は、初期BUCK-TICKロゴに始まり、デビュー当時から現在までを各時代のアーティスト写真で振り返るオープニング映像がスクリーンに映し出され、会場が大歓声に包まれる中、メンバーが登場。櫻井敦司(vo)が右手をひらりと下げて一礼すると、鳴り始めたのは高らかなマーチングドラム。PARADEの出発にふさわしい「STEPPERS –PARADE–」が一曲目を飾った。

 その後、新旧のステージを彩ってきたアップチューン「PHYSICAL NEUROSE」「独壇場 Beauty –R.I.P. –」「惡の華」と続くと、予想のつかない展開にイントロが始まるたびに驚喜の声があがる。その頃、夕暮れのグレーは徐々に闇を帯びて来ていて、ミディアムナンバー「蜉蝣 –かげろう–」のもつ憂いを引き立てる。両手を重ねて蜉蝣が羽ばたく様を表現した櫻井のパフォーマンスが、儚く美しかった。

 30年を総括する新旧織り交ぜたラインナップで構成されたステージでは、当時とはまた違う、より進化したパフォーマンスに圧倒させられた。終盤は、今井寿(G)のエキゾチックなギターソロから始まった「Django!!! –眩惑のジャンゴ–」、そして「MISS TAKE ~僕はミス・テイク~」とさらにテンションを高めたが、本編を締め括ったのは「夢魔 –The Nightmare」。それまでの至福ムードを一転させるような厳粛な世界観で会場を圧倒するBUCK-TICKらしいラストだった。

 アンコールでは、「MY EYES & YOUR EYES」「LOVE PARADE」の2曲を披露。惜しみない拍手と鳴り止まないアンコールに再びステージに登場すると、サイレンの音を切り裂くようにヤガミ・トール(D)が激しいリズムを打ち鳴らし、インディーズ時代のナンバー「TO–SEARCH」、「FLY HIGH」を続けて披露。「FLY HIGH」で沸き起こった大合唱に、「ありがとう、とってもいい声でした」と櫻井。そして「DIABOLO」で別れを告げると、「どうもありがとう。続きは今夜の夢でどうぞ」と、ステージを後にした。

 今井寿のギターイントロが飛び立つように軽やかに空に響いた2日目のHIGH SIDEは、この2日間のタイトルに掲げた「FLY HIGH」からスタート。30年前の瑞々しさを呼び起こすようなバンドアンサンブルやコーラスワークで、一曲目から心が踊る。「今夜もみんなが気に入る曲があればいいね。かなりの曲数なので人に任せました」と、選曲秘話を明かした後、「また素敵なラブストーリーを聴いてください」と始めたのは、『殺シノ調ベ』ヴァージョンの「ORIENTAL LOVE STORY」。

 デビューから今に至るまで、“愛と死”を表現し続けてきたBUCK-TICKだが、この2日間のメニューから感じ取れるのは深い愛情。“あなたに会えた喜びに心からありがとう”――「RENDEZVOUS ~ランデヴー~」の歌詞が今のメンバーからファンに向けられたメッセージだと感じたのは勝手な妄想だろうか。

 歌い終えた後、櫻井が短くも大切に放った「ありがとう」の言葉がズシンと心に響いた。「DADA DISCO –G J T H B K H T D–」から始まる後半戦も、個性豊かな楽曲郡が色濃い表情を見せる。星野のアコースティックギターが荒涼とした土の匂いを感じさせる「Coyote」、灼熱の太陽を思わせるラテンナンバー「Cuba Libre」では櫻井がカルメンを踊り、サビの大合唱で沸いた「CLIMAX TOGETHER」では、宇宙の果てまでいっちゃうレベルで一体感を生んだ。その後、初日の大ラスで披露した「DIABORO」で本編を締め括るのかと思いきや、この日のラストに披露されたのは「無題」。初日同様、一筋縄ではいかないセレクトに醍醐味を感じた人も多かっただろう。

 アンコールは、『殺シノ調ベ』バージョンで人気の「…IN HEAVEN…」「MOON LIGHT」。「…IN HEAVEN…」のエンディングから「MOON LIGHT」に切り替わる瞬間の恍惚感は何度味わってもたまらない。そして3曲目はPARADEの終わりを告げる「LOVE PARADE」。祝宴が終わってしまう寂しさを打ち消すように再びアンコールの掛け声が場内に響き渡る。再びステージに登場したメンバーは「STEPPERS –PARADE–」「Alice in Wonder Underground」と軽快なナンバーを披露した。

 満員のオーディエンスで埋め尽くされた会場を見渡しながら、櫻井は「昨日今日とお祝いをどうもありがとう」と感謝の言葉を述べた後、「30年前、ビクターの田中さん(※当時のディレクター、現サウンドプロデューサー)に声掛けしてもらって人生が、バンドが変わりました。そして、大好きな音楽をこのメンバー5人で今までやってこれて幸せです。みんなの楽しそうな、そして儚そうな笑顔が素敵です。明日からも音楽と共に生きていけたらと思います」と、今の心情を語った。そして「みんなで新しい世界へ行きましょう」と、ラストに贈ったのは「New World」。歌いながら、演奏しながら、まっすぐ前に指を差すメンバー。その指し示す場所は、この場所に集まった一人一人の明るい未来。

 一番最後にステージを降りたヤガミは、去り際に力強い言葉を残した。「まだまだやります!」。デビュー30周年をもってして、未だタイトルに“FLY HIGH”と掲げるBUCK-TICKの未来は無限だ。空にちかいこの場所で、彼らと一緒なら、まだまだ高く、もっともっと飛べる気がする。この日のドキュメントが流れるスクリーンを見ながら余韻に浸っていると、最後にメッセージが現れた。「次は今井寿のBirthday Nightで会おう」。今井のバースデーは10月21日。“THE DAY IN QUESTION 2017”の初日である。パレードは続くよ、どこまでも――。

TEXT:大窪由香
PHOTO:田中聖太郎

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