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WOMAN IN LA ISSUE : Interview with Shirley Kurata

NeoL_Shirley_ | Photograpy : Dan Monick NeoL_Shirley2_ | Photograpy : Dan Monick

アート、音楽、ファッションーーLAカルチャーが再び注目を集めているなか、NeoLではLAを拠点として活躍する女性クリエイターに焦点を当て、それぞれのキャリアや作品について、そして都市の魅力を聞く小特集を敢行。第ニ弾はスタイリストのShirley Kurataをピックアップ。

– LAではどんな仕事をしているの?

Shiraley「衣装/ファッションスタイリストよ。かれこれ20年以上になるわね」

– それは長い!LAでスタイリストとして働き始めたの?

Shirale「そうね。私は生まれも育ちもLAだから。パリに3年住んでファッションを学んでからLAに戻ってきたの。私の家族もLAにいるし、ここで働こうと決めたの」

– スタイリストを仕事として始めたきっかけは?

Shirale「ファッションが大好きで、小さい頃、本当はファッションデザイナーになりたくて。ファッションデザインを学んだけど、途中でファッションデザイナーとして働きたいかどうか分からなくなってしまったの。それでも、コスチュームデザインやスタイリングは好きになれそうと思うようになって。昔は、LAには今程ファッションシーンがなくて。当時のLAはテレビ番組や映画、セレブリティのスタイリングが全てだったから。その頃私は、テレビや映画業界の(ファッション)アシスタントをしながらどんな風にTV番組や低予算映画に携われるか学んでた感じね。でも今はそれが変わってきてて、LAはファッションがもっと溢れる場所になってきてるわよね」

– どんな人のスタイリングをしているの?

Shirale「たまにセレブリティーのスタイリングを任されることもあるけど、印刷物の撮影の仕事が多いかな。 RODARTEやPeter Jensenなどのファッションデザイナーと一緒に仕事をしたり、コマーシャルの仕事も今は度々やっているわ。そして、映画の仕事にもまた携わるようになってきたの。しばらく映画絡みの仕事をやっていなかったから、ちょっと恋しくなってきてたのよね。最近は短編映画などのスタイリングをやったりもしているわ」

– そういえば、サンダンス映画祭の審査員もしていたね。どうだった?

Shirale「そう、サンダンスで審査員をやったの。最高だった!すごく楽しかったし、本当に素晴らしい経験だったわ。審査員として、70作品位の映画を観なきゃいけなかったんだけど、その中からお気に入りを選ぶのはすごく難しくて。でも最終的に選んだお気に入りのトップ2は日本の映画監督の作品だったの。その中の一つ、長久允監督の『そうして私たちはプールに金魚を、』(英題は『AND SO WE PUT GOLDFISH IN THE POOL.』)という作品が短編映画部門グランプリを受賞したのよ。本当に素晴らしい映画よ」

– それらの映画を観たことで何かインスピレーションを得たりした?

Shirale「ええ、もちろん。映画は私のパッションの一つだから、ただただ映画を観るのが好きなの。特に古い映画が好きで、観なきゃいけない映画が本当に沢山あるのよ。普段は単館映画も好きで、日本の映画も大好き。なかでも、伊丹十三映画が好きで、『タンポポ』は本当にいい映画よね。三池崇史も好きだけど、彼の作品は本当にクレイジー!(笑) 鈴木清順の映画も好きで、60年代の作品かな。純粋にカッコいいのよ!

– 日本の映画を沢山観てるんだね。他の国の映画も観たりする?

フランス映画が大好きよ。それと、チェコスロバキアの映画も。すごくクールなの!面白そうであればなんでも観るわ。最近は特に、フランスの映画監督のÉric Rohmer(エリック・ロメール)にはまってるの。彼の人気のある作品は多分80年代に撮られたものが多いけど、彼の初期、60年代の作品を最近見始めたの。
ちなみに、LAにはThe Cinefamilyというすごく良い映画館があって、そこでは古い名作や新しい作品も上映しているのよ。いつも質の良いプログラムを組んでいて、去年はタンポポも上映していたの。大きなスクリーンで観ることができたのは最高だったわ」

– さて、お仕事の話に戻るけど、今の仕事のどんなところが好き?

Shirale「クリエイティヴな所が好き。もし個性を表現することができれば、普通の恰好をしていても構わないと思うけど、J.Crew.みたいなありきたりの衣装を見せるだけじゃないファッションエディトリアルに携わるのが大好き。この”人”は何を着るのか、どういったスタイルがはまるのか直感的に考えなくてはいけないわね。靴に足がフィットするような感じで、このキャラクターは何を着るか、その”人”に合ったものを考えなきゃいけないと思うの。たまにそうはならないこともあるけれど、ディレクターが「私もそう思う!」、そしてスタイリングした”人”も「これこそ私のキャラクターだ!」といった感じで、一緒に仕事をする人たちが同じ方向を見ながら物作りが進んで全ての結果が皆にとって納得のいくものが出来上がったときは、本当に気持ちがいいし、達成感も感じるわ」

– スタイリストの仕事について教えてもらえるかしら?

Shirale「仕事によりけりだけど、仕事の大部分は洋服を購入し、洋服でいっぱいの棚の中から衣装を決めて、現場に持って行って、それを戻して(返却して)。たまに、すごく変わった衣装を求められて、それが手に入らない時もあったりで、そういう時は、その衣装を作ったりもするわね。世の中の人達はこの業界がすごく魅力的な世界だと思っているかもしれないけど、実際、そうじゃないの。魅力的にもなり得るけど、この業界で働くのはすごく大変なの。大半の人は信じないけど、すごく体力が必要な仕事でもあるのよ。私はその部分についてはとても苦手で、今はアシスタントがいて助かっている時もあるけど、今だに大量の洋服を持って動き回らないといけない時もあるのよ。苦手だけど、やらなきゃいけないことだから。仕事を楽しむということは辛い部分もあるけど、すべてやり遂げなきゃいけないことだもの」

– 去年、東京に訪れたときに古着屋を回ったようだけど、何か面白い物を見つけた?

Shirale「お気に入りは沢山見つけたわ。なかでも伝統的なものが好きで、法被を沢山購入したの。東京でフリーマーケットにも行ったけど、すごく楽しかったわ。変わったものが沢山あったから。日本のビンテージは品定めがすごく良くて、日本の皆が何に興味を持っているのか垣間見れるのはとても良い機会。アメリカと全く違ったりするの。同じものに興味を持ってたりするけど、わぁ、これは考えたことなかった!と思わされることもあって。そういうものを、Virgil Normal(パートナーCharlie StauntonとShirley のセレクトショップ https://www.virgilnormal.com)のためにいくつか買って帰ろうか、ってなったり。東京を旅するのはいつも良いインスピレーションになるし、日本はいつもファッションの先端にあって、日本の人達が何に興味があるのか知るのはすごく勉強になるわ。でもたまに面白いこともあって、日本から仕入れたものを日本から来たお客さんがVirgil Normalで買って帰る、っていうパターンもあって。一つの商品がぐるぐる循環してる感じで。でも、ビンテージの世界ではよく起こることだと思う。80年代のスケートTシャツを探してた時、見つけるのが難しい上にLAだと値段もすごく高くなっちゃってて。でも高円寺に行ったら、大量にストックがあるのを発見したの!あぁ、日本に80年代のスケートTって全部あったんだ、っていう程沢山あった。こういうパターンもあるので、日本へ買い付けに行くのは必須なのよ」

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