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食育から縁結びまで。和モダンテーブルコーディネーター光田愛さんが語る、器が起こす変化《後編》

非日常の演出だったテーブルコーディネートを、毎日の食卓を美しくするためのものとしてアレンジした光田さん。

後編では光田さんの食への想いや、良い器を使うことで起こる変化など興味深いエピソードをたくさんお聞きしました。(前編はこちら

 

 

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「食べたくない」男の子がご飯を楽しむようになったぶどうのコーディネート

ちあき
テーブルコーディネートというと華やかさや非日常感をイメージされる方も多いと思うのですが、光田さんはこれまで一貫して日常的に使うためのコーディネートを提案されているんですね。

 

光田
はい。私がリアルな感覚を重要視しているのは、毎日の食事の場を大切にしたいから。

食事はただ胃を満たすためでなく、楽しむためにあります。その食事をより楽しいものにするために、テーブルコーディネートで素敵な空間を作るんです。

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数年前、「息子がご飯を食べない」と困っているご両親に会いました。

お子さんは4歳にしてはとても痩せていて、ご飯を嫌がったらヤクルトをかわりにすることもあるようでした。

食事の様子を見てみると、ご両親がお子さんを「早く食べなさい!早く!」と急かしていて。これではお子さんにとって食事が苦痛に違いない、だから食べられなくなったのだと分かったんです。

そこでお子さんに何とか楽しい食事を経験してもらいたいと思い、こどもたちを集めてテーブルコーディネート教室を開きました。

 

教室では、ぶどうや猫など様々な形のお箸置き、カラフルなお箸など、見るだけでも楽しい食器を集め、子どもたちにめいめい好きなものを選んで食卓をセットしてもらいました。

さきほどのお子さんはぶどうが好きなんだそうで、ぶどうのお箸置きを使って夢中になってセットしていました。そして完成したテーブルコーディネートにお料理をのせると、全てぺろりと食べてしまったんです。

私はびっくりしているご両親に、食事はまず一番に楽しい場にしましょう、そして自分のペースで楽しく食べてもらいましょう、とお伝えしました。一番大切なのは食事を楽しいと思えることですよ、と。

その後、ご家庭では息子さんの食器をぶどうのモチーフで揃えました。お子さんは毎日自分で食卓をセットして、どんどん食べるようになったそうです。

食事は楽しむもの、そのためにテーブルコーディネートを活用すること。このときの出来事を思い出すといつも原点に立ち返ることができます。

 

お子さんにも本物の器を。子どもの意識が変わります

光田
また、「子どもが壊すといけないから」と、小さなお子さんにはプラスチックの食器だけを使わせるご両親も多いと思います。お子さんが落としたり乱暴に扱ったりしても「割れないからまあいいや」と思うのではないでしょうか。

いちど、「これはお父さん、お母さんが大切にしているお皿だよ」と言って良い器を使わせてあげてみてください。

ご両親自身の器への扱い、また器の美しさや重量感は子どもにも伝わるもの。「このお皿は大切にしなければいけないんだ」という意識が芽生え、丁寧に食事をするようになるはずですよ。

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