世界的にも珍しい、インドの山奥にある不思議な「生きている橋」

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自然と人の行為の融合、インドの山奥にある神秘の〝生きた橋
(c)Sawako Suganuma

インドの北東部に、世界的にも珍しい橋があるのを知っていますか? ジャングルの奥深く、秘境ともいえる場所にあるこの橋は、生きた木の根を編むようにして作られています。見渡す限り緑の森の中、この橋が静かに息づく様子は、とても荘厳で神秘的ですらあります。この地に暮らす人々は、なぜこのような不思議な橋を作るようになったのでしょうか。

世界有数の多雨地帯、メガラヤ州のチェラプンジ

自然と人の行為の融合、インドの山奥にある神秘の〝生きた橋
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インド北東部は、バングラデシュを囲むような形で、細長い回廊地帯でインド本土とつながっているエリアのこと。近年まで入域に許可が必要だった州が多く、情報も少なく行きにくい場所でした。モンゴロイド系の住民が多く、インドのほかのエリアと比べて、かなり異質な文化が残る地域です。

「生きた橋」があるのは、このインド北東部にある7つの州のひとつ、メガラヤ州。お茶で有名なアッサム州の南側にあります。世界有数の多雨地帯であり、なかでもチェラプンジ(ソーラ)は、過去に年間降水量の世界最多記録を出したことがあるほど。実は、この降水量の多さが、生きた橋の形成に大きく関係しているのです。

橋までの長い道のり

「生きた橋」は、チェラプンジの約12km南西に位置するティルナという村から、徒歩で山を下った場所で見られます。

自然と人の行為の融合、インドの山奥にある神秘の〝生きた橋
(c)Sawako Suganuma

日本から訪れる場合は、デリーまたはコルカタから飛行機などでアッサム州のグワハティまで行き、そこからバスでメガラヤ州の州都シロンへ(所要約3時間)。さらにスモウという乗合バンでチェラプンジへ向かいます(約1.5時間)。チェラプンジからは乗合タクシーで20分ほど。そうしてやっとたどり着くティルナ村は、メガラヤ州の主要民族であるカーシ族が暮らすのどかな村です。

自然と人の行為の融合、インドの山奥にある神秘の〝生きた橋
(c)Sawako Suganuma

ティルナ村からは、森の中に延びる階段をひたすら下ります。しばらくすると膝はガクガク。段差が小さいこともあり、かなり足に負担がかかります。

最初の橋、シングルデッカー

ティルナ村から下ること約30分。山中の小さな集落のはずれに、最初の橋「ロング・ルート・ブリッジ」があります。その名のとおり長く大きな橋で、「シングルデッカー」とも呼ばれています。

自然と人の行為の融合、インドの山奥にある神秘の〝生きた橋
(c)Sawako Suganuma

この橋は、川の両端にあるインドゴムノキから長く垂れた気根を誘導し、それが育って結びつくまでの長い年月をかけて作られたもの。世界的な多雨地帯であるこの場所では、雨季には普通の木の橋は流されたり腐ったりしてすぐに使えなくなります。しかしこの木の根の橋であれば、年を経ることに成長し、固く強くなっていくのです。

ノングリアート村からダブルデッカーへ

自然と人の行為の融合、インドの山奥にある神秘の〝生きた橋
(c)Sawako Suganuma

シングルデッカーから、アップダウンの多い道を歩くことさらに40分。目指すノングリアート村にたどり着きます。幹の細いヤシの木が生えた山の斜面に民家が点在し、2軒のゲストハウスもあり旅行者の拠点となっています。

自然と人の行為の融合、インドの山奥にある神秘の〝生きた橋
(c)Sawako Suganuma

ノングリアート村の周辺にはいくつかの橋がありますが、最も見ごたえがあるのが村のすぐ近くの「ダブルデッカー」と呼ばれる橋。村人によると、下は作られてから180年、上は80年ほどの歳月がたっているとのこと。

車も入れない深い森の中で、静かに成長を続ける木の根の橋。緑に囲まれた幻想的な趣のこの橋は、雨量の多い地域で暮らす人々の知恵のたまものでした。

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