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【青はるまき】 平均年齢19歳の青春ポップロックバンド、 青はるまきがラブソングを歌う理由

静岡を拠点にしている4人組、青はるまきが2ndシングル「赤盤」をリリース。キーボードをフィーチャーしたパワーポップサウンドもさることながら、等身大のストーリーテリングもなかなかユニークだ。要注目のニューカマーにインタビュー。
L→R 花房(Ba)、あきやまさる(Vo&Gu)、あきら(Dr&Cho)、アンドリュー(Key) (okmusic UP's)
──青はるまきは2014年5月に高等専門学校の同級生で始めたバンドだそうですね。
あきやま
「コピバンから始めて、オリジナルをやるようになってから青はるまきになりました。進学や就職などでメンバーチェンジがあって、今のメンバーになったのがちょうど1年ぐらい前です。実は、とあるオーディションに応募した時はアンドリューと僕しかいなかったんですよ。でも、一次審査に通ってしまって…ライヴ審査を受けるために慌ててサポートしてくれてたあきらと花房を入れたんです。それがこんなに続くとは(笑)。」
あきら
「僕は違うコピバンをやっていたんですけど、青はるまきが学園祭の前夜祭で演奏したオリジナルを聴いて、すごいと思いました。さるさん(あきやま)が作る曲が好きで、バンドに入る前からリスナーとして“このバンドいいな”って。だから、メンバーになれて嬉しかったです。」
花房
「僕は別のバンドで青はるまきと対バンしたこともあって、存在は知ってたんですけど自分とは関係ないと思ってました(笑)。なのに、とあるライヴであきやまに会った時に、いきなり“ベースを探しているんだけど、やってくれない?”って言われて。最初は冗談だと思っていたら音源が送られてきて、スタジオの予約もされていてやるしなかった(笑)。でも、その後いろいろなところでライヴをやりながら1年間苦楽をともにしてきました。今は楽しいです。」
──アンドリューさんはいつ頃入ったのですか?
アンドリュー
「2年ぐらい前です。初代のキーボードが脱退したあと、キーボードを募集していたんです。それでスキルアップになると思って入って、そのまま辞めずに。」
あきやま
「何、その辞めなかっただけみたいな(笑)。 」
──あきやまさんは最初にコピバンを始めた時は誰の曲をコピーしていたのですか?
あきやま
「KANA-BOONの「眠れぬ森の君のため」とbuck numberの「花束」をやりました。buck numberがずっと好きで、「花束」にはキーボードが入っていたから“僕らもキーボードを入れよう”って。その後、映画の『ソラニン』を観て、僕たちもオリジナルを作りたいと思ってとりあえず作った曲が、あきらが学園祭で聴いたやつで、そこからオリジナルでやっていこうってなったんです。」
──他の3人はどんなバンドが好きなのですか?
あきら
「僕はRADWIMPSが中学生の頃から好きで、コピバンでもやってました。」
アンドリュー
「僕は親の影響でエアロスミスとかプリンスとか洋楽を聴いてました。もともとピアノをやっていたんですけど、始めたのが遅かったし、周りにいる上手い人たちと比べられるのが嫌で、シンセサイザーを弾こうと思ったんです。」
花房
「僕はそもそも音楽にも楽器にも興味がなかったんですけど…高校時代、軽音同好会の顧問に“部員がいなから頼むよ”って言われて、ベースを始めたんです。だから、もともと音楽を聴いていなかった分、好き嫌いなくいろいろ聴きました。レッド・ホット・チリ・ペッパーズとか、プライマスとか、シューゲイザーのバンドとか。そんな洋楽も聴きましたし、高校の同好会で組んだバンドではBOØWY、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、ART-SCHOOL、THE BLUE HEARTSの曲をやってました。いろいろ聴き漁って最終的に影響を受けたのは、ハヌマーンとか、バズマザーズとかでしたね。」
──それぞれにバックグラウンドが違うメンバーが集まっていますが、作詞作曲を手掛けているあきやまさんはどんなバンドをやりたいと考えているのですか?
あきやま
「今は同じ世代の人たちに響くポップなラブソングを作ろうと思っています。青い、青い、青い曲ばっか作る…最近はそれだけ考えているんですけど、そこからいろいろ経験していって、曲が変わっていけばいいかなと思ってます。」
──なぜ、ラブソングなのでしょうか?
あきやま
「書けないんですよ、メッセージソングが(笑)。辛い思いをしてきたわけでもないし、苦難を乗り越えてきたわけでもない。ぼちぼち恵まれた境遇にいるんです。だからって、ファンタジックな物語が思い浮かぶわけでもない…でも、青春とか、恋とか、愛とかだったらみんな一緒だと思うから、同じ目線で聴いてもらうならそれかなって。」
──いくつかオーディションにも参加しながら活動を続けてきて、これまで「青盤」「赤盤」という2枚のシングルをリリースしてきましたが、今、自分たちはどんなところに辿り着けたと考えていますか?
あきやま
「どこにライヴをしに行っても少なからず聴いてくれている人たちがいるんですよ。綺麗事に聞こえるかもしれないですけど、今は大勢の観客の前で歌いたいと望むよりも、そういうひとりひとりのお客さんの顔を見ながら歌うことを大事にしたいです。それが今の僕らの特権でもあるのかなと思います。」
──お客さんの数を増やしたいという想いは?
あきやま
「もちろん、あります。でも、これを続けていけばきっと増えていくし、今やっていることは間違いじゃないと思っています。ちゃんと良い音楽をやっているという自信はあるんですよ。」
──お客さんはどういう人たちが多いのですか?
あきやま
「同世代か年下。女の子目線の曲も多いせいか、中高生の女の子が多いですね。」
あきら
「女の子目線の曲のほうが多いからじゃないですか?」
あきやま
「男目線で書くとガチになるじゃないですか。本当に僕が思ってることになっちゃうというか、逆の視点から書くから気軽に聴いてもらえると思うんですよ。」
──今回の「りんご飴」がまさにそうですよね。女の子目線の歌詞が面白いと思いました。
あきやま
「男目線で書いたラブソングを歌うのが恥ずかしいっていうのもありますけど。」
──「りんご飴」も歌うにはそこそこ照れ臭い歌詞がありますけど(笑)。
あきやま
「でも、それは僕が思っていることじゃないから(笑)。そういうところから始まったと思うんですよ。女の子目線で歌詞を書くのは。」
──今回の「赤盤」に「りんご飴」と「愛のはじまり」の2曲を選んだのは、どんな理由からだったのですか?
あきやま
「僕ら、曲のアレンジがかなり変わるんですよ。今回の「りんご飴」もドラムフレーズが全然違ったんです。ライヴでやりながら改良を重ねて、完成しているのが今回の2曲だったんです。曲ってライヴでやってこそ育つと思うんですよね。」
──改良っていうのは、お客さんの反応を見ながら?
あきやま
「いえ、自分たちがどれだけ気持ち良く演奏できるかですね。そうじゃないとお客さんにも伝わらないと思うんです。だから、まず自分たちが一番楽しいと思える曲を届けたいんです。」
──前作の「青盤」の2曲と比べると、歌詞のストーリーがより具体的になってきましたね。
あきやま
「確かに、そうですね。ただ、たまたま今回の2曲が具体的なだけで。「青盤」の「青い春には巻かれとけ」は語感だけで作ってるので意味はめちゃくちゃだと思うんですけど、それでお客さんが何か受け取って、自由に何か思ってくれてもそれはそれでいいかな。曖昧な曲もあっていいし、具体的な曲もあっていいし、それが幅なのかな? とか言いつつ、最近作る曲はわりとひとつの設定で起承転結があるものが多いですね。」
──「愛のはじまり」は「りんご飴」で歌っていた“恋”が“愛”に育っていったことを思わせますが。
あきやま
「実は「青盤」に「プリン」という曲があって、それは別れたい、別れようという曲なんですけど、自分の中では、それを乗り越えての愛の始まりなんです。誰にも言ってませんけど(笑)。」
──「りんご飴」と「愛のはじまり」を聴きながら、演奏でも曲に込めた感情を伝えようとしているように感じました。演奏面ではどんなことを意識しているのですか?
あきやま
「ライヴではお客さんに対する感謝や、それに応えて“これからも頑張る”という気持ちを演奏に乗せたいと思っているんですけど、音源ではしっかりその歌の世界観を作ることを意識しています。」
アンドリュー
「変にアレンジを加えることで、曲を作ったさるさんの想いが伝わらなくなってもいけないと思うんですよ。だから、さるさんの作る世界観を尊重しています。」
あきら
「その上で他のバンドにはない個性的なフレーズを入れたり、変化を付けたり、曲としていかにカッコ良いと思ってもらえるものにできるかを考えました。曲を作る時は毎回そうなんですけど、打ち込みで作ったフレーズをさるさんと何回もやりとりしながら固めていくんですよ。」
あきやま
「今回、アンドリューは「りんご飴」のイントロのフレーズを200回ぐらい録ったんですよ。ドラムのリズムにシビアに合わせたり、フレーズの終わりもどうやって切るかいろいろ試したりして。」
アンドリュー
「おかげで3キロ痩せました。」
あきやま
「腕しか動かしてないのに(笑)。」
──花房さんは2曲とも随所随所で動くフレーズを入れていますね。
花房
「イントロはさるさんが作ったフレーズを活かしていますけど、サビやギターソロの前の微妙な間に自分の個性を意地でも入れたいんです。僕が考えたイントロのフレーズが却下された時は特に。“別の場所でねじ込んでやろう”と思います(笑)。フレーズを考える時は、さるさんと言い合いになることが結構多い。でも、それが良い刺激になっているんですよ。」
あきやま
「やっぱり言い合わなきゃ。お互いに妥協しちゃダメですからね。」
花房
「フレーズを作る時はそんなふうにバチバチやるんですけど、レコーディングは無の境地で。雑念が入るとダメなんですよ。ライヴもそうなんですけど。」
あきやま
「ライヴと言えば、この間、僕のMCがダメだったみたいで、ライヴ直後に“今日のMCクソっす”って花房に真顔でキレられて。そのまま車の中でミーティングするっていう(苦笑)。でも、そこでバンドとして固まった感はあるのかな。」
花房
「あれで打ち解けた感じはありましたね。」
──今後はどんな活動をしていこうと考えていますか?
あきやま
「とりあえずは、8月のツアーで吸収したものをアウトプットしながら曲を作ります。作って、練って、そこからいい曲を選んで…ライヴでやったり、リリースしたりできるように曲を作り貯めたいですね。」
取材:山口智男
シングル「赤盤」
2017年8月9日発売

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