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登山者の安心と快適のために——尾瀬で携帯電話が使えることの意義

尾瀬の山小屋内で携帯電話が使用可能に

ミズバショウやニッコウキスゲといった湿原植物をはじめとする豊かな自然が残り、“天上の楽園”とも称される尾瀬。その自然の希少性から、国立公園、国の天然記念物、ラムサール条約湿地に指定・登録されている。


湿地帯を縫うように続く木道と、その脇にミズバショウが美しく咲き誇る様子は、尾瀬を象徴する光景だ


尾瀬のハイキングの適期は6月から10月。冬は深い雪に閉ざされる

尾瀬と言えば、日本の自然保護活動の先駆的試みを続けてきたことでも知られている。1960年頃に巻き起こった尾瀬ブームでは、湿原が踏み荒らされ荒廃するなど環境の危機に直面したこともあったが、木道の敷設、山荘や公衆トイレへの浄化槽設置などのインフラ整備、全国の観光地に先駆けて登山者へゴミ持ち帰りを呼びかけるといった啓蒙活動が積極的かつ継続的に行われてきた。

そんな尾瀬は、現在もほとんど携帯電話の電波がつながらない、全国でも珍しい地域だ。新たな構造物の建設が難しい国立公園であることに加え、携帯電話が利用できることにより希少動植物への影響、歩きスマホによる事故、及び尾瀬の静かな景観を損ねることが懸念され、今まで携帯電話の電波が届かないエリアとなっていたためである。

かねてからKDDIは、懸念される景観を考慮しつつ、登山者の利便性の観点で、尾瀬国立公園で携帯電話が使えるようにしたいと関係各所に打診しており、2017年3月に開催された関係者が集まる尾瀬国立公園協議会において、山小屋やビジターセンターの建物内での通信とし、利用状況をモニタリングすることを条件に、関係者間で合意形成が図られた。

KDDIの担当者によると、今回の尾瀬の通信エリア対策にあたって、現地へ何度も足を運び、電波状況調査を繰り返したうえで、屋内用のアンテナを各山小屋など建物内に設置。無線機のような重いものはヘリコプターを使って運搬した。


ヘリが搬送できる重量に限りがあるため、数回に分けて搬入を行った


山小屋間の離隔確認にはドローンを利用した


今回の対策は、衛星を使って山小屋にて携帯電話を利用できるように対策を実施した。衛星からの電波を受信出来るところが限られており、アンテナ設置場所の選定、方向調整に苦労した

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