2017年のカレートレンドは「スパイスカレー」で決定らしい

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皆さん、ご存じですか?

2017年のカレー界のトレンドは、「スパイスカレー」だそうですよ!

しかし、この「スパイスカレー」。

実のところ、いまいちどんなカレーなのか把握できていないのが本音です。

最近よく耳にはするけれど、ぶっちゃけ「スパイスカレー」って何なの!?

具体的に、どんなカレーのことを「スパイスカレー」と呼ぶの!?

とにかく漠然としていて、謎が多すぎる「スパイスカレー」……。

今回は、今後のカレー界を揺るがす存在にもなり得そうな「スパイスカレー」の謎に、徹底的に迫ります。

カレー総合研究所の所長に教えてもらう

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とにもかくにも、「スパイスカレー」に詳しい人に話を聞かなきゃ始まらない。

というわけで、カレー総合研究所の所長の井上岳久さんに突撃取材を敢行!

「スパイスカレー」っていったい何なのか、その正体を教えてくださいよ。さあ! さあ!

――とりあえず、「スパイスカレー」って、何をもって「スパイスカレー」と名乗ることができるんでしょうか? まずはその定義を教えてもらえますか?

f:id:Meshi2_IB:20170729213230j:plain正直なところ、これといったルールはないんです。好き勝手にスパイスを使って、おいしければそれでいいというのが特長というか……。

――ま、まさか「定義がないのが定義」ってやつじゃ!

f:id:Meshi2_IB:20170729213230j:plainそのまさかですね(笑)。そもそも、「スパイスカレー」の発祥は、大阪の元バンドマンなんです。彼のやっているお店で出していた、既存のカレージャンルに当てはまらないカレーが「スパイスカレー」の源流になったんですよ。だから、現在「スパイスカレー」の中核をなすお店も、店主がバンドマンやクリエイター出身であることが多い。要は本職の料理人でない人たちの作り出した自由な発想のカレーってことです。

POINT① スパイスカレーは、大阪のバンドマンが発祥のカレーだった。

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――スパイスどころか、料理の勉強もしていない人たちが作っていたカレーだったんですね……。それが何故こんなトレンドになるまでに成長を遂げたのでしょうか。

f:id:Meshi2_IB:20170729213230j:plain例えば、インドカレーなんかはきっちりとスパイスの配合や作り方のルールが決まっていますよね。要はインド人の口に合うカレーとして作られているんです。そこ行くと「スパイスカレー」は、店主が日本人である自分たちの口に合うカレーとして作るので、スパイスも好き勝手に使えるんですね。それが逆に、スパイスになじみのない日本人とのマッチしたんだと思いますよ。

――具体的にはどういうスパイスの使い方をしてるんですか?

f:id:Meshi2_IB:20170729213230j:plainカレーの本場では、最初に油で炒めるスタータースパイスはホール型のスパイス、煮込み段階にパウダースパイスを使います。「スパイスカレー」では、スタータースパイスにもパウダーを使うし、一晩寝かせてからスパイスを投入することもあるし、食べる直前に大量のパウダースパイスを振りかけるなど、インドカレーの定石では考えられない使い方を開発しています。だからこそ、「スパイスカレー」は日本人でもスパイスが楽しめる味になるんですよ。

POINT② 本場のカレーでは考えられないほど、スパイス使いは好き勝手でよし!

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――とはいえ、最低限「これは盛り込むべき!」みたいなルールはありますよね? こういう野菜を入れようとか、必ず使うべきスパイスとか……。

f:id:Meshi2_IB:20170729213230j:plain野菜と一緒にワンプレートにして、栄養バランスを良くすることでしょうか。日本のもともとのカレーは、野菜が煮込んで溶けてしまうので、野菜たっぷりというイメージが薄くなっています。「スパイスカレー」には、サラダや副菜などが添えられていることが多いので、カレーを敬遠しがちな若い女性にも好まれやすいのです。スパイスについてはもう自由なので、基本は何でもかんでも入れちゃっていいんですよ。

POINT③ 「スパイスカレー」は、野菜を添えてワンプレートで食べるべし!

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――「スパイスカレー」……。プロの料理人じゃなくても作れるなら、私も作ることってできますかね。なんか、興味が湧いてきてしまいました。

f:id:Meshi2_IB:20170729213230j:plainいいですね! 実は「スパイスカレー」の特長のひとつに、家庭料理としても作りやすいことが挙げられるんですよ。ルールやセオリーがない分、自宅でも新しいカレーが創作できるんです。とはいえ、何も知らない状態でレシピを考えるのは大変でしょうから、実際にお店で出してる「スパイスカレー」を一度食べてみてはいかがですか?

――おお! 食べてみたいです! お店を紹介してくださいっ!!

「東京スパイスカレー」を食べて、「スパイスカレー」の極意を学ぶ

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「自分でスパイスカレーを作るには、ちゃんと『スパイスカレー』を味わっておくべき」

井上さんからのアドバイスを受け、最先端の「スパイスカレー」を味わいにやって来ましたよ。2017年7月から1カ月限定で出店していた「カレー大學 銀座食堂」の「東京スパイスカレー(あいがけ)」をね!!

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見てくださいよ、このフォトジェニックさ!

黄色をベースに、パクチーの緑やミョウガのうすいピンク、にんじんのオレンジなどカラフルで美しい。しかもキーマ系のお肉たっぷりカレーとサラサラ系のカレーのあいがけで、これまた絶品!

この2種にさらに付け合わせの野菜をいろいろ混ぜ合わせると、ぜんぜん飽きが来ない。ペロリと平らげてしまいました。

やばい、「スパイスカレー」、おいしすぎる!!!

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この「スパイスカレー」を開発したのは、「カレー大學 銀座食堂」のメインシェフであり、「スパイスカレー」の研究家でもある山崎三芳さん。

なんと、「スパイスカレー」を作るにあたってのポイントを教えてくださいました!

――とても先ほどいただいたカレーには及ばないとは思いますが、自宅で作る上で何かアドバイスをいただければ……。

f:id:Meshi2_IB:20170729212244j:plainスパイス使いに関しては、パウダー状のものとホール状のものをあえて同時に使ってみると面白いと思いますよ。また、食感の違うカレーを2種あいがけするのも、「スパイスカレー」の王道ですね。 f:id:Meshi2_IB:20170729172155j:plain

――な、なるほど。あと、盛りつけはどうしたらいいですか? 自分で作ると精進料理みたいな地味な見た目になることが予想されるので……。

f:id:Meshi2_IB:20170729212244j:plainそうですね……「スパイスカレー」は、なんといってもSNS映えする鮮やかな見た目が大きなポイントになるんです。盛り付けは原色が基本。カレーは茶色がベースなので、ごはんをターメリックで黄色にして、付け合わせにキュウリやパクチーなんかで緑を入れて、トマトで赤を入れるとか。それだけである程度キレイなものはできると思います。要は、色の配分が大事なんです。 f:id:Meshi2_IB:20170729172202j:plain

――うっ……色彩感覚に欠ける私にはもしかして難しいのでは……。

f:id:Meshi2_IB:20170729212244j:plain優先順位として、1番目に色の配分、2番目に形を意識しましょう。あと、ボリューム感も必要ですね。皿にもよりますが、縦に高く盛り付けたり、高さを出すものをカレーの下に置いてみたり。ライスをラウンド型に盛り付けたりすると、だいぶ変わると思います。 f:id:Meshi2_IB:20170729172209j:plain

――すごく良いことを聞いた! なんか、それはできそうな気がしてきました!

f:id:Meshi2_IB:20170729212244j:plainあと、これは私の場合ですが、どの方向から見て欲しいかという点も気にしています。普通にお食事する場合は、横向きから見た方が見栄えはします。ただ、今でいうSNS映えするのは真上から撮った見た目なんですよ。どこから見られたいか……その辺も意識するといいんじゃないかと思います。

――ありがとうございます! やってみます!

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というわけで、井上さんのお話と山崎さんからのアドバイスを参考に、私がまとめた自宅で作る「スパイスカレー」のポイントはこの3つ。 ルーは2種類のあいがけで食感に変化を 「スパイスカレー」は盛り付けが命。ライスと付け合わせでカラフルに 「SNS映え」を意識して、上から見るとおいしそうなカレーにする

不器用でセンスなし大王の私としては、不安要素が多いですが、が……頑張ります!!

オリジナルの「スパイスカレー」を作ってみる

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ついに私のオリジナル「スパイスカレー」の調理が開始になります!

とりあえず、ライスを炊くところからスタート。

ターメリックで炊いて鮮やかな黄色にしてみました。カラフルを意識!

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さらに付け合わせとして、2色のパプリカでピクルスを漬けてみました。

耐熱容器に入れたピクルスを1分間レンジで加熱。

さらにお酢と水を100mlずつ、そこに砂糖と塩を入れたピクルス液に漬けて3分間レンジで加熱。

その後はピクルス液のままビンに入れて、30分放置すれば出来上がり。

常備菜にもなるので、オススメです。

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そしてもう一つ、彩り要員としてミニトマトのローストも追加。

半分に切って、平らな面をフライパン側にして並べ、火をつけてふたをします。

トマトが汗をかいてきたら、ひっくり返して出来上がり。

生のままより甘みが増すのでカレーとの相性もバッチリなはず。

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カレーは2種類作ります。

まずは、手羽元チキンのサラサラな「スパイスカレー」。

みじん切りにした玉ねぎ(1個)をサラダ油できつね色になるまで炒め、刻んだにんにくとしめじを加えます。

手羽元(6本)を炒めて焼き色がついたら、水(1,000cc)とヨーグルト(100g)とトマト缶(200g)を加えて15分煮込みます。

いちど火を止めて、市販のカレールーを半分入れたら再び過熱して5分ほど煮込みます。

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食べる直前に、クミンシードとカルダモンパウダーをたっぷりIN!

ブラックペッパーも加えて、スパイシーに仕上げます。

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もう一種はジャガイモたっぷりのキーマ風「スパイスカレー」。

ひと口大に切ったじゃがいもをレンジで5分ほど加熱して柔らかくしておきます。オリーブオイルで挽き肉(200g)を炒め、色が変わったらジャガイモを加えます。

いちど火を止めて、カレールーをひとかけら入れて、ヨーグルト(100g)で溶かしながら再び炒めます。

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出来上がりの直前にコリアンダーをたっぷりかけて、もう少しだけ炒めたら出来上がりです。さて、ここからがもうひと山。

スパイスカレーの命である盛りつけに入ります。

オリジナルの「スパイスカレー」を盛り付ける

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山崎さんにも言われたように、高さを意識!

あいがけなので、ターメリックライスを皿の真ん中にラウンド型に盛ります。

さらにローストミニトマトを飾って、微妙に高さをつけました。

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サラサラ側に、パプリカのピクルスを添えて華やかさを!

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キーマ側にはパクチーを添えて、緑色を追加!

ここまで飾れば、SNS映えする見た目は確保できたのではないでしょうか。

そして、私の作ったオリジナルの「スパイスカレー」の全貌はこちら!!

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……び、微妙……!!!!!!!!!!!!

根本的なセンスの無さがこれでもか! ってくらい表れてますね……。

あれ~……どうしてこうなった?

おかしいな……アドバイス通りに作ったのに……。正直言って、猛省しなきゃなりませんが……この見た目は、ない。

確かにカラフルではあるんですけどね……なんだろう、具の大きさのバランスとかかな……。いや。でも、大事なのはお味ですよ。うん。そうですよ。

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まずはキーマスパイスカレーの方から。ターメリックライスにキーマスパイスカレーとローストミニトマトを乗せて……。

パクッとひとくち食べたところ、ビックリです。

これは……おいしいんじゃない!?

コリアンダーが、すごくいかされてる! ベースのキーマはかなりマイルドに作ったのですが、スパイスが入ることでシャキッとさえた味に。

生パクチーでさらに追いコリアンダーしてもいいですね。

しかしすごい。

スパイスって、改めてすごい。

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続いて、サラサラの「スパイスカレー」の方は……。

これもまた、すごくおいしい!

トマトベースのカレーとクミン・カルダモンのタッグが、オリエンタルな風味を醸し出してます。パプリカのピクルスとの相性がね、これまた抜群。

あ~、おいしいわ。「スパイスカレー」。

いや、これが井上さんや山崎さんに、「スパイスカレー」と認めてもらえるかどうかはちょっとわかんないけど。こんなド素人が思いつきで作ってみても、それなりのものが出来たのはうれしい。

「スパイスカレー」、好きになっちゃう。

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というわけで、2017年のカレートレンドが「スパイスカレー」という説に、もう異論なし!

今後は推進派として、「スパイスカレー」の動向を逐一報告させていただきたく思う次第です。現在は大阪を中心に盛り上がっており、東京にはまだまだ店舗も少ないようですが、ビッグウェーブはもうすぐそこに来ているはず。

2017年だけのトレンドとは言わず、カレー界の一角を担う存在になって欲しいと思います。

カレー総合研究所ホームページ

www.currysoken.jp

※この記事は2017年8月の情報です。

書いた人:西たまお

西たまお

大学在学中より映像ディレクターを志したものの2年で挫折。その後は映像制作会社で宣伝を務めた後に、広告代理店に社内ライターとして勤務。2016年より独立し、フリーとなった。主にWEBサイトで健康や食に関するさまざまな記事を執筆中。ちなみに現在は、プロフィール写真から30キロくらい太っている。 Twitter:@nishi_tamao_

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