体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

「スポーツものを書くとは思っていなかった」近藤史恵さんインタビュー(3)

エンタメ
「スポーツものを書くとは思っていなかった」近藤史恵さんインタビュー(3)

出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!

 第51回目の今回は、新刊『キアズマ』(新潮社/刊)を刊行した近藤史恵さんです。

 『キアズマ』は人気シリーズ、「サクリファイス」シリーズの最新刊ですが、これまでの作品とは違い、舞台は大学の自転車部。作風も変わり、近藤作品の新しい魅力を感じることができます。

 この変化も含めて、『キアズマ』はどのように書きあげられたのか。近藤さんにお話を伺いました。最終回の今回は「サクリファイス」シリーズの今後について。一体どのような展開が待っているのでしょうか。

■「スポーツものを書くとは思っていなかった」

―ミステリ作家というイメージが強い近藤さんですが、実際はかなり幅広いジャンルの作品を書かれています。ご自身の作家としてのルーツはどのあたりにあるとお考えですか?

近藤「小説を書くようになったきっかけは、高校3年生から大学生くらいの時に盛り上がっていた新本格ミステリを読んで、自分でも書きたいと思ったことです。真実がわかった時に世界が一転するような感じが好きで、当時は夢中になって読みましたね。

『凍える島』のトリックとかお話の構造が思い浮かんだ時に、そのままにしておくのはもったいなくて、形にしてみよう思ったのが直接のきっかけだと思います。もちろんそれでデビューできるとは考えていませんでしたけど。

読む方についてはファンタジーっぽいものとか耽美的なものが好きだったりします。読者として好きなものと自分が書いているものには乖離がありますね」

―今おっしゃったデビュー作の『凍える島』はミステリでしたが、そこから徐々に作品の幅が広がっていきました。

近藤「そうですね。正直に言うと、ミステリはあまり向いていないんじゃないかと思うことがあって(笑)

きっちり論理立てて謎を解いていくのは結構難しくて、そこにこだわりすぎると不自然さが生まれますし、書くものも広がりません。そういうミステリの不自然さも愛してはいるんですけど、そこだけ浮いてしまうのは小説としてどうなのかな、というのもありました。それで、ミステリ的な仕掛けを残しつつ、ミステリ仕立てではないものを書いていきたいと思うようになったんですけど、スポーツものを書くなんて当時は考えていませんでした。

このシリーズで言うと、『サクリファイス』はミステリですし、『エデン』もそういう要素が多かったのですが、『キアズマ』はほとんどミステリ色がないですね」

―デビューしたのが24歳と、かなり若いうちから作家として活動されてきた近藤さんですが、小説家になってよかったと思うことはどんなことですか?

近藤「人間関係に煩わされることが少ないことと、朝が遅くても誰にも怒られないことですかね…。毎日顔を合わせる人がいないっていうのは、私はすごくありがたいんです」

―毎日同じ場所に通って、同じ人に会うというのが苦手なんですね。

近藤「あまり得意じゃないですね。会社で働いた経験は1年ちょっとなんですけど、人間関係で結構ストレスが溜まったりしていたので、一人で仕事する方が向いているなと思います」

1 2 3次のページ
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
GetNews girl / GetNews boy

オスカー2018年晴れ着撮影会