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【ネット婚活】【新連載:山崎元の男と女の婚活経済学 6】「出産」の年齢を巡る大問題

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【ネット婚活】【新連載:山崎元の男と女の婚活経済学 6】「出産」の年齢を巡る大問題【ネット婚活】【新連載:山崎元の男と女の婚活経済学 6】「出産」の年齢を巡る大問題【ネット婚活】【新連載:山崎元の男と女の婚活経済学 6】「出産」の年齢を巡る大問題

女性のキャリア・プランの重点は「結婚」よりも「出産」

転職12回という少し珍しい経歴のせいで、筆者はキャリア・プランニング(「職業人生設計」とでも訳しておこう)について、本や原稿も書いてきたし、質問を受けることが多いが、キャリア・プランニングに関するテーマの中で、特に難しいと思うのは、女性のキャリア・プランニングだ。問題は、「結婚」と「出産」にある。

一般に、女性の場合、男性よりも「結婚」によって生活形態が大きく変わる事が多いし、「出産」は体力と時間の上で大きな負担であると同時に、こちらも生活を大きく変える要素だ。

それでは、キャリア・プランニング上、「結婚」と「出産」とどちらがより重要な問題なのか。筆者は、「出産」の方が本質的に大きな問題なのではないかと考えるようになった。

端的に言って、「合わない」配偶者と別れることは何時でも出来るが(それでも離婚には結婚の何倍ものエネルギーが要るが)、出産と初期の育児は肉体的にも大変だし、親子関係は取り消すことが出来ないのだから、出産こそが重要だ。

しかし、多くの場合、「結婚」が「出産」の前提になるので、先ず「結婚」から考える方が多いのではないだろうか。だが、人生設計上の重要性は「出産」の有無とタイミングの方が上回るように思う。

しかし、「出産」のタイミングは、その前段階である「結婚」も含めて、意図的且つ正確にコントロールすることができないので考えにくい問題だ。出産を望んでも結婚できていなければ難しいことが多いし、結婚していても、望むタイミングで子供を授かるとは限らない。

しかし、考えにくい問題は、考えずに済ませたいという心理が働くことが、女性のキャリア・プランニングを、正解から遠ざけているように思う。計画というものの一般論でもあるが、大まかで曖昧でもいいから、より大事な問題から考えるべきなのだ。

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出産の総合的「コスト」

家計にとって、そして、もちろん女性自身にとって、「出産」の総合的なコストは大変大きい。金銭的、肉体的なコスト以外に、働いている女性であれば、仕事に100%関わることが出来ないことに伴う収入の減少や、仕事上の経験を放棄する事のコストもあるだろう。

仮に、物事がかなり順調に推移したとしても、出産の直前の時期には十分仕事が出来ないだろうし、産後のしばらくの間は主に母親が子供に関わることが一般的だ。「通常の仕事を100%」は出来ない状態が、おおよそ2年くらいある、と見積もっておく必要があるだろう。

この「子供一人当たり2年間」を、自分の人生のどの時点に持って来るのかが、女性のキャリア・プランニングを含む人生設計のポイントになる。

仮にピンポイントで決めることが出来るとして、読者は、25歳と35歳のどちらの年齢で第一子を出産するのがいいとお考えだろうか。現実にそれが、出来るか・出来ないか、ということが不確定的なので考えにくいかも知れないが、仮定の問題としてならどちらがいいか、自分の人生なのだから、この価値判断なら出来るだろう。

筆者なら、35歳よりも25歳で第一子

当たり前の話だが、筆者は女性ではないし、出産の経験がない。従って、想像の上で計算と価値判断をしなければならないのだが、例えば、自分が、自分に取って好ましい仕事をしていて、安定的な企業に勤めている女性社員だと仮定するなら、「35歳で、第一子出産」よりも「25歳で、第一子出産」の方を取りたいと思う。

理由は複数ある。

最も重要な理由は、「35歳からの2年間」の方が「25歳からの2年間」よりも、より重要な仕事に関わっている可能性が大きいことだ。「出産」を通じて、仕事に空白期間を作る場合、25歳からの2年間の方が、放棄する仕事の価値が小さい可能性が大きい。ある選択をすることによって、放棄する最大の利益のことを経済学では「機会費用」と呼ぶが、若い頃の出産の方が機会費用が小さい場合が多いように思われる。

もちろん、これは人の状況や職業によって異なる。自分の仕事が、スポーツや芸能関係のような若い年齢に稼ぎと経験の価値のピークがある職業なら、20代出産ではなく、30代出産が妥当な場合が多かろう。しかし、金融関係や商社のような事務的、対人交渉的なオフィス仕事に就いている場合、25歳で出来る仕事よりは、35歳で出来る仕事の価値が大きいだろうし、職場も後者の社員により大きく依存しているだろう。

もう一つの要素としては、25歳の方が体力がある。出産は身体に大きな負担が掛かるイベントだし、その後の初期の育児にも体力が必要だ。出産からの回復についても、育児でどの程度無理が利くかに関しても、35歳よりは、25歳の方に軍配が上がるだろう。

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子供、特に第一子を産んだ時とその後の育児は大変だったとは、多くの女性から聞く話だが、30代後半以降に産んだ方の話が、「あの頃は本当に大変だったし、あの後に、がっくり体力が落ちた」といった話が多いのに対して、20代出産組は「あの頃は本当に大変で、無我夢中だった」というにとどまるケースが多い。つまり、後者は、実感として体力を十分回復しているようなのだ。

今回とは別の機会に論じる予定の「夫の側の重大問題」として、妻に「ワンオペ育児」を強いてはならない、という問題があるのだが、出産・育児に伴う体力的なダメージの回復が、若い年代の出産の方が順調であることは、考慮に入れて置きたい。

加えて、現実には、子供が希望通りのタイミングで授かるかどうかは不確実だ。残念な事実だが、年齢が上がるほど、残り時間は短くなる。いつかは子供を持ちたい、ということに人生の目標の一つを置いている場合、早くから取り掛かる方が目標を達成できる可能性が大きくなる理屈だ。

特に仕事が良く出来る女性の場合、仕事に空白を作りたくないと思いながら歳を重ねて、30代に後半に差し掛かってから、「子供を産むとしたら、可能なのはあと○年だ」という時間的な制約に突然気づく場合があるようだ。

歳を取ってからの重要ポイント

最後に、若い方が気づきにくい、もう一つ別のポイントをお伝えして置こう。それは、早く子供を産むことで、早く子供が大人になることに起因する。たとえば、40代後半になって、読者が夫婦関係に不満を持った時、あるいは「より前向きに」(と言い切っていいのかどうかは、微妙だが)新しい恋愛に出会った時に、「やり直し」が容易だということだ。世の中に、「子供が未だ十分育っていないから」という理由だけで離婚を我慢している夫婦は数多い。人生にとってはつまらない制約要因だ。

もちろん、歳を重ねて夫婦仲が良いのは大いに結構なことだ。この場合も、子供が早く独立すると、夫婦は充実した時間を過ごしやすいだろう。

加えて、「子供から早く手が離れている」という状態は、人生が延びて、セカンド・キャリアの問題がより重要になっている今日、高齢期の人生設計をする上でも有利な材料だ。いわゆる定年が近い年齢になると、「子供が仕上がっている人」を大変羨ましく感じるものだ。子供の負担から解放されていると、人生の選択肢が広い。 著者プロフィール

【ネット婚活】【新連載:山崎元の男と女の婚活経済学 6】「出産」の年齢を巡る大問題

山崎 元

(やまざき はじめ)

1958年、北海道生まれ。

東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。 現在は、コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演、各種委員会委員等を務める。

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