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アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ【旅先での出会い】

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「彼女」との出会い

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
忘れもしない、「彼女」と出会ったのは、2年前にイスタンブールで泊まったホステルでした。以前トルコを訪れてすっかり魅了された筆者は、5ヵ月に及ぶアジア横断旅行の最終目的地にトルコを選んだのです。

巨大なスーツケース2つとバックパックを抱えて宿にたどり着いた彼女。「いったいどうやってここまで来たんだろう」と思うほどの大荷物に仰天させられました。

さらには、真っ青なトップスに鮮やかな刺繍入りの黄色のスカート、バックパックは花柄という目がチカチカしてしまいそうなビビッドなファッション。ひと目見たときから彼女という人物のインパクトは絶大でした。

パキスタン生まれ、アメリカ育ちの「ノシュ」

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
(C) Noshu

彼女のニックネームは「ノシュ」。パキスタンで生まれ、7歳のときに両親と妹とともにアメリカに移り住みました。母国であるウルドゥー語と英語、スペイン語を巧みに操るトリリンガルで、出会った当時は25歳でした。

彼女も筆者同様、旅することが大好きで、アジアを周遊するためにやってきたのだそう。巨大なスーツケースの中身は、旅の道中で立ち寄る祖国パキスタンの親戚や知人のためにアメリカから持ってきたお土産がぎっしり詰まっていることが判明しました。

一週間、旅路を共にすることに

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
ノシュはいつもオープンで、よく喋り、大声で笑います。おとなしそうと思われがちな筆者とは一見正反対といってもいいタイプ。でも、表面的なものを超えてお互いに共鳴するところがあったのでしょう。急速に打ち解け、その日からともに一週間、トルコを旅しました。

普通、知り合ったばかりの人と人生論のような深い話をすることはなかなかないものです。ところが、彼女と一緒にいるとなぜかすぐにそんな話に発展し、お互いの考え方を尊敬し合うようになりました。

「私は自分自身を愛しているの」

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
ノシュと時間をともにして驚いたのは、彼女は自分のことが大好きで、「私は自分自身を愛しているの」とはっきり言うことです。日本では、いえ海外でもそれまでそんな人に会ったことはありませんでした。

「自分を愛している」と断言するなんて、女優やモデルのように特別な美人であるとか、特別な才能があるとか、何か突出したものをもっていなければ、なかなかできないことだと思っていたような気がします。

でも、彼女が自分を愛しているのは、人よりもどこかが優れているがゆえの優越感からではなく、「自分らしさ」を大切にし、ありのままの自分を受け入れているからなのです。

どんな環境でも自分らしさを貫く

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
(C) Noshu

アメリカといえば「移民の国」「多民族国家」というイメージがありますが、ノシュが暮らしているのは南部のテキサス州。保守的な土地柄で、パキスタンからの移民というマイノリティである彼女にとって生きやすい環境ではないそうです。

通りすがりの見ず知らずの人から、服装や体型について心無いことを言われた経験も一度や二度ではないとか。おそらく、彼女が白人でないために、それらが余計に目立って見えるのでしょう。親にも、「もっとちゃんとした格好をしなさい」と何度も言われてきたそうです。

それでも、彼女は自分が大好きなファッションを楽しむことをやめません。アートが好きな彼女は、自分自身をキャンバスのように考えているからです。筆者がトルコで出会ったときは、たまたま髪色は黒でしたが、ときには緑や青に染まることも。

周りの人の言うことを聞いて「普通の格好」をしたほうがどんなに楽か、きっと彼女自身もわかっていることでしょう。でも、周囲の圧力に負けて楽なほうに流されれば、自分を殺すことになる。だからこそ、彼女は信念をもって自分らしさを表現できるスタイルを貫いているのです。

自分を愛することに条件はいらない

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
(C) Noshu

あるときノシュは、親友だと思っていた友人に「あなたはビッグ(太っているという意味)なのに、どうしてそんなに自分に自信が持てるの?」と聞かれたことがあるそうです。その友人は、ふくよかな体型を「欠点」と考えていて、「欠点がある限り自分を愛することなんてできない」と思っているのですね。

私たちは、ついつい自分の欠点ばかりを探しがちです。目が小さい、ウエストが太い、吹き出物がある、人見知りである、他人に寛容でない・・・挙げればキリがありません。自覚はしていなくても、ノシュの友人のように、欠点がある限り自分を愛することなんてできないと思ってしまってはいないでしょうか。

でも、一度自分を愛することに条件を付けてしまったら、際限のない闘いが始まってしまいます。仮にコンプレックスを一つ解消できたとしても、また別のコンプレックスに意識が向いてしまうからです。そうなると、永遠に自分に「マル」を付けることができなくなります。

「自分を愛する」ということは、決して「自分は完璧だ」とか「人より優れている」と思うことではありません。人間、誰しも欠点があって当たり前。不完全な今の自分をそのまま受け止めることが、自分を愛することにつながるのです。

自分を好きになれる瞬間を増やす

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
とはいえ、「自分を愛しましょう」といったところで、スイッチを切り替えるように突然自分を愛せるようになる人はおそらくいないでしょう。「自分を愛することに条件はいらない」という考えを受け入れることがはじめの一歩。

そのうえで、「笑顔でいる自分は好きだな」とか「このファッションは心地が良いな」など、こんな自分は好きだと思える瞬間、自分にとって心地が良いと思える瞬間を増やしながら、自分らしさを少しずつ解放していくのです。ノシュのように、「誰がなんと言おうと、私は私」と思えるようになったら最強ですね。

自分を愛することと謙虚であることは両立できる

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ
(C) Noshu

「自分を愛してる」とはっきり言うなんて、謙虚さに欠けると思われるかもしれません。でも、ノシュはとても謙虚な人です。確固とした信念はもっていながらも、人の言うことにはしっかりと耳を傾けますし、目の前の人のことをできる限り理解しようとします。

誰かの言葉で心に響いたことがあれば、すぐにそれをメモし、自分なりに消化します。感動屋で、表現することが大好きな彼女は、筆者が知る最も自分自身を愛している人であると同時に、最も謙虚な人の一人なのです。

移住先のアメリカで高度な教育を受けることができ、自分はとても恵まれた境遇にあると感じている彼女は、現在、社会福祉の分野で社会に貢献しようと奮闘中です。

世界のどこかでまた会おうね

【旅先での出会い】アメリカでマイノリティとして生きる彼女から教わった「自分を愛する」ということ

トルコでの旅を終え、筆者はドイツに移住しました。それからおよそ半年後、ノシュから「来月家族でパリに旅行するの」と連絡が入りました。すかさず「私も行く!」と返事をし、パリでの再会を果たしたのです。

私たちが別れるときのセリフは、「世界のどこかでまた会おうね」。お互いを尊敬し、ともに旅を愛するふたりなら、またどこかで巡り会える気がするのです。

[Photos by shutterstock.com]

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