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『Reborn-Art Festival 2017』 “1泊2日”アート体験で、わかった気がした。

そんなネガティブなこと言わないでください……!

と思ったが、甲谷さんの目は悲しそうでも寂しそうでもなかった。そして、続ける。

「だからこそこうして、いろんな人に、少しでも牡鹿半島を見てもらうことに意義があると思います。島を見て、味わってもらって、楽しいと思ってもらえたらそれだけでとても嬉しいです。ぜひまた遊びに来てくださいね」

〈DAY2 13:00〉
ラスト・ワークショップ

いよいよ、ツアーを締めくくるプログラム。
体育館に戻って、3回目の身体ワークショップだ。

向さんから指示が出る。

「地震が起きたとき、
 お茶をこぼしてしまったとき。
 日常の世界で『あっ!』と思った瞬間を思い出し、それをスイッチに、走り回りたい欲望や赤ちゃんに戻った気持ちで、心の根底にある想いを踊りに変えてみてください」『Reborn-Art Festival 2017』 “1泊2日”アート体験で、わかった気がした。

参加者はいよいよステージへ。
まずは円になって会話。その途中で「あっ!」と思った瞬間を思い出し、踊り出す。その動きは徐々に、心の根底から湧き上がるような動作になる。『Reborn-Art Festival 2017』 “1泊2日”アート体験で、わかった気がした。

ステージ上を跳んだり、走り回ったり。
それぞれのイメージが展開されてできた世界は、独特の表現に繋がっていく。

そして向さんは「一挙手一投足に想いを込めるように」と指示を出し、そして言った。

「この瞬間は、もう二度とない」

向さんはこの言葉を聞いたのは、これが初めてではない。
初日のワークショップでも言っていたけれど、そのときはまだ「そんなこと言われましても(汗)」と、思いどおりに動かせない体へのフラストレーションしか感じられなかった。

1泊2日の体験を終えて、いろんなことを考えて、『Reborn-Art』の答えを探し求めながら、今この瞬間にたどりついた。もう二度と訪れない、この瞬間。

この1泊2日は、牡鹿半島の自然を五感で感じ、新たな発見によって「体験」の仕方をアップデートし、それだけでいえば爽やかで目覚ましい体験だった。地元の方々はみんな優しくてあたたかかったし、すてきな思い出になった。

しかし、6年前のあの14:46も、今自分の体と向き合っているこの瞬間も、また《自然の猛威が 安らげる場所を奪》うときがきたその瞬間も、すべての瞬間は等しく一度きりという事実は、尊くもあり、重くも感じる。

そう、すべての瞬間は、二度と訪れない。

〈DAY2 15:00〉
最後にタネ明かし

『Reborn-Art Walk』のすべてのプログラムが終了。
旅の終わりに、参加者はツアーで印象に残ったことを、文章や詩、イラストなど思い思いのかたちで紙にまとめることに。

と、ここでナビゲーターの成瀬さんからあるタネ明かしが。それは、最初に行われなかった自己紹介についてだった。

「最初に自己紹介は行いませんでした。これまでの個性や肩書も、リセットする気持ちで望んでほしかったので」

そういうものなのかな、と思ってスルーしていたあの時間に、そんな理由があったとは。そうして私たち参加者は、初めて自己紹介をしてすぐに、最後の時を迎えるべく、お互いの感想を発表しあった。『Reborn-Art Festival 2017』 “1泊2日”アート体験で、わかった気がした。

参加者のなかには「別人になれたような気分」「経験の自在さを味わった」と言う人もいた。それがその参加者にとっての『Reborn-Art』の答えなんだろう。

私も、『Reborn-Art』の答えを探してこのガイドウォークに参加していたんだった。参加していた、のだけれど……。

私が最後に見つけた
『Reborn-Art』

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