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日本の是枝裕和監督、ベネチア国際映画祭におけるインタビュー

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デビュー作品映画『幻の光』から22年後、是枝裕和監督は自身初のミステリー・スリラー映画『三度目の殺人』でベネチア国際映画祭に帰ってきた。本作は9月9日(現地時間)に日本で公開され、是枝監督の家族ドラマ映画『そして父になる』(2013年)で主演した福山雅治が主演を務める。福山は、3度目の殺人を犯し、死刑が確実視されている容疑者(役所広司)を担当するエリート弁護士を演じる。被告は逮捕された直後に警察で自供するのだが、その内容は矛盾だらけであり、動機も分からない。

オリジナル脚本も手掛けられたようですが、日本でこのジャンルの作品としては、珍しいのではないでしょうか。なぜ、人気小説を基にするなど、少なくとも商業的に安全性の高い方法を取らなかったのでしょうか?

小説を基にすることは最初から考えていませんでしたし、サスペンス映画を作りたくもありませんでした。人が人を裁くという法廷ドラマを作りたかったのです。「人が誰かを裁くとは、どういうことか」という命題が最初にありました。

この映画には、有罪判決率が99%であり、また、強制自白によってしばしば誤審が起きているという日本の司法制度への批判が含まれています。これは、あなたがこの作品を作った理由の1つでしょうか?

日本の司法制度を批判することは、目的ではありません。日本では司法取引がほとんど行われず、司法制度外にいる人々の多くは、法廷と裁判は真実を明らかにするための場所だと信じています。しかし、特に弁護士など、実際に関与している人々を通じて、それが事実ではないと認識するようになりました。これは面白いと思いました。

あなたは、いくつかの複雑なテーマを探求していますが、ミステリーとしての本作はかなり理解しやすいものです。商業的なバランスを保つことは、本作の中心的な課題でしたでしょうか?

はい、私はそれは大切だと思いました。殺人犯を捕まえるというストーリーではありませんが、沢山の人にこの映画を見てもらいたかったからです。私が見せたいものだけを見せられたわけではありません。だからこそ、本作はサスペンスのフレームワークの中に納まった。分かりやすいストーリーを、明確に伝えたかったということです。でなければ、大勢の人々に見てもらうことは難しいと思いました。

役所広司との初めての作品ですね。彼はこれまで、実に多彩な役を演じてきました。本作では、彼は終始、謎に包まれた人物を演じています。

彼は何でもできます。観客が彼を目にするとき、彼は必ず、何らかの役になりきっています。彼は日本で最高の俳優だと思います。大学教授を演じるときは本物の大学教授のように見え、殺人犯を演じるときは殺人犯のように見え、アンフェタミン中毒のギャングを演じるときは、本当に薬物に手を染めているように見えます。しかも、彼はそれを、かつらや特殊メイクを使ったり、体重の増減によって物理的に見せるわけではないのです。私は、彼がどうやってそれを実現しているのか分かりませんが、とにかく驚くべきことです。 私は頭のなかで、彼のイメージと一緒に三隅(Misumi)という人物を描きました。

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