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地域起こしで“日本一リアクションが取れる街”に!京都・向日市「激辛商店街」を歩く

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辛い食べ物が好きな人なら京都府の“向日市(むこうし)”という地名を聞いたことがあるかもしれない。

向日市は京都市の南西部に接する地域で、“西日本で最も面積の小さな市”である。絶えず観光客の訪れる京都の中心街とは違い、特に大きな観光資源を持つわけでもなく、閑静な住宅街が広がる街。

そんな向日市が、8年前から“激辛グルメを堪能できる街”として町おこしをスタートし、徐々に知名度を獲得。2012年から毎年開催している「KARA-1グランプリ」という激辛グルメのイベントは全国から数万人規模の来場者を集めるなど、成功した町おこしのモデルケースとして、ここ最近特に注目されている。

地域の特産品などに頼らず、豊富なアイデアと柔軟な姿勢によって町おこしをしている向日市に興味が湧き、ぜひ一度訪れてみたいと思っていた。今回、念願がかなって取材を受けてもらえることになり、「京都向日市激辛商店街」副会長の清水幹央さんにお話をうかがうことになった。

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▲こちらが清水幹央さん

町おこしのヒント満載の清水さんのお話を聞きつつ、最後は実際に激辛グルメを食べ歩いてみようと思う。

ちなみに、インタビューの場所は、「京都向日市激辛商店街」の加盟店の一つである「珉珉 向日町店」の店内である。それではどうぞ!

激辛は「引きが強い」

── まずは、向日市が「京都向日市激辛商店街」になったいきさつを教えていただけますか?

清水さん:「京都向日市激辛商店街」は、2009年7月に町おこしの一環として、加盟店20店舗というところから始まりました。向日市の北西部の“西ノ丘丘陵”には竹林が広がっていて、観光名所になっているんです。竹の加工品やタケノコが名物なので、以前は竹やぶの竹で竹馬を作って、町おこしとして「竹馬の全国大会」をやったりしていました。でも、竹馬の大会ではなかなか経済効果が生まれにくい。経済効果につながるものとなると、“食”というテーマがある。向日市の名物のタケノコを使って町おこしをする手もあったのですが、全国から広く人を集めたい、ということで今までにないものができないかと。

── なるほど、さらに広がりのあるテーマを検討していったということですね。

清水さん:そうなんです。それで、会議でいろいろアイデアを出し合っていく中で、「京都向日市激辛商店街」のリーダーが、辛い料理が大好きな方なんですが、その方が「辛い料理には人を集める力がある」と、“激辛グルメ”というテーマを出してくれたんです。アメリカでは激辛グルメに特化したフェスティバルが毎年開催されて何十万という人で賑わっている、というような話も聞きますし「ここはひとつ辛いもので町おこしをしてみよう!」と。そのアイデアが盛り上がり、このプロジェクトが始まったんです。

── 確かに“激辛グルメ”って引きが強いですよね! 怖いもの見たさでちょっと食べてみたくなります。当初の時点で全国から人が集まるようなものにしようという明確なビジョンがあったんですね。

清水さん:せっかくやるならそこまでのものにしたいと思っていました。しかし、立ち上げから1~2年は非常に苦戦したんですよ。まず加盟店を集めるのが大変でした。「激辛で町おこしをしたい」と言うと「激辛と向日市になんの関係があんねん!」とまず言われるんです(笑)。あと「それが成功するという根拠はなんや?」と。そう言われると何も言えないんですよ。根拠はないですから(笑)。指標となる数字もないわけです。「こっちは遊びで商売してんちゃうんねん」と怒られたり、もちろんごもっともなんですが、なかなか最初は難しかったですね。スタートして少し経ってから、たまたまWEBニュースに取り上げてもらって注目が集まって、そこから徐々に広がっていきました。

── 加盟店はそれから順調に増えていったんですか?

清水さん:今年で8年目になるんですが、今では70店舗になっています。そのうち60店舗が飲食店で、それ以外にも“辛口査定をする不動産屋さん”とか、“マスコットキャラクターであるカラッキーのグッズを販売する文具店さん”なども加盟店になっていたりします。「京都向日市激辛商店街」ということで注目してもらって、飲食店にテレビのロケが来たりするようになると、それがきっかけになって「うちも激辛メニュー作ってみよう」というように加盟店がだんだん増えていきました。

── なるほど、徐々に実績が生まれていったわけですね! それで……ゲホッゲホッ(突然咳込む)。すみません、ゲホッ。

清水さん:これ、……今たぶん厨房で激辛チャーハン作ってるんですわ。ゲホッ!

── え! 客席にいるだけで咳が出るものなんですね! ゲホゲホ。

「よかったら、あそこの、マスクつけてもいいですよ。ゲホッ」

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▲お店の壁にはなんとマスクが

── マスクが貸し出されてるんですか! いや、しかし確かにこれはマスクがあった方がいいかもしれないです……。

清水さん:厨房でも着けてますから!

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