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捕鯨問題から見える日本人が抱える根本的な問題

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捕鯨問題から見える日本人が抱える根本的な問題
J-WAVEで放送中の番組「WONDER VISION」のワンコーナー「OPINION」。ナビゲーターの平井理央が出産準備のためお休みに入ることを受け、9月は前田智子のナビゲートでお送りします。

9月3日(日)のオンエアでは、映画監督の佐々木芽生さんをお迎えし、まもなく公開される映画「おクジラさま ふたつの正義の物語」について伺いました。

作品の舞台は、和歌山県の太地町。人口3000人の小さな漁師町の400年続く捕鯨の伝統を守りたい日本人と、それを許さない外国人という「白か黒か」という対立構造を超えて、佐々木監督のカメラは、賛成か反対かに囚われない多種多様な意見を捉えています。

佐々木さんが太地町で映画を撮りたいと思った理由は、アメリカで2009年に公開された「ザ・コーヴ」を見て衝撃を受けたことがきっかけでした。アメリカでは、捕鯨問題はほぼ100%反対意見しかない状況で、そこまで人間の感情を煽り立てて意見を衝突させても折り合わないこの問題の理由が知りたかったということと、「ザ・コーヴ」でみる漁師さんたちの残酷な印象が偏見に満ちていて、一方的な悪者として描かれていることに「片方の意見ばかりが広まるのはまずいんじゃないか」と思ったからでした。

捕鯨問題について取材を重ねるうちに、佐々木さんは、日本側から情報が一切ないことも問題だということが見えてきたといいます。

「どちらが正義で、どちらが悪、と決めつけるのがまずい、いろいろな真実がある複雑な問題であることにまずは気付いてほしい」と佐々木さん。特にこの作品については「捕鯨の話というとアレルギー反応を起こす日本人が多いですが、捕鯨の問題だけでなく“日本人が世界からどのように見られているか”というさまざまな問題の象徴として普遍的なテーマなのでぜひ見てもらいたいです」と語りました。

映画の本編でも、アメリカ人のジャーナリストが「太地町で起きていることは日本の縮図。日本人は国際社会で自分が思っていることを表現するのが苦手。人口3000人の小さな町が、メディアに精通したシーシェパードと争うことは難しい」と語っているように、日本人の控えめさが国際社会でのアピール不足につながっていると佐々木さんは指摘します。

芸術の世界でも「文化=国力という認識が日本にはないのが残念。文化的なことを主張することは、その国の国力につながる。経済や数字だけではなく、日本人のアーティストや作品が海外で注目されることが日本は発言権につながる」と語りつつ、国際映画祭の舞台において各国が国を挙げてPRをするなか、日本は、一部を除くと助成金など国のサポートが不足しているという現状を訴えました。

今、東京は、2020年のオリンピックに向けてさまざまな取り組みがされていますが、「多様性や、多様な文化を包括できる懐の深い国際都市なってほしい」と佐々木さん。改めて捕鯨問題を例にとり「反捕鯨の活動家も漁師さんも豊かな海を守るという観点では目指していることは一緒。違いに注目するのではなく、共通部分にもっとみんなが注目できれば仲良くなれるのではないか」と未来に向けて提言しました。

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【番組情報】
番組名:「WONDER VISION」
放送日時:毎週日曜 6時−9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/

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