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かんざしで「きれいになりたい」という気持ちに応えたい〜ゼロからかざり簪職人を目指した津留崎千勢さんをご紹介

こんにちは!趣通信のしーまんです。

みなさん着物を来たことのある方は、髪飾りに簪(かんざし)を使ったことのある方も多いのではないでしょうか?簪をスッと差すと、気持ちが華やかに、特別な気持ちになります。

今回は、歌舞伎や日本舞踊などで使われる、金属を削ったり彫ったりしてつくる、錺簪(かざりかんざし)の職人を目指す女性・津留崎千勢(つるさきちせ)さんをご紹介します。

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職人の家系でも、ツテがあったわけでもない津留崎さんが数少ない錺簪の世界に入るまでの道のりと、量産品の髪飾りやジュエリーが台頭している現在で、津留崎さんの目指す職人像を伺いました。

 

理想の簪を作るために、ゼロからスタートした職人への道

「母は、築地で美容室をしています。そこで着付けられてきれいになっていく人を見ることが多く、きれいだなと眺める中、“わたしなら、あの着物にはあんな髪飾りをつけたいなぁ”と想像している自分がいました。

当時自分は、本当に自分のやりたいことは何かと、悶々と仕事をしている最中で、自分が興味の持てることを探す生活を2年近く過ごしていました。そんなときに、簪職人になったら自分のほしい簪を作ったり、もっとその人に似合う簪を提案できるのではないかと思ったんです。」

 

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簪職人を目指した当初、津留崎さんは当時30歳。でもまず頭に浮かんだ考えは、「何にも技術のないわたしを、弟子にしてくれる職人さんはいないだろう」。職人の世界といえば、高校卒業とともに弟子入り、生まれた家庭が職人の家系だったなど、もっと若いうちから修行をするのが当たり前のような世界に感じます。津留崎さんは、とにかく何か技術を身に着けなければと思い、ジュエリーの専門学校へ通うことにしました。

 

「簪職人になったという前例はありません」と言われて始まった専門学校生活

“ジュエリー”という横文字から”かんざし”が出てくる方はとても少ないのではないでしょうか?ジュエリーの専門学校の卒業生は数多いても、「簪職人になった卒業生はいない」と先生に言われたそうです。

 

「簪の授業はもちろんなくて、でも当時のわたしには知識も技術も何もないので、1年目はとにかく工具の使い方など基本的なことを学ぼうと思いました」

 

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やると決めたら突き詰める、津留崎さんの1年目はとにかく技術と知識を吸収することに時間を費やしていったそうです。

 

錺簪(かざりかんざし)と師匠・三浦孝之さんとの出会い

小さい簪の中に、季節感と自然を表現する錺簪

専門学校の1年目があっという間に過ぎて、2年目は自分の作りたい簪を作っている師匠を探すことにしました。ですが、世の中に出ている簪の多くは量産品やプラスチックのものばかり。そんな中で見つけたのが、現在の師匠・三浦孝之さんの作品でした。

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「簪という小さな品物の中に、季節感や自然を装飾のみで表現していて、デザイン性や品格も兼ね備えていて、日本人の美意識のようなものを感じました。感動してしまったんです!これだと思いました」

 

「弟子はとらないけど、遊びに来ていいよ」

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