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学生の死亡例も…危険な“低酸素脳症”の原因・症状・後遺症

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学生の死亡例も…危険な“低酸素脳症”の原因・症状・後遺症
2017年7月21日、新潟県の高校の女子マネジャーが、野球部の練習直後に意識不明の重体になり、搬送先の病院で「低酸素脳症」と診断され、8月5日に死亡したことが明らかになりました。(参考)

 

夏場の部活動は気温も高く熱中症の危険もあり、お子さんをお持ちの親御さんは何かと心配されると思います。

 

今回は、特に小児・学生の子ども達にも気を付けて欲しい「低酸素脳症」の原因・症状・後遺症はもちろん、正しい対処法についても医師に詳しくお話を伺いました。

 

 

低酸素脳症とは

脳神経

 

脳に十分な酸素が届かない状態になり、脳細胞がダメージを受けた状態を言います。

 

 

低酸素脳症の原因 

心臓を押さえる男性

 

原因としては、以下のようなものがあります。

 

血液循環の異常

心臓が止まったことで血液の循環がなくなったり、心臓は止まってはいないが有効に血液が送り出されない。

 

例)

・心筋梗塞などの心臓病

・出産時にへその緒の血流が止まる

・不整脈

 

窒息

窒息して酸素が血液中に取り込まれなくなり、血液は脳に届いているが酸素が届かない。

 

例)

・首が締まった

・気道に異物が詰まった

・重い喘息発作やてんかん発作

・水に溺れた

 

ショック状態

ショックと呼ばれる状態により、全身の血管が開いた状態になり、脳以外の部分に血液が分布することで脳に必要な分の血液が届かない。

 

例)

・ケガで多量の血液を失った出血性ショック、

・感染症の悪化により血管が開きっぱなしになる敗血症性ショック

 

脳の酸素不足

血液が酸素を運搬する能力が低下し、脳に血液が届いても十分な酸素を届けられない。

 

例)

・貧血

・一酸化炭素中毒

 

中毒状態

脳の中で酸素を有効に利用するしくみが働かなくなっている。

 

例)

・青酸カリなどの薬物による中毒状態

 

 

低酸素脳症の症状/後遺症

意識をなくす男性

 

症状

脳は活動するために大量の酸素を必要としますが、酸素は糖分や脂肪分などの栄養素とは異なり、貯めておくことができません。

 

脳への酸素供給が途絶えると、数秒で意識がなくなります。

 

後遺症

■ 酸素供給が3〜5分以上途絶えた場合

その後再度酸素が届くようになっても、脳細胞のダメージが後遺症として残ってしまいます。

 

意識障害、体の動きが滑らかでない、けいれん、認知症などです。脳死や植物状態になることもあります。

 

■ 酸素供給が3〜5分以内に届いた場合

例え、3〜5分以内に酸素が届くようになっても、高次機能と呼ばれる脳の機能がうまく働かなくなる高次脳機能障害が残ることがあります。

 

複雑な手先の動きや判断力・記憶力・注意力・感情のコントロールなどがうまくできなくなります。

 

 

子どもの低酸脳症の危険性 

子供の脳

 

子どもの脳は柔軟で、大人であれば耐えられないような状態にさらされても、驚くほどの回復力を見せる場合もあります。

 

しかし、危険回避能力が低いため、溺れる・食べ物が喉に詰まるといった状況になることで低酸素脳症になりやすいとも言えます。

 

母親のお腹の中にいるときや出産時に、胎盤やへその緒の血流が落ちることで、低酸素脳症になることがあり、脳性まひの原因の一つになっています。

 

低酸素脳症の治療法 

リハビリ

 

一旦ダメージを受けた脳細胞を元通りに回復させる治療法はありません。

 

現れた症状に対して薬での治療やリハビリを行います。

 

 

低酸素脳症の対処法 

心臓が止まったり呼吸が止まった場合、一秒でも早く血液の循環を再開させる必要があります。

 

心臓マッサージ・人工呼吸

意識を失って倒れた人に対し、心臓マッサージを行うことが有効です。

 

人工呼吸も行うことができればよいですが、人工呼吸ができなくても心臓マッサージさえ行えれば、ある程度は肺の空気の入れ替えも行われます。

 

ただし異物で空気の通り道が全くふさがっている場合は、まず異物を出す必要があります。背部叩打法やハイムリック法で異物を取り除きます。

 

意識確認と助けを呼ぶ 呼吸の確認心肺蘇生

 

 

 

AED

街角で見かける自動体外式除細動器であるAED(Automated External Defibrillator)は、不整脈によって心停止した患者が、こういった低酸素脳症による後遺症を残さずに回復できるように、一刻も早く心拍を再開できるようにと設置されています。

 

AEDが側にあれば装着し、機械が「これは不整脈だから、ショックを与えたほうがいい」と判断したら自動でショックを与え、心拍動を再開させようとします。

 

機械が「心臓は適切に動いているから、ショックは必要ない」と判断したらショックはかかりませんので、とりあえずAEDを装着することが重要です。

AEDで電気ショック

 

 

最後に医師から一言

心肺蘇生の講習会

 

一秒でも早く脳への酸素供給が回復できれば、その人のその後の人生が変わります。

 

街中で誰かが倒れた時、適切に蘇生処置ができるように、市民講座や職場の講習会などで、救急蘇生法について学んでおきましょう。

 

(監修:Doctors Me 医師)

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