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【山の日】登山する前に理解しておきたい「GPS」の仕組み

スマホの地図アプリからドローンの飛行、カーナビの位置情報、旅客機や船舶の航行、そして山歩きやポケモンGO。・・・・・・これらに共通するキーワードとは、「GPS」である。

「衛星から電波が飛んできて位置を教えてくれる」くらいのことは、おそらく多くの人が知るところ。今回は日頃お世話になっているGPSの仕組みについて基本を押さえつつ、GPSの未来についても解説していこう。

GPSはアメリカが軍事用に開発したものだった!

GPSとは「Global Positioning System」の略。日本語では「全地球測位網」と呼ばれている。地球上の位置情報を正確に測定するため、もともとは軍事用にアメリカが開発したものだ。地球の上空を飛ぶGPS衛星から発する電波を受信機(スマホやカーナビなど)が受信し、現在位置を特定する。

もう少し詳しく書くと、GPS衛星は地球の上空2万200kmの軌道を周回し、現在24機(予備機を含めると30機程度)が稼働している。GPS衛星は自分の「現在位置」と「現在時刻」を光の速度(秒速30万km!)の電波で発信しながら、ぐるぐると地球を周回する。

あなたのスマホはその電波を受信し、衛星までの距離を割り出し、その位置と距離から三角測量と同じ方法で計算をして現在位置を割り出しているのだ。

ただし、GPS衛星1基だけでは三角測量ができず、正確な位置を特定できないので、下の図のように4基のGPS衛星から電波を受信する。といっても「ちょうどいまGPS衛星が上空を飛んでないから地図アプリ使えない!」なんてことはなく、そもそもGPS衛星は地球上のどこにいても常に4基以上の電波が届くように配置されているので安心してほしい。

ここで大事になるのがGPS衛星までの距離の算出方法。衛星からスマホなどの受信機までの距離は「電波が到達するまでにかかった時間×電波の速度」の式で求められるのだけれど、厄介なのは「時間」だ。GPS衛星には10万年に1秒の誤差があるかないかといわれる超絶正確な原子時計が搭載されているが、受信側の機械に入っている時計はクオーツ式がほとんどで、位置情報を正確に算出するだけの精度はない。そこで衛星と受信側で時間を同期させるために、4基目のGPS衛星から時間情報を受け取り、ほかの衛星と時間を合わせるということをしている。そうすることで、より正確な位置情報を算出することができるというわけだ。

上記1~3の衛星からは、電波の発信時刻と衛星の位置情報を電波で受け取る。電波の発信時刻と到着時刻から計算して、衛星までの距離がわかる。つまり、三角測量と同じで、3つの衛星の距離から自分の位置が計算で割り出せるというわけだ。4の衛星からは正確な時間情報をゲットする。

GPSはもう古い? これからの時代はGNSSだ!

さて、前述したようにGPSはアメリカが軍事用につくり、1996年に全世界にシステムを開放して無償で利用できるようになったため、日本をはじめとした多くの国で活用されてきた。無償で使えるのだから贅沢は言えないが、実は不都合なこともあった。

たとえば位置情報の誤差。アメリカでは軍事利用を優先するため精度は落とされており、当初は100mほど、今は10mぐらいの誤差が生じている(誤差は受信機側のソフトウェアで修正している)。また、4基以上のGPS衛星が常に測定地点上に見えるよう配置されているとはいえ、山や高層ビルの影になって電波を正常に受信できない場合もある。

「やっぱり自前で位置測位衛星があった方がいいよね!」というわけで、世界の国々が独自の衛星を運用している。主だったところだと「GLONASS(ロシア)」「BEIDOU(中国)」「GALILEO(EU)」「IRNSS(インド)」。そうそう、日本だって「みちびき」という衛星の運用を始めた。各国のシステムはアメリカの「GPS」と互換性があり、悩みのタネだった位置情報の精度は、今後誤差数cm以下になるといわれている。これら世界各国のシステムをまとめてGNSS(Global Navigation Satellite System)と呼ぶ。「GPS」もGNSSのひとつというわけだ。

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