達人バーテンダーに聞く「おいしいレモンサワーを作るための黄金比率」とは?

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ここ数年で広がるばかりのレモンサワーブーム。 すっかり幅広い世代の人気ドリンクに変わりましたねえ。どうも、メシ通レポーターの白央(はくおう)です。

レモンサワーといえば完全に「居酒屋さんの飲み物」というイメージでしたが、最近では晩酌やホームパーティで「自作して楽しむ」人も増えているよう。

そこで、ですね。

「レモンサワーをおいしく作るコツ」を研究しているバーデンダーさんがいるんです。さっそく、そのポイントを教えてもらいました。

◇講師はこのかた

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藤村公洋(ふじむら きみひろ)さん。

バー業界に入ってもうすぐ30年。料理家としても活躍し、著書に『病気になったバーテンダーの罪ほろぼしレシピ』(講談社)がある。

「ベースのお酒があって、炭酸の割りものがあり、フルーツのフレーバーがある。レモンサワーもひとつのカクテルなんです!」が持論。

それでは藤村さん、よろしくお願いしますー!

POINT①大事なのは配分!

f:id:Meshi2_IB:20170728083316p:plainおいしいカクテルを作る上での基本って、何だかご存じですか。

それは「お酒と割りものの配分」です。

たとえば「ジンフィズ」という有名なカクテルがありますね。このカクテルは、ベースのお酒がジンになります。それにレモン果汁と砂糖、炭酸水を加えて作るもの。

一方でサワーとは、焼酎を、甘みをつけた果汁入りの炭酸水で割るものです。

つまりは、ベースのお酒がジンか焼酎かの違いだけで、ジンフィズとレモンサワーの構成要素はほぼ一緒。プロフィールにもありましたが、私はレモンサワーもカクテルだと思っています。だって、「ベースのお酒があって、炭酸やフルーツ果汁で割る」んですからね。やっていることはまったく一緒です。

なのでおいしいレモンサワーを作る上で最も大事なことは、カクテル同様その配分と私は考えています。

ジンフィズなら、お酒と割り材の配分は1:2。この配分をしっかり守るのが、おいしいジンフィズを作る上での基本です。

食材は高級なほうがいいの?

「高いジンだとおいしくなりますか」

「高級なレモンを使ったほうがおいしい?」

というようなことをよく聞かれますが、僕はこの点は意味がないと思います。それよりも大事なことは、基本的な配分を守ること。

もちろん、高級なジンやレモンをバランスよく配合して作るならば、それはとてもおいしいカクテルになります。ただこの「バランスよく」が出来ていないと、どんな高品質のものを組み合わせても、まとまりのないボケた味になってしまいます。

プライオリティーとしての第一はバランス(=配分)、と覚えてください。

同様にレモンサワーも、高級な焼酎やレモンをそろえるよりもまず、バランスを考えましょう。配分をきちんと守ることで、バランスの整った味の凝縮感が生まれ、お酒と割りものの一体感が生まれます。それが、カクテル(=レモンサワー)のおいしさなんです。

POINT②割り材をどうするか?

f:id:Meshi2_IB:20170728083316p:plainさて、先に述べたようにサワーを作るには、お酒と割りものが必要です。割りものとは具体的にいえば「砂糖+果汁」が入った炭酸水。これを家でいちから作るのはちょっとめんどう。なので、市販されている割り材を活用しましょう。これがなかなか優れているんですよ。 f:id:Meshi2_Writer:20170710174503j:plain

いろいろと飲み比べましたが、甘さと酸味のバランスが最も良いと感じたのは、博水社の「ハイサワー レモン」です。

ノンアルコール・カクテルとしても優れていると思いますよ。これ、いわばレモネードですからね。私はたまに、そのまま飲んで楽しんでもいます。スーパーや酒屋さんで探してみてください。

POINT③藤村流ベスト比率

f:id:Meshi2_IB:20170728083316p:plainそれでは実際に作ってみましょう。

私が考えるレモンサワーのお酒と割り材のベスト比率は「1 : 2.5」になります。

1杯分とした場合、焼酎50g、ハイサワー125gを用意してください。

そして8分の1にカットしたレモンもご用意ください。

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まず空のグラスに焼酎を50g入れます。

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そして氷を入れて、5回ほどステア(=かき回す)します。

これは焼酎を冷やすと同時に、お酒と氷をなじませるためです。

ステアしたら、スケールにのせて目盛をゼロにして、ハイサワーを加えます。

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ハイサワーを125g加えて、

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さらにやさしく2回ステア。レモンを搾って、グラスに落とします。

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最後にレモンを搾って加えることで、果汁だけでなくレモンの皮の香りがグラスを包み、口を近づけたときの期待感が高まります。ひと口目の満足感がまったく違いますよ。

── いただきます! お、スッキリ飲みやすいですね。居酒屋さんのレモンサワーはもっと甘いものが多いような気がしますが、私はこのさっぱりした味わい、好きです。(編集ムナカタ)

── 唇がグラスのはしに触れる前からレモン香がしていいですよね。藤村流レモンサワーの作り方を知ってから、私も家で作る回数がグンと増えました。(白央)

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ちなみに8分の1のカットレモンですが、このような形に切ると汁が飛び散りにくく、しぼりやすいですよ。

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焼酎は無味でレモンの味わいを邪魔しないものならなんでもいいです。今回は手に入りやすい宝焼酎25度のものを使いました。お好みで、キンミヤやトライアングルでも構いませんよ。

念のために簡単な図式にしてみました。

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POINT④アレンジする楽しさ

f:id:Meshi2_Writer:20170710175701j:plain f:id:Meshi2_IB:20170728083316p:plain完成したレモンサワーに、ちょっとプラスアルファでまた違った味わいを楽しめます。

たとえば、モヒート的にミントを入れてもおいしい

おろしショウガを1杯に対して小さじ1/4程度入れても、実にさっぱりします。

変わったところでは、粉山椒をほんのちょっと加えてもいいカクテルになりますよ。

あと、割り材は一度開けたらなるべく早く使い切ってください。グラスはなるべく薄いものを使うとよりおいしく味わえます。

── 藤村さん、きょうはありがとうございました!(白央)

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ぜひ、作ってみてくださいね!

※この記事は2017年7月の情報です。

執筆・撮影:白央篤司

白央篤司

フードライター。食と健康、郷土料理がメインテーマです。「にっぽんのおにぎり」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)なんて本を書いています。全国の雑煮データを収集中。この夏はガスパチョの配合比にハマりました。 facebook:atsushi.hakuo ブログ:独酌日記

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