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「便利すぎ」に疲れたあなたへ、不便のススメ

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「便利すぎ」に疲れたあなたへ、不便のススメ

『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便を取り入れてみてはどうですか?~不便益という発想』

一見こちら文章のように見えますが、じつは書籍のタイトルです。著者の京都大学デザイン学ユニット特定教授の川上浩司教授は、不便から得られる益「不便益」を研究していて、あえて読者のみなさんに引っかかるような書名にしたそう。

世の中のテクノロジーが進歩し、確かに利便性はアップしました。しかし、本当にそれでいいのでしょうか? このタイトルのように不便から得られることもあるのではないでしょうか? この記事が「便利」という概念を考え直すキッカケになればと思います。

手間を省くことだけが
「便利」なのか?

「便利すぎ」に疲れたあなたへ、不便のススメ

テレビや雑誌では「便利」だと喧伝されているものが立ち並び、それを受けている人たちも皆、便利なものが好きなように思えます。

では「便利」とは一体どういうことを指すのでしょうか? ここではひとまず、手間がかからず頭を使わなくてもいいもの(労力が少ない)ということにしておきましょう。

たとえば身近なところで「甘栗むいちゃいました」というお菓子があります。商品名にもあるように「便利」を形にしたものですね。食べる前に割って剥かなければならなかった硬い天津甘栗の皮が、あらかじめ剥いてあるという画期的な商品です。

ところが、同じメーカーから「ねるねるねるね」というお菓子も出ています。こちらは、食べる直前にお菓子を練り上げる作業が必要です。あえて消費者に手間をかけさせるとは、許されざる所業ですね(笑)。「甘栗むいちゃいました」を見習って「ねるねるねるねっときました」という商品を開発するべき…というのは、もちろん冗談です。

ただ「単線的に手間を省くことを便利と呼び、それを求めるだけではいけない」と「ねるねるねるね」を見ていると思うのです。

『ウォーリーをさがせ!』は
不便な絵本

「便利すぎ」に疲れたあなたへ、不便のススメ

『ウォーリーをさがせ!』という絵本を見たことがある人は多いと思います。細々と描かれた人ごみの中からウォーリーくんを探し出すという内容で、いくつものシリーズが発売されました。

「手間がかからず、頭を使わなくても良い=便利」とは逆の発想で「手間がかからず、頭を使うもの=不便」だとすると、『ウォーリーをさがせ!』は、あえて不便を楽しむ絵本だと言えるでしょう。

また『WALL・E』というディズニー映画があります。近未来を描いたアニメで、一般市民はすべてをロボット任せ。生きていくために何もする必要がないという、まさに究極の便利ライフが描かれています。

しかし、人類の風貌は動かす必要のない部分が退化していて、最終的にはその未来ではすでに無駄で必要のないものとされていた仕事や、何かを成し遂げることに価値を見出すというものでした。

この結末は、何かを成し得ること自体に価値がある現代のありがたさを再確認させてくれます。大げさに言えば「不便であることで得られる益=不便益」は『WALL・E』で描かれた究極便利ライフへのアンチテーゼにもなっています。

奇しくも『ウォーリーをさがせ!』も、究極の便利ライフの逆をいくものでした。たとえ生きていくために必要のないことでも、人は手間をかけ、頭を使うことを楽しむのです。

どうでしょう? 少しずつ「便利」の概念が変わってきたのではないでしょうか?

「便利」と「楽」は
ちがう

「便利すぎ」に疲れたあなたへ、不便のススメ

上の項で『ウォーリーをさがせ!』は、あえて不便を楽しむものだと書きました。しかし、このような書き方をすると、すべての事象に対して「楽じゃなければ不便だ」ということになってしまいますね。

世の中には、楽ではないけれど不便でもないことがあります。クルマやバイクの運転で使うMT(ミッション)が良い例です。操作力が必要になるかもしれませんが、シーンによって自分で制御した運転ができるので不便ということでもありません。そうなると「楽=便利」は間違っていることになりますね。

ここで私は、浅薄な便利を追求するだけでは必ずしも益は得られないことを主張したいと思います。要するに「手間を省くことだけを求めるだけではいけない」ということ。「楽だけど楽しくない」から、MTやウォーリーのように「楽じゃないけど楽しい」へ。

浅薄な便利の逆をいくことで益を得る方策を考え、生活することをオススメしたいと思います。「便利すぎ」に疲れたあなたへ、不便のススメ『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便を取り入れてみてはどうですか?~不便益という発想』著:川上 浩司(インプレス)

不便だからこそ得られる益=「不便益」。本書では、その発想の性質や利点について考察し、世の中にある不便益が導入されたサービスや商品などを紹介。仕事の時短や効率化を上げるのではなく、不便なことを楽しみ生かす方法を教えてくれます。

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