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SNSで意図せず「誤情報」を流してしまう人の特徴

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「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」等の文章力・コミュニケーション力向上をテーマに執筆・講演活動を行う山口拓朗さん。そんな山口さんに、今回は「SNSでの不用意拡散で地雷を踏まないために知っておきたいこと」について、その必要性と習得の仕方について解説していただきます。

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SNS上の情報は玉石混交である

便利で楽しいSNS。スマホの台頭も相まって、多くの人が、情報収集や情報発信、仲間との交流にSNSを使っています。そんなSNSの特徴のひとつが、シェアやリツイートなどの「情報拡散機能」です。これらの機能があることで、誰でも気軽に、第三者の投稿を知人と共有したり、不特定多数に広めたりすることができます。

一方で、SNS上の情報は玉石混交です。有益な情報もあれば、根も葉もないウワサや、悪質なデマやガセネタも多く存在しています。有益な情報がSNS上で拡散されるのはいいとして、問題なのは、真偽がわからない情報、あるいはデマやガセネタが、さも正しい情報であるかのように拡散されていくケースです。

その美談は真実か?

ビートたけしさんと志村けんさんの美談を目にしたことのある方もいるでしょう。たけしさんとその仲間(たけし軍団)が1986年に起こした「フライデー襲撃事件」のあと、志村けんさんが、仕事を“干されていた”、たけし軍団のめんどうを見ていた、というものです。

実はこれ、完全な作り話です。たけしさんの事務所もこの美談を全否定しています。誰が創作したデマかはともかく、見逃せない問題は、事実かどうかを確かめもせずに、FacebookやTwitterなど、SNS上でこの美談が拡散された点ではないでしょうか。

もちろん、ほとんどの方が「真実だ」と信じて、悪気なく拡散したのでしょう。その人たちも、まんまとデマにのせられた“被害者”と考えられなくもありません。それと同時に、少し厳しい見方をすれば、そうした善意の拡散者は、デマの流布に加担した“加害者”ともいえます。

「知らなかった」ですまされるのか?

3.11の震災直後にTwitterなどで拡散されたデマとして有名なのが「被爆予防のため、うがい薬を10滴、水で薄めるなどして飲み込んで下さい」や「コスモ石油のタンク火災で有害物質を含む雨が降る」という内容のものがあります。人の命に関わるシチュエーションのなかで悪質なデマや誤情報を拡散し、「まさかデマだとは思わなかった」で済まされるのでしょうか。

大量の拡散に加え、いわれのない誹謗中傷を受けたのがお笑いタレントのスマイリーキクチさんでした。

1999年春から、氏が女子高生コンクリート詰め殺人事件に関与した犯人であると信じる者たちから匿名掲示板などで中傷されるようになったのです。俗にいう「スマイリーキクチ中傷被害事件」です。もちろん、キクチさんは犯人ではなく、逆に、キクチさんに対する悪質な誹謗中傷を行った人の一斉検挙が行われました。

誤情報の拡散事例に学ぶべき教訓

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このような事例から学ぶべき教訓があります。SNSを使う私たち一人ひとりのリテラシーに関する教訓です。ポイントは以下の2点です。

◆一次情報か二次情報かを見極める

◆一次情報の信憑性を確かめる

一次情報とは、「加工や編集をしていない情報」のことです。自分が実際に見聞きしたり、体験したりしながら得た情報は、すべて一次情報です。

一方、「二次情報」とは、引用や伝聞、あるいは、加工・編集をした情報のことで、インターネットやSNS上には、この二次情報が大量に出回っています。正確性や信頼性が担保された二次情報もあれば、何度加工・編集されたか、わからない劣化情報も少なくありません(加工・編集されていくなかでデマ化していくものも)。

二次情報は、情報収集しやすい反面、「情報の鮮度が古いかもしれない」「情報が正確でないかもしれない」「情報が改編されているかもしれない」「デマやガセネタかもしれない」などのリスクと常に背中合わせです。

したがって、目にした(耳にした)情報を鵜呑みにするのではなく、「その情報の出所がどこなのか」「その出所は信頼できるか」などの情報を総合的に判断したうえで、「拡散する・しない」を決めなければいけません。情報の正確性や出処の信頼性を確かめることもせずに、デマや誤報を拡散している人は、見識を疑われても仕方ありません。

インターネットやSNSから情報を集めるときには、果たしてその情報が信頼に足るものなのか、サイト運営者について調べたり、複数の情報源にあたったりする必要があります。場合によっては、より確実にウラ(=正しいと判断できる証拠)を取るために、自分の足で一次情報を取りに行く覚悟も必要です。

折につけ、SNS上では「○○に募金してください」「○○を助けてください」「○○を探してください」といった情報も流れてきます。これらも、「友達がシェアしていたから」という理由で拡散しているようでは危ういと言わざるを得ません。情報の出所を冷静に確認したうえで、冷静かつ客観的な視点から「拡散したほうがいい」と判断した場合のみ拡散を検討しましょう。

これまでに「友達の○○さんも拡散しているから」「なんとなく拡散したほうがいいと思ったから」「(一次情報を確かめずに)拡散すべき情報だと思ったから」などの理由で拡散したことのある人は注意が必要です。

いつ誰が踏んでもおかしくない地雷——それがSNSでの不用意な拡散

情報のプロであるマスメディアですら、不用意なガセネタの拡散に加担することがあります。記憶に新しいところでは、テレビの番組内で、宮崎駿監督の“架空の引退宣言集”を紹介した事故がありました。

プロですらエセ情報に釣られてしまうことがあるのです(今回のケースはあまりに軽率すぎますが)。情報のアマチュアである個人ともなればなおのこと高いリスクを負っています。「自分はまさかそんな失敗はしない」と思っている人でも、いえ、むしろそういう人ほど(!)誤情報の拡散予備軍といえるでしょう。

不用意かつ安易な拡散は、その情報を受け取る人たちに迷惑をかけると同時に、自分の立場を悪くする危険性をはらんでいます。取り返しのつかない事態を招かないために、ふだんから情報に対する意識を強めておきましょう。

著者:山口拓朗

『残念ながら、その文章では伝わりません』著者。

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伝える力【話す・書く】研究所所長。「論理的に伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するメールコミュニケーション」「売れるキャッチコピー作成」等の文章力向上をテーマに執筆・講演活動を行う。最新刊『残念ながら、その文章では伝わりません』(だいわ文庫)のほか、『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』(明日香出版社)、『問題を解くだけですらすら文章が書けるようになる本』(総合法令出版)、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)、『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)他がある。

山口拓朗公式サイト

http://yamaguchi-takuro.com/

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