4パターンの「利き脳」で分かる、自分に合った収納方法。あなたはどのタイプ?

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4パターンの「利き脳」でわかる、自分に合った収納方法。あなたはどのタイプ?

「片付けても片付けても、すぐにリバウンドしてしまう」「雑誌や本にのっている収納テクニックをそのままマネても、なぜかうまくいかない」「私は片付けられるのに、夫や子どもが片付けられない」……。日本ライフオーガナイザー協会が運営するウェブマガジン「片づけ収納ドットコム」の編集長をつとめる筆者は、そんな読者のお悩みをよく耳にします。片付かない理由って、何なのでしょうか? 片付けのプロである「ライフオーガナイザー」の自宅を実例としてご紹介しながら、その原因を探ります。

片付けに”唯一の正解”はない。”私にとっての正解”があるだけ

片付けでお悩みの方のなかには、「片付けには“唯一の正解”があって、片付けられないのは私がそれを知らないせい」と自分を責めたり、「片付けが得意な私が考えた収納方法を夫や子どもが受け入れられないのは、やる気がないだけ」と家族にイライラしたり……といったことがよくあります。

けれども大抵の場合、片付かない原因は、その収納の仕組みが自分や家族に合っていないだけのこと。思考や行動のクセに合った片付け方を取り入れれば、ストレスなくものが探せる、ものが戻せる可能性大。片付けのポイントは、みんなにとっての”唯一の正解”を探そうとするのではなく、“自分にとっての正解“を見つけることなんです。

それでは、ほかの誰でもない、自分自身や家族に合った仕組みを見つけるには、どうすればいいのでしょうか?

ライフオーガナイザーは、その手がかりとして「利き脳」を参考にすることがあります。「利き脳片付け術」は、坂野登京都大学名誉教授の「しぐさ利き脳理論」をベースに日本ライフオーガナイザー協会が片付けに応用してまとめた、行動やクセを知るためのライフオーガナイズの手法のひとつです。【画像1】『ライフオーガナイズの教科書』をもとに編集部が作成

【画像1】『ライフオーガナイズの教科書』をもとに編集部が作成

右脳がつかさどるのは、ひらめきやイメージ、芸術性、創造性など。右脳が優位に働く人は、直感的にものごとを受け入れるのが得意だと言われています。対して、左脳がつかさどるのは、話す、書く、計算する、分析するなど。左脳が優位な人は、科学的な思考を得意としているそうです。

それではさっそく、利き脳をチェックしてみましょう。

ものの探し方・戻し方のクセが分かる!?「利き脳」を調べてみよう

情報を取り込んで理解するときに使う「インプットのときの利き脳」と、理解した情報を言葉や行動であらわすときに使う「アウトプットのときの利き脳」を調べます。片付けにあてはめて考えると、インプットはものを探すとき、アウトプットはものを元の場所に戻すときに使う脳。それぞれの特性に合った収納が、探しやすく戻しやすい収納ということになります。

あなたの利き脳は?

●インプットのときの利き脳:指組みしたとき、左右どちらの親指が「下」になっていますか?【画像2】自然に指を組んだとき、左の親指が下にきている人はインプットが左脳タイプ、右の親指が下にきている人は右脳タイプ。写真は左脳タイプ(写真撮影/会田麻実子 提供/主婦の友社『ライフオーガナイズの教科書』)

【画像2】自然に指を組んだとき、左の親指が下にきている人はインプットが左脳タイプ、右の親指が下にきている人は右脳タイプ。写真は左脳タイプ(写真撮影/会田麻実子 提供/主婦の友社『ライフオーガナイズの教科書』)

●アウトプットのときの利き脳:腕組みしたとき、左右どちらの腕が「下」になっていますか?【画像3】自然に腕を組んだとき、左の腕が下にきている人はアウトプットが左脳タイプ、右の腕が下にきている人は右脳タイプ。写真は左脳タイプ。腕を少し持ち上げてみるとどちらが下か判断しやすい(写真撮影/会田麻実子 提供/主婦の友社『ライフオーガナイズの教科書』)

【画像3】自然に腕を組んだとき、左の腕が下にきている人はアウトプットが左脳タイプ、右の腕が下にきている人は右脳タイプ。写真は左脳タイプ。腕を少し持ち上げてみるとどちらが下か判断しやすい(写真撮影/会田麻実子 提供/主婦の友社『ライフオーガナイズの教科書』)

指組み、腕組みの結果をもとに、4つの脳タイプの傾向を見てみましょう。【画像4】『ライフオーガナイズの教科書』をもとに編集部が作成

【画像4】『ライフオーガナイズの教科書』をもとに編集部が作成

指組み、腕組みで調べた脳タイプのうち、特にアウトプットのときの利き脳(腕組みをもとにチェック)は、職業や環境によって後天的に変わることがよくあるといわれています。後天的な特性は、次の「行動特性チェック」で調べることができます。指・腕組みの結果と異なる脳タイプの傾向が強く出た場合、「行動特性チェック」の結果を重視するとよいそうです。例えば、指・腕組みでは右右脳タイプだったけれど、行動特性チェックで左脳タイプの特徴が多く当てはまる場合、後天的な右左脳タイプである可能性がある……ということになります。【画像5】『ライフオーガナイズの教科書』をもとに編集部が作成

【画像5】『ライフオーガナイズの教科書』をもとに編集部が作成

いかがでしたか? ご自身の利き脳は、想像していたとおりでしたか? ご家族の利き脳は、ご自身と同じでしたか? もしも家族間で利き脳が違う場合、個人で管理するスペースであれば本人の特性に合わせて、家族で管理するスペースなら片付けがより苦手な人の特性に合わせて整えると、ストレスなくものを出し入れできるようになります。利き脳がまだ定まっていない6~7歳未満の子どもは、まずは右右脳タイプのアプローチを試してみましょう。“収納方法”だけを特性に合わせて整えるのではなく、ものを分類したり手放したりといった“準備”のステップや、片付いた状態を保ったり改良したりといった“維持”のステップも、それぞれの特性に合わせるのがポイントです。

結果がどうであったとしても、脳タイプに合った収納方法をそのまま取り入れることが利き脳をチェックする目的ではありません。特定の片付け方が合わないときに、「この方法は合わないから、別の方法を試してみよう」と発想を転換するヒントとして、利き脳を活用してみてくださいね。

右右・右左・左左・左右脳タイプのライフオーガナイザーの家

利き脳はあくまでも、人には思考や行動にクセがあるということを伝えるツールのひとつです。とはいいながら、ライフオーガナイザーとしてさまざまな収納パターンを見ていると、「右右脳タイプっぽい配置だな」「左左脳タイプ的な考え方だな」といった“傾向”を感じることがあります。

例えば、筆者は右左脳タイプです。自分でも右左脳タイプらしいなと思うのは、収納用品の選び方。見えるところではビジュアルを重視しますが、見えないところでは合理性を重視します。リビングのオープンシェルフ(【画像6】の左)に並べているのは、ラタンのカゴ、硬質パルプのボックスといった、見た目が好みの収納用品。材質や色にこだわって選んでいます。【画像6】都心の小さなマンション住まいのため、リビング・ダイニングスペースもコンパクト。どこからでも目に付いてしまうオープンシェルフはビジュアル優先、扉付きの収納スペースでは管理のしやすさ優先で収納用品をセレクト(写真撮影/さいとうきい)

【画像6】都心の小さなマンション住まいのため、リビング・ダイニングスペースもコンパクト。どこからでも目に付いてしまうオープンシェルフはビジュアル優先、扉付きの収納スペースでは管理のしやすさ優先で収納用品をセレクト(写真撮影/さいとうきい)

反対に、扉を締めれば隠すことのできる収納スペース内(【画像6】の右)では、半透明の収納用品を好んで使っています。本質的には、場所や色、形でものを探すほうがラクなので、中が透けて見える収納用品のほうが扱いやすいからです。収納用品をそろえるときは、まずはひとつだけ購入し、使う人との相性がよいと確信をもってから数を増やすと「たくさん買ったけど使いづらい!」といった失敗が防げます。

こちらは、右右脳タイプのライフオーガナイザー、瑞穂まきさんのクローゼットとシュークローゼットです。オールシーズンの衣類や靴をすべて見渡せるよう収納することで、「見えないと存在を忘れがち」な右右脳タイプの特性を見事にカバーしていると思います。クローゼットがコンパクトな場合、オンシーズンの衣類だけでも、ハンガーにかけて収納すれば、扉を開けたときに全体が把握できるので「こんなの持ってたんだ!?」を減らせますよ。【画像7】扉を開けたときにうっとりできる収納(通称「うっとり収納」)を採用すると、美しさを維持するためにがんばって片付けられることが多いのも、美的感覚に優れた右右脳タイプの特徴(写真撮影/川俣満博 提供/片づけ収納ドットコム)

【画像7】扉を開けたときにうっとりできる収納(通称「うっとり収納」)を採用すると、美しさを維持するためにがんばって片付けられることが多いのも、美的感覚に優れた右右脳タイプの特徴(写真撮影/川俣満博 提供/片づけ収納ドットコム)

こちらは、左左脳タイプのライフオーガナイザー、川崎朱実さんのファミリークローゼットです。先ほどご紹介した右右脳タイプと同じ “かける収納”を採用していますが、話を聞いてみるとその理由が違いました。洗濯物を干すハンガーとクローゼットにかけるハンガーを統一して、取り込んだ洗濯物をそのままクローゼットへ戻せるようにしたかったというから、合理性を追求する左左脳タイプっぽい! 「洗濯物をたたまずに収納したい」という人は、ぜひチェックしてみてくださいね。【画像8】川崎邸のファミリークローゼットは、洗濯機を置いている1階の洗面所の向かいにあります。洗濯物を干すテラスも1階に設けることで、洗濯の動線を最低限に抑えられるよう計算して設計されていました(写真撮影/川俣満博 提供/片づけ収納ドットコム)

【画像8】川崎邸のファミリークローゼットは、洗濯機を置いている1階の洗面所の向かいにあります。洗濯物を干すテラスも1階に設けることで、洗濯の動線を最低限に抑えられるよう計算して設計されていました(写真撮影/川俣満博 提供/片づけ収納ドットコム)

最後にご紹介するのは、左右脳タイプっぽさを感じる“マイルール”のある収納です。 “写真ラベル”といえば、画像がよく分かるよう大きめにプリントするのが一般的……なのですが、左右脳タイプのライフオーガナイザー、松林奈萌子さん宅のおもちゃ収納に使われているのは棚板の側面に貼れるほどの極小サイズ。見えないのではと思いきや、色や形に特徴のあるおもちゃの写真は小さくても認識可能。これなら文字の読めない小さな子どもでも、色と形で収納場所が分かります。常識とは違っても、自分たち家族にとっての分かりやすさを追求することが、片付いた状態を維持するためのポイントなんですね。【画像9】子どものおもちゃを収めたシェルフの棚板に貼られた写真ラベルは高さ1cm未満と極小サイズ(写真撮影/川俣満博 提供/片づけ収納ドットコム)

【画像9】子どものおもちゃを収めたシェルフの棚板に貼られた写真ラベルは高さ1cm未満と極小サイズ(写真撮影/川俣満博 提供/片づけ収納ドットコム)

収納に”人”を合わせない。目指すは“人”に合わせた収納!

ここでご紹介した実例は、すべてライフオーガナイザー宅のリアルな収納です。同じ“片付け”を仕事にしている人でも、これだけ収納方法に違いがあります。似た片付け方を採用している場合でも、そこにたどり着くまでの経緯や考え方が違います。けれども考えてみると、利き脳だけでなく、家族構成や家の間取り、家事にかけられる時間や管理できるものの量、暮らしのなかで重視していることだって違うのだから、当然といえば当然のことなのかもしれません。

そこに暮らす人がストレスなくものを探せる、戻せる収納が、ほかの誰でもない、その家族にとっての片付けの正解です。無理に“人”を収納に合わせるのではなく、収納を“人”に合わせる方法を取り入れてみてくださいね。ひとりで悩み疲れたなら、ライフオーガナイザーや整理収納アドバイザーといった片付けのプロに相談するのもアリですよ!『ライフオーガナイズの教科書』(主婦の友社)●取材協力・監修

一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会 HP

アメリカでは一般化している「オーガナイズ(住居・生活・仕事・人生等あらゆるコト、モノを効果的に準備・計画・整えること)」という概念を普及し、それを促進するための専門的な人材であるライフオーガナイザー®の育成、及びオーガナイズ諸技法の研究発展に取り組んでいる。2008年12月1日設立。監修の書籍に『ライフオーガナイズの教科書』(主婦の友社)など。●協力

・片づけ収納ドットコム HP●協力ライフオーガナイザー

・瑞穂まきさん/右右脳タイプ HP

・川崎朱実さん/左左脳タイプ HP

・松林奈萌子さん/左右脳タイプ HP
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2017/07/137774_main.jpg
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