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結果が出ず「発狂寸前」に。絶望しかなかったが“常識を疑う”ことで救われた――勝率9割の“プロギャンブラー”のぶき氏がこの仕事を選んだワケ

そんな毎日が1年半くらい続いたある日、不思議な感覚に襲われました。練習中、自分の部屋で誰かの喋ってる声が聞こえるんですよ。でもこの部屋は僕1人しかいないからおかしい。で、誰だろうと思って声が聞こえる場所まで歩いて行ったら、鏡に映ってる自分がずっと喋ってるんです。「あっ!」って言って指を差したら鏡の中の僕もこっちを指差してて。3ヵ月間誰とも会話せず、延々と独り言を言っていたんです。しかも、それに全く気づいていなかった。その時は本当に恐怖で身震いして、このままでは気が狂って終わるなと思いました。

結局、1年半の修業でわかったことは、本に書いてあった「ブラックジャックのプロになれる」というのは嘘だったということです。ブラックジャックの本を10冊読んでスキルをマスターし、さらにその中から有効なスキルを抽出して組み合わせ、自分オリジナルの最強の技を編み出していました。ブラックジャックの世界でトップレベルに近づけた自信はあります。にもかかわらずわかったのは勝てないという事実。正直、絶望感しかありませんでした。これだけブラックジャックを極めたのに、カジノに行きもせず負けを認めるという…。でも、これがプロかと…。

──部屋で負け続けても試しにカジノへ行って勝負してみるという選択肢はなかったのですか?

勝てる勝負しかしないのがプロです。何でも勝負したがるのはただのギャンブラーです。プロの勝負師はギャンブルをしません。するのはビジネスです。

今振り返ると、僕の失敗はプロギャンブラーを目指した時に、ブラックジャックのプロを選択してしまったことです。本にブラックジャックならプロになれると書いてあったから目指したわけですが、そんな人はこの世に存在しなかった。言うまでもありませんが、ロールモデルとなる存在がいないその道のプロになることほど難しいことはありません。リアルに確認できない全情報は疑うべきでした。

それで結局1年半経ってもプロになれないし、プロになれるめどすら立たず、発狂寸前にまでなって、絶望感に打ちひしがれてしまった。それで一旦ギャンブルの修業から離れて、休憩することにしたんです。

──精神崩壊の危機に直面してもプロギャンブラーの道をあきらめなかったのはなぜですか?

もしプロギャンブラーになれれば、つらい思いをしている子どもへ手が差し伸べられる。その必要な能力として、世界中を見て回り、自分自身のメンタル、思考力、決断力、行動力などが今より絶対強くなると思っていたからです。ここを乗り越えた後に絶対素敵なところに行けるということだけはわかっていたので。

また、家族や友人みんなにプロギャンブラーになると宣言してアメリカに来ていたというのも大きいですね。中途半端にあきらめたら彼らに顔向けできませんからね。

何より最初に、貯めた1000万円が0になるまでやろうと決めてたからです。1年半経っても使い切ってないし、まだ自分は勝負できると思っていました。そもそもあきらめるという選択肢自体、最初からなかったんです。

一時帰国から突然の閃きで突破口が開けた

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──“休憩”とは具体的にはどのような?

日本に帰って映画を観たり、本を読んだりして、ギャンブルから意識的に離れました。そんな感じで帰国して3ヵ月が経ったある日、たまたまある閃きが降りてきました。同じブラックジャックでもカジノによって全然ルールが違うんですね。カジノ業界でブラックジャックはこうすれば勝てると言われていたスキルをマスターしてもダメだったのならば、逆に絶対に勝てないと言われているルールのカジノへ行けば勝てるかもしれないと思ったんです。逆転の発想ですよね。常にあらゆる常識を疑うことはとても大事なことです。

それでその勝てないと言われているカジノのルールで試しに統計を分析してみたら、ビックリすることに勝てたんですよ。この時は「うわーっ、キター!」って思いましたね。ソッコーでそのカジノがあるニューオリンズに行き、さらに1ヵ月間、仕込み直しました。

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