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駄菓子屋「つねかわ」で生まれたB級鉄板焼きメニューは懐かしウマかった【名古屋】

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発見! 昭和の駄菓子屋さん

その昔、どの町にもあった駄菓子屋さん。アラフォーの私が生まれて初めてコーラを飲んだのは駄菓子屋さんだったし、小銭を握りしめてインベーダーゲームに興じたのも駄菓子屋さんだった。20代や30代の方はピンとこないかもしれないが、アラフォーやアラフィフ世代には駄菓子屋さんにまつわる思い出の一つや二つは必ずある。

食べ物にまつわる思い出としては、駄菓子屋さんにある鉄板でおばちゃんが作ってくれたお好み焼きや焼きそば。子どもにとっては高根の花だったが、学校が半休だった土曜日の昼に親からお金をもらって食べに行った記憶がある。その話は40年近く前の話。鉄板を完備した駄菓子屋さんはすでに歴史の彼方に消えてしまったのかと思っていた。

しかし、名古屋市内、北区上飯田東町でまだ営業しているという情報を入手した。

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それが国道19号線沿いにたたずむ「つねかわ」。

もう、外観からして昭和の匂いがプンプン。

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店内に入ると、駄菓子が所狭しと並んでいる。安いもので10円。いちばん高いものでも70円。

おっ、私の子どもの頃からある駄菓子もちらほら。値段も昔とあまり変わっていない。ちまたでは燃料費や原材料費の高騰で何でも値上げばかりだというのに。

「子ども相手の商売だから値上げはできねぇ」と、駄菓子のメーカーさんは頑なにこの値段を死守しているのだろう。

当然、10円や20円の商品を売る駄菓子屋さんも儲かるような商売ではない。小さい子どもがいるなどの理由で外へ働きに出られない人が始めるケースが多いという。

「つねかわ」の店主、恒川幸子さんもその一人だ。

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「私の場合、子どもは小さかったし、主人の親も同居していたからね。開店は1975(昭和50)年。昔来てくれた子どもたちが親になって、子どもを連れて来てくれたり、お店の前を通りかかって『まだやっていたんだ!』って寄ってくれたりするんだわ。駄菓子だけだったら、(儲からないので)とっくに潰れていたと思うよ。ウチは鉄板があるから続けることができたのよ」と恒川さんは言う。

素朴でうまい「お好み焼き」

さっそく、定番の「お好み焼き・肉玉」(480円)を作っていただくことに。

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名古屋のお好み焼き店では、生地と具を混ぜ合わせてから焼く関西風の、いわゆる「混ぜ焼き」が主流。

しかし、駄菓子屋さんのお好み焼きは、生地をクレープ状に焼き、その上にキャベツや天かすなどの具をのせていくスタイル。

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手際よくひっくり返して、両面をしっかり焼いて……。

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完成!

あらかじめ言っておくが、生地にダシを配合しているとか、ソースを自家ブレンドしているとか、そういったこだわりは一切ない(笑)。

が、何なんだ、このおいしさは! 素朴すぎる味に懐かしさも相まって泣きそうになる。

懐かしの「たません」が

ふと、お品書きを見ると、「たません」(120円)の文字が!

おそらく、このメニューは名古屋周辺の人にしかわからないと思う。今ではお祭りなどイベントの屋台でしか見かけないが、駄菓子屋発祥のB級グルメなのだ。

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まずは目玉焼きの黄身を潰して焼く。お店によっては薄焼き卵のこともある。

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その傍らで大きなたこせんべい(または、えびせんべい)を軽く焼き、ソースと青のりをかける。

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両面しっかりと焼いた目玉焼きにソースを塗って、たこせんべいにオン!

目玉焼きにソースだけではなく、マヨネーズもかけるお店もあるらしいが、私の子どもの頃はそんなしゃれた味付けはなく、ソースだけだった。ここ、「つねかわ」もソースのみ。

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食べやすいように、たこせんべいを半分に折って、目玉焼きをサンドする形に。

これが「たません」だ。ソースが染みてふやけたたこせんべいと目玉焼きの食感、青のりの香りがたまらない!

「たません」は、子どもの頃に食べたきりだったので、懐かしさもひとしお。

「スナックロール」とは?

どれもこれも、なんと懐かしい味なんだろうか……。

感慨にふけっていると 「ウチに来る子どもが考えたメニューもあるでね。例えば、『スナックロール』とか……」と、恒川さん。

ん? 子どもが考えた「スナックロール」!?

まったく想像がつかないが、めちゃくちゃ気になるぢゃないかっ!

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「スナックロール」(100円)に使うのは、駄菓子の定番「うまい棒」。

基本的にどの味でも構わないが、恒川さんによると、チーズ味とピザ味、めんたい味がオススメとか。

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まずは、鉄板に溶き卵を流して、割り箸で長細く伸ばす。

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その上に「うまい棒」をのせてクルクルと巻いていく。

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巻き終えたら、ソースと青のりをかけて、おでんの串を刺して完成!

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断面はこんな感じ。

ソースをダイレクトに塗る「たません」と違って、「うまい棒」のサクサク感はほぼ残っている。「うまい棒」だけでも十分うまいのに、薄焼き玉子とソースの味がくわわるだけでさらにうまくなる。

恒川さんによると、この「スナックロール」は26年前に子どものアイデアから生まれたという。その子どもは間違いなく天才に違いない。

「たまかつ」で駄菓子飲み

ちなみに「スナックロール」から派生した「たまかつ」(120円)なるメニューもある。これに使うのは、魚のすり身を使った「ビッグカツ」と「ハバネロ入りビッグカツ」、「みそカツ」。

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これらのいずれかを選んで、薄焼き卵で巻く。

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味付けは「スナックロール」と同様に、ソースと青のり。卵で包むことで「ビッグカツ」がやわらかくなる上に、スパイシーな味がマイルドになる。

これもうまい! 思わず、「ビール、ちょうだい!」と言いそうになった(笑)。

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「こっちもお酒に合うと思うよ」と、恒川さんは鉄板で餅を焼きはじめた。餅がやわらかくなったところで、何かのタレを塗った。

焼き餅は肴にお酒を飲んだことはないが、果たして……。

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4等分にカットした餅に魚介のすり身を甘辛く味付けした駄菓子の「帆たら」を巻き付ける。

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で、食べやすいように、串を刺して完成。

「これが『もちほたら』(160円)。餅に塗ったのは、にんにく醤油。これがおいしいんだわ」(恒川さん)

もう、この匂いだけで2、3杯は飲める(笑)。

にんにく醤油が「帆たら」と餅のつなぎとなり、味を一体化させている。居酒屋さんでコレを出したら、絶対にウケると思う。これを子どもに食べさせるのはもったいない(笑)。

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駄菓子屋さんから生まれた鉄板焼きメニューの数々、いかがだっただろうか?

駄菓子屋さんの存在自体が風前のともしびとなっている今、名古屋の宝ともいうべきこれらのメニューも消えていく運命なのだろうか……。そう思うと、寂しくて仕方がない。

お店情報

つねかわ

住所:愛知県名古屋市北区上飯田東町1-37

電話番号:052-912-2572

営業時間:11:00~20:00

定休日:不定休

※この記事は2017年4月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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