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【3markets[ ]】 “CDよりライヴがいい”を覆せた一枚

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以前付き合っていた彼女との実話と心境を書いたというシングル「バンドマンと彼女」。流通作としては約2年1カ月振りとなる今作についてカザマタカフミ(Gu&Vo)に語ってもらった。
L→R 金子セイメイ(Ba)、カザマタカフミ(Gu&Vo)、矢矧暁(Gu)、masaton.(Dr&Cho) (okmusic UP's)
──シングル「バンドマンと彼女」は2年1カ月振りの流通作となるわけですが、ここに至るまでにバンドや自身にとって何か変化はありましたか?
「前の前のベースがいなくなったことにより、自分らの活動はすごい“受け”になったと思うんですよ。以前はベースが営業や売ることをちゃんと考えていたので、俺は曲を書くことに集中できていたんですけど、そのベースがいなくなった時に外に向けての発信を考えてくれる人がいなくなってしまったんです。バンドとしては活動してるけれど、いいものを作っただけで終わりじゃ意味がない…その聴いてくれる人に届けるための活動があまりできてなくて。前回の流通はほとんど自分がやったのですが、それが本当にしんどいし、向いてないっていうのも分かったので、今回は人に任せた分、音楽に集中できました。変化があったとしたら、前よりも人に頼ることができるようになりました。これが甘えだと呼ばれないなら、成長だと思いたいです。」
──ブログでは“CDがまったく売れなかったらどうしようって 不安になる”“自分のバンドを疑いたくないから 破壊したくないから きっと適度に頑張らないで活動してきた”と綴っていましたが、実際にシングル「バンドマンと彼女」出来上がってみて感じていることとは?
「バンドはできれば破壊したくはないんですけれど、停滞して衰退していって消滅するくらいなら破壊したほうがいいと思う派の人間なので、これで駄目なら破壊するのかな…という気持ちではいます。今度からバンドは“解散”じゃなくて“破壊します”って言い方が流行ったらいいと思いました。なんでもないです。分かりやすく言えば、売り出し方の面で勝負に出たので勝ち負けがしっかり出るんだろうな…と。今まではのらりくらりと勝負を避けて生きてきたので。そんな今の心境をひと言で言えば“怖い”です。自信ってどこから産まれるんですかね? 自信を持って“俺、最高!”とか言えていたらバンドをやってない気がしますが。」
──今作のプロデュースにはそれでも世界が続くならの篠塚将行さんが参加していますね。
「プロデュースしてもらって、やはり第三者の意見は違うなと感じました。他のバンドとも全然仲良くしないでプライドばっかり高くなっていたのですが、演奏や音楽、精神の面でも中に入って一緒にやってもらって、新しい発見や考え方がたくさんあって。それについて話すと死ぬほど長くなるので、とりあえず一番刺激を受けたのは“しのくんっていつ寝てるんだろうな…。頑張らなきゃな…”っていうところですね。」
──他に今作で挑戦したことはありましたか?
「全部一発録りです。しのくんのせいです。普通は一発録りでもアンプとかはドラムと違うところで鳴ってたりするんですけど、狭いスタジオに全部ぶち込みました。みんな立って弾いていて、俺も弾きながら歌いました。CDよりライヴがいいって散々言われてきたけれど、それをやっと覆せたなって思ってます。」
──「バンドマンと彼女」は以前付き合っていた彼女に“私の曲を作ってほしい”と言われた時の実話と心境を書いた楽曲とのことですが、別れてから“書こう”と思えたきっかけは何かあったのですか?
「前のアルバム『眠りたいもう眠りたい』(2015年6月17日リリース)を出した時に、彼女に“私の曲がない”って言われた時のことなのですが、その彼女に対しては罪悪感しかなくて…今でもなんですけれど。自分が恋愛について言えるほど恋愛をちゃんとしていなかったから、恋愛の曲は書きたくないと思っていたんです。でも、スタッフの人と飲んでた時に“どうしたら売れるかな?”って訊いたら“恋愛の曲書いたら?”っていう安いやりとりがあって、それで“書いてみようかな”くらいの気持ちでした。面白くなくてやっぱりすみません。」
──書いてみて、どういった曲になりましたか?
「PVを作ってもらって観た時に、彼女のことを忘れないのが自分に与えられた罰なのかなと思ったりしました。“自分はひどい人間だ”って歌うたびに思い出します。自虐ソングですね。この歌、聴いた人に何の意味があるんですかね?」
──「あきた」は感情の振れ幅を表しているようなサウンドが印象的でした。多くの人が隠し持っている一面の核心を突く一曲なんじゃないでしょうか。
「この曲好きです。ずっと言いたかったことなんですけど、SNSでいいことばっかり言って着飾る人も、繕う自分も気持ち悪くて。周りに良く思われたいのは当たり前のことなんですけど、その客観視する自分を捨てたくて作った曲です。いい人ぶってる人が多すぎて、それが普通だと思ってる世の中は本当気持ち悪いです。“悪ぶれ”ってことじゃなくて、“普通でいいのに”って思うことばかりです。」
──包み隠さずに想いが歌詞に書かれている印象を受けたのですが、普段、楽曲は歌詞とメロディーどちらから作ることが多いのでしょうか?
「これでも包んでいて、根っこのまま書いたら、全ての歌詞が“死ぬ”か“殺す”だけになって終わる気がします…。メロから書く曲もあるんですけど、それだと伝わらないんですよね。歌詞が。なので、基本的には歌詞を先に書いて、その歌詞に合うメロディーを基本作っていきます。楽曲はほとんどがバイトの夜勤中に書いてますね。それをカラオケに持ち込んで気持ちを入れて歌って、歌詞とメロがちゃんと乗るのか?みたいな作業の繰り返しです。あんまり面白くない話ですいません。」
──シンプルなバンドサウンドの「パピコ」は会話をする《話して》と分かれる《離して》をかけることで、聴いた時と歌詞を読んだ時でそれぞれ楽しめますね。
「《話して》と《離して》の感情が真逆になってる瞬間があるので、歌はそこが難しいなぁと思いました。“嫌い”が“好き”に聴こえるような、そういうものが好きなんですが難しいですね。」
──「ごぜんさんじ」は2016年4月に発表した会場限定CD「バースデイ」にも収録されていますよね。もともとはどういったきっかけから作った楽曲だったのですか?
「単純に、流通してない盤から1曲入れたいと思ったのがこの曲だったんですよ。この曲はライヴハウスの人によく分かんない駄目出しをされて、その時は“うんうん”って思いながら聞いてたんですが、家に帰って寝る前に“ふざけんなよ”って思って。これはライヴハウスに限ったことじゃないんですけど、否定されるのはまだしも強制されるのが嫌なんです。《手なんてあげなくてもいいよ》って歌詞があるんですけど、これは“あげてもいいよ”って想いもありますね。何をやるにしても自分で考えて自分で決めろ!っていつも思ってるんで。」
──改めて、シングル「バンドマンと彼女」を振り返ると?
「挑戦したので不安です。まだ全然振り返れませんね。強いて言うなら、彼女に聴いてほしくない一枚になりました。」
──では、作り終えたことで何か得られたものはありましたか?
「たくさんの人にお世話になるということは、それ以上に頑張らないとすぐに見離されてしまうんだろうなと思いました。見離さないでほしければ、もっといいものを作り続けなければいけない…音楽を仕事にするのは改めて大変だと思いました。大変だけど楽しかったですね。」
──最後に、3markets[ ]としての今後の展望などがあれば教えてください。
「“歌詞が歌詞が”ってよく言われるんですけど、だったらもっと突っ込んでいって、他のバンドが全部嘘になってしまうようなバンドになりたいです。破壊しないようにしたいです。」
取材:高良美咲
シングル「バンドマンと彼女」
2017年7月19日発売

Low-Fi Records

LFRR-0002 ¥1,000(税抜)

※TOWER RECOREDS、ヴィレッジヴァンガード限定
3markets[ ]
スリーマーケッツ[ ]:2014年10月10日、メンバー加入をきっかけに3markets(株)からバンド名を現在の名前に変えて始動。15年6月に3markets[ ]として初の全国流通盤アルバム『眠りたいもう眠りたい』を発表。17年7月19日にシングル 「バンドマンと彼女」をリリースする。

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