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【Yun*chi】 自由な色、自由なかたちで自分の未来を描きたかった

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キャンバスを色付けていくように、“今のYun*chi”を表現したという約2年振りとなる新作ミニアルバム『Canvas*』は、随所から変化を感じる一枚になった。
 (okmusic UP's)
──『Canvas*』は前作のアルバム『Pixie Dust*』から約2年振りですね。
「ライヴもしていたし、海外の台湾でのイベントやテキサスでの『SXSW』にも出させていただいたんですけど、新しい曲をみんなに聴いてもらうってことができなくて。でも、実は制作はずっとしていました。デビューしてから“リリースをしない”というのが初めてだったので、その活力や余っているエネルギーをぶつけるという意味でも制作を頑張っていました。葛藤もあったけど、音楽とも自分ともきちんと向き合えた期間でしたね。」
──ビジュアルイメージも今までと比べるとナチュラルな感じに変わりましたね。
「去年は見た目的にも悩んだりしていて。デビューからずっとボブカットだったので、海外に行っても“コケシガール”って言われたり、そういうキャラが定着してたかもしれないんですけど、そういう中でナチュラルにしてみたらどうなるかな?って自分と向き合ってみたら自然な流れでそうなりました。今回のアートワークは海に行って堤防で撮ったんですけど、吹いているのは自然の風なんですよ。前日まで晴れない予定だったんですけど、撮影の時には晴れたし、そういった奇跡がいっぱい起こりましたね。」
──この雲の陰りも、水彩みたいできれいですね。
「理想と現実の狭間というイメージなんですけど、WATABOKUさんがアートディレクターとして参加してくれていて、水彩が合うんじゃないかっていうことで実際の写真と水彩を重ねているんです。」
──『Canvas*』にはピアノなどを取り入れた、バラードやミドルテンポで歌い上げる曲が多くて、音楽面でもナチュラルな方面に向いた作品だなと思いました。
「そうですね。これまで通り打ち込みの音も入っているんですけど、ピアノやギターなどの弦楽器も多く入っているので、今までよりもナチュラルに楽器の音が聴こえてくるんだと思います。今のYun*chiを表す時に、温かみのある音、自然な音を多めに使っていけたらいいなと思ってみんなで相談したんです。収録されているのは7曲だけですけど、入れたかった曲はすごくいっぱいあって。その中でもよりみなさんに届けたい!と思う曲を厳選しました。でも、曲がたくさんありすぎて、チョイスが大変でしたね(笑)。メロディーがなかったり、歌詞が違かったり、イチから作った曲もあったし。切ない曲とか悩んでいるような曲もあるんですけど、真剣に悩めたし、真剣に笑えたし…終始明るい空気感で、みんながいてくれたおかげで等身大なものを制作することができました。」
──リード曲の「今僕のいる場所が理想と違っても」は、これまでのYun*chiさんのトレードマークである“*”(アスタリスク)がない初の日本語タイトルで驚きました。
「そうなんですよね。これまでのYun*chiを知っている方は気付いてくださる方もいて。このアスタリスクは妖精が飛んだあとのピクシーダストで、アルバムにした時に星のかけらを集めるようなイメージで楽曲に付けていたんですけど、前作のリリースから2年間の時を経てできた曲なので、 今思っていることを素直にみんなに知ってほしいし、もっと伝わりやすくしたいと思ってこのタイトルを付けたんです。ちょっとまだそわそわするんですけどね(笑)。この曲がYun*chiの空いてしまった時期を埋めてくれていると思います。弱音は言いたくないし、頑張っていこう!と思っていても、やっぱり心が折れて悩んだりする時期もあって…。その中でライヴに来てくれたファンの方への感謝の気持ちがありました。諦めなかったことによって、今回お礼が言えるし、歌が作れたので、“諦めなければいいことがある”という想いも込もっているし。このアルバムを引っ張る曲になりましたね。」
──伸びやかな歌い出しや、応援歌のように語りかける歌詞にも変化を感じましたよ。
「今回は“Canvas*”っていうタイトルにした通り、これから先、自由な色で、自由なかたちで自分の未来を描いていきたくて、“キャンバスからはみ出てもいいじゃん!”っていうくらいの気持ちがあったんです。ライヴでも何度か歌っているんですけど、自分で書いたこの曲に自分も応援されたりするんです。聴いてくれたファンも“応援歌っぽくていいよね”って言ってくれたんですけど、歌いながら“もっと頑張れるな”と思えるし。言っていいのか分からないですけど、もともと私の中には応援ソングを作るという気持ちがなかったんですよ。“私なんかが応援したって”という気持ちもあったし…。」
──その気持ちが変わったということですか?
「自分が応援されて嬉しかったし、改めてCDを出して気持ちをみんなに聴いてもらうことができるというのはすごいことだと思えたので。じゃなかったら、書けなかったです。今はその引き出しが増えて、物が入り始めた感じですかね。」
──2曲目の「HIMAWARI*」は和のサウンドで、歌詞には秋も出てくるし、夏を思い出す郷愁感がありますね。“ひまわり”というと明るいイメージがあるので、意外でした。
「私、花の中でひまわりが一番似合わないと思うんですよ(笑)。“よく笑うね”と言ってもらうこともあるんですけど、根本はジメジメしていて、引きこもるのが好きな部分もあったり。でも、夏のイメージからひまわりにしてみました。言ってもらった通り、最後のほうで秋が出てくるんですけど、残暑のイメージも入れたくて。アレンジをしてくださったFUNK UCHINOさんのアイデアで、最後のフェードアウトに蝉の声も入っているんです。夏が終わり始めたけど、まだ暑さもある…そういう夏っぽい曲を作れたと思います。」
──「Trendy Night*」は女の子が主役の曲で。Jazzin’parkさんとの共作ですけど、これはYun*chiさんからイメージを伝えたのですか?
「そうです。私、岡村靖幸さんがすっごい好きなんです。勝手なイメージなんですけど、クラブとかお洒落なパーティーにいそうじゃないですか? そういうところで出会ってしまったら…!?という曲です。」
──だから、全体的に妄想が爆発しているような感じなんですね?(笑)
「私の妄想の話なんですけど、実際のパーティーとかでも私が知らないだけでみんなの中では駆け引きがあったりするんじゃないかなって。私もよくクラブや夜のパーティーにも出させていただくので、その時にそういう人たちが聴いてドキッとしてほしいな(笑)。結構前から作っていて、作曲にも参加していたんですけど、作るのがすごい楽しかったんですよ! Jazzin’parkのおふたりに簡単なコードや流れを作ってもらっていたんですけど、メロが結構空いている部分もあったので、妄想をしながら考えました。私が歌うと(栗原)暁さんが歌って(久保田)真悟さんがアレンジをするというやりとりで。」
──合いの手も入れやすいし、ライヴが想像できますね。
「去年の『加賀温泉郷フェス』に出させていただいた時に“みんなに新しい曲を作ってるって知ってもらいたい!”と思って、まだワンコーラスくらいしかなかったんですけど急遽披露したら、一発目からすごい盛り上がって。みんなクラップもしてくれるし、パーティーを意識して作ったからパーティーに合う音になりました。《秘密の Party Night!!》って歌ってる通り、好きな人や気になる人と…その人にとっての心の中での秘密のパーティーにもなったらいいですね。」
──Jazzin’park さんとAvec Avecさんとの「Kare Kano*」はサビの英語の部分が不思議な響きですよね。
「『シンデレラ』の魔法の歌「ビビディ・バビディ・ブー」のように、何を言っているかは分からないけど歌いたくなっちゃう曲になったらいいなと思ってみんなで相談しました。英語なんですけど、魔法の言葉に聴こえるようなイメージで。」
──「Again*」は星空をイメージさせる部分もありました。
「曲調はさわやかでキラキラしているんですけど、ちょっと切ないですよね。“夏”といっても、やっぱり夜とか星が出ているイメージが強くて、太陽が当たっている夏の歌をあまり作ったことがなかったんです。だから、今回は陽が当たっているところでのいろいろな出来事の歌を作れたらいいなと思っていたんですけど、その中でこの曲は夜寄りですね。」
──切ない曲と言えば、「Seaside In Dream*」も情景が浮かびやすい曲ですね。
「これは歌詞の大部分を書かせていただいた曲です。まだ好きって言えてない人と海に行くことになった時の心の中の想いなので、始まりは日常から抜け出して、電車を乗り継いで海のほうへ行って…そこからどうなるかは聴いてくれる人それぞれのイメージがあると思うから、想像しながら聴いてもらえたらいいですね。実は、サビの《揺れる》には意味が3つあるんですよ。」
──波と、気持ちと…
「うふふ(笑)。」
──あっ、電車ですか?
「そうなんです! そういういろんな設定を作りながら全部の曲が出来上がっていて、話すと止まらなくなっちゃうので一生懸命控えめにしてるんですけど(笑)。夏の通り雨の間にふたりの関係は進展するんです。最後に虹がかかる時には雨は止んでいるんですけど、それまでに動いた気持ちを忘れないでいてねっていう曲なんです。」
──「Thank U*」は《私が私でいられるように》《見せかけの儚い強さ》とか、模索しているようなイメージを受けました。
「ちょっとだけ、私を客観視している部分もあります。これも“ありがとう”が伝えられたらいいなと思ったので、「今僕のいる場所が理想と違っても」と似ていますね。ライヴが終わる時の“今日は来てくれてありがとう”っていう気持ちと、ライヴがない時にもみんなが私の曲を聴いて応援してくれることに対して“ありがとう”を伝えたいというところから作りました。不安になることもあるけど、やっぱりみんながいてくれるから自分がいられるというか…不安に押し潰されそうな日ってあるじゃないですか。そういった、いろんなことを思い出す時に聴いてほしいです。やっぱり、2年振りということで、その間の1年間とかは“続けていていいのかな?”ってなったりもしていたんですよ。でも、歌が好きなのは変わらないし、何度も向かっていこうという気持ちがあったので、それが歌に反映されていると思いますね。」
──『Canvas*』はこれからに期待も抱ける作品になりましたね。
「それぞれのプロの方が集まって、それぞれがいいものを作ろうという、目指すところは同じで。それがすごくカッコ良いなと思って、私も頑張れました。みんながYun*chiを表現するために、作品に向けて道を作り上げようという気持ちが一丸となっていたので、そういうところでもCD出せて良かったと思います。」
──「今僕のいる場所が理想と違っても」には《大きいキャンバス代わりに 理想の自分 描いたら 気持ちがふと 楽になった》とありますが、もやもやを昇華したことで、楽になりました?
「楽になったかはちょっと分からないですけど(笑)、これからを生きていくために!という感じです。考え方、選び方次第で見る角度が変わって、方向も変わっていくなって思えたし、二度目のエンジンがかかったかなという気持ちがあります。」
取材:高良美咲
ミニアルバム『Canvas*』
2017年8月2日発売

Playlist Zero/日本クラウン

CRCP-40523

¥2,130(税抜)
Yun*chi
ゆんち:幼少期よりYUKIやCharaなどの女性シンガーに憧れ、積極的に音楽活動を始める。デビュー前からさまざまなアーティストの作品やコンピレーションアルバム等に参加するようになる。2012年11月ミニアルバム『Yun*chi』でメジャーデビュー。Yahoo!急上昇アクセスランキング2位(9月14日)をマーク、『ミュージック・ジャケット大賞2013』にて大賞を受賞。アメリカ・テキサス州オースティンで開催された音楽、映画、インタラクティブなどを組み合わせた世界最大級のフェスティバル『SXSW2016』や、ロンドン、ミャンマー、ジャカルタ、NY、マレーシア、台湾など世界各国で開催される大型イベントにも出演。国内のみならずイベントに出演を果たすなど、海外でも話題を呼んでいる。

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